Virtual World of WarⅢ・仮想世界の戦争
新第3話
「重たい…」
大阪梅田にある家電量販店宿橋カメラ。
宿橋カメラは大阪梅田の他にも東京新宿にも店舗があり、家電製品からゲーム、カメラ、スマホ携帯PCなど様々なものが売られている。なおヨトハジカメラとは一切関係がございません。あしからず…。
さて、そのエレベーターホールに諭吉と柚木が二人たたずんでいる。だが、柚木と比べ諭吉の顔は険しかった。その理由は…
「な、んでお前も、買った、んだよ!」
そう、柚木のVRである。
本来ならば軽い素材で作られているので軽く済むはずだが、諭吉に続き柚木も購入。さらにそのVR機は諭吉が持つ羽目になっていた。
大きさもあってか、そこそこ重い。
「だって~、諭吉ちゃんがゲームの中で律儀よく過ごせるか心配だったんだもん…」
「だから、と、いいって、俺、が持つ理由は、ない!」
「…。だめ?」
諭吉は…、この時不覚ながらときめいてしまった。彼女の上目遣いはそれほど協力的破壊力があるのだろう。
「…。はぁ、しゃあ、ねぇ。わかった、家まで、な」
「ありがと~、さっすがやっさいぃ~!」
理性を保つことに必死だったので、彼の心は、ポキッと音を立てて挫けた。
「しっかし、あいつ、はなに、しているん、だ?」
彼の言葉が所々途切れているのは、このように話すのがはやっている訳ではない。先ほど言った通り長時間立ちっぱなしに加え、大きなVR本体の箱を両手で2つ抱えている状態だ。まぁ、ここにいるのも待ち人十条との待ち合わせ場所がここだからである。
そして諭吉はなかなか降りてこない十条に対しいら立ちを覚えていた。
っとそこに、エレベーターのドアが開き、中から待ち人である十条が降りてきた。
「やぁ、お待たせしてごめんごめん」
「てめぇ、どこ、行っていた、んだよ!?」
「ごめんごめん、ちょっと買い物に…」
十条の左手には、確かにレジ袋がぶら下がっていた。
「はやく、行こうぜ!もう、結構げ、んかい。長時間、はさすがに、つらい」
「悪かったよ。お詫びにさ片方持つから」
「俺はこっちを持つから、1万円は俺のを持ってくれ」
「それ、俺の負担減らせなくね!?」
諭吉は必死にツッコんだ。
「冗談さ。半分こすりゃぁいいだろ。柚木さん!この袋持っていてくれませんかね?」
そういうと十条は持っていたレジ袋を柚木の方へ投げた。
彼女は十条から投げられたレジ袋を器用にキャッチし、その重さと形に気になったのか、袋をあさっていた。中に入っていたのは、
「攻略本?」
WWⅢの攻略本全120ページ。税込み1200円なり、それも3冊。
「あぁ、WWⅢの攻略本ですよ。必要になったら使えるように全員分買っておきました。」
「へぇ、こんなに銃の種類があるんだ~…。あっ!こっちには……」
十条の話を果たして柚木が全部詳細に聞いていたかは知らないが、彼女は早速攻略本を眺めていた。
だが、本が3冊あることを見ていた諭吉は、彼女に聞こえぬよう小声で十条にささやいた。
「おい、十条。攻略本って高いと聞いたが、3冊もかって大丈夫だったのか?」
「ああ、安心しろ。VRブームによってずいぶん安値で売られていてな。さらにセットならお得だったので折角だから全員部買って来たのさ」
「…。十条」
「どした?」
「本音は?」
「柚木さんが喜ぶようなことをしてみたかったから…」
諭吉は察していた。
十条は嘘をつくとき目を視点が合わないときがある。彼はそのしぐさを見逃してはいなかった。
そしてもう一つ、これまた大きな謎が残る。
「…?なぁ、じゃあ何で俺の分まで買ってきた?」
「柚木さんに出会わせてくれたこと、そして今日連れてきたことなどの感謝の気持ちだ」
「お前なぁ…」
諭吉は十条の回答に呆れて苦笑いを浮かべた。
訂正と改めて補正しておくが、柚木は彼が連れてきたわけではなく、勝手についてきたのである。
諭吉はそう内心でツッコみながら帰路についた。
大阪梅田にある家電量販店宿橋カメラ。
宿橋カメラは大阪梅田の他にも東京新宿にも店舗があり、家電製品からゲーム、カメラ、スマホ携帯PCなど様々なものが売られている。なおヨトハジカメラとは一切関係がございません。あしからず…。
さて、そのエレベーターホールに諭吉と柚木が二人たたずんでいる。だが、柚木と比べ諭吉の顔は険しかった。その理由は…
「な、んでお前も、買った、んだよ!」
そう、柚木のVRである。
本来ならば軽い素材で作られているので軽く済むはずだが、諭吉に続き柚木も購入。さらにそのVR機は諭吉が持つ羽目になっていた。
大きさもあってか、そこそこ重い。
「だって~、諭吉ちゃんがゲームの中で律儀よく過ごせるか心配だったんだもん…」
「だから、と、いいって、俺、が持つ理由は、ない!」
「…。だめ?」
諭吉は…、この時不覚ながらときめいてしまった。彼女の上目遣いはそれほど協力的破壊力があるのだろう。
「…。はぁ、しゃあ、ねぇ。わかった、家まで、な」
「ありがと~、さっすがやっさいぃ~!」
理性を保つことに必死だったので、彼の心は、ポキッと音を立てて挫けた。
「しっかし、あいつ、はなに、しているん、だ?」
彼の言葉が所々途切れているのは、このように話すのがはやっている訳ではない。先ほど言った通り長時間立ちっぱなしに加え、大きなVR本体の箱を両手で2つ抱えている状態だ。まぁ、ここにいるのも待ち人十条との待ち合わせ場所がここだからである。
そして諭吉はなかなか降りてこない十条に対しいら立ちを覚えていた。
っとそこに、エレベーターのドアが開き、中から待ち人である十条が降りてきた。
「やぁ、お待たせしてごめんごめん」
「てめぇ、どこ、行っていた、んだよ!?」
「ごめんごめん、ちょっと買い物に…」
十条の左手には、確かにレジ袋がぶら下がっていた。
「はやく、行こうぜ!もう、結構げ、んかい。長時間、はさすがに、つらい」
「悪かったよ。お詫びにさ片方持つから」
「俺はこっちを持つから、1万円は俺のを持ってくれ」
「それ、俺の負担減らせなくね!?」
諭吉は必死にツッコんだ。
「冗談さ。半分こすりゃぁいいだろ。柚木さん!この袋持っていてくれませんかね?」
そういうと十条は持っていたレジ袋を柚木の方へ投げた。
彼女は十条から投げられたレジ袋を器用にキャッチし、その重さと形に気になったのか、袋をあさっていた。中に入っていたのは、
「攻略本?」
WWⅢの攻略本全120ページ。税込み1200円なり、それも3冊。
「あぁ、WWⅢの攻略本ですよ。必要になったら使えるように全員分買っておきました。」
「へぇ、こんなに銃の種類があるんだ~…。あっ!こっちには……」
十条の話を果たして柚木が全部詳細に聞いていたかは知らないが、彼女は早速攻略本を眺めていた。
だが、本が3冊あることを見ていた諭吉は、彼女に聞こえぬよう小声で十条にささやいた。
「おい、十条。攻略本って高いと聞いたが、3冊もかって大丈夫だったのか?」
「ああ、安心しろ。VRブームによってずいぶん安値で売られていてな。さらにセットならお得だったので折角だから全員部買って来たのさ」
「…。十条」
「どした?」
「本音は?」
「柚木さんが喜ぶようなことをしてみたかったから…」
諭吉は察していた。
十条は嘘をつくとき目を視点が合わないときがある。彼はそのしぐさを見逃してはいなかった。
そしてもう一つ、これまた大きな謎が残る。
「…?なぁ、じゃあ何で俺の分まで買ってきた?」
「柚木さんに出会わせてくれたこと、そして今日連れてきたことなどの感謝の気持ちだ」
「お前なぁ…」
諭吉は十条の回答に呆れて苦笑いを浮かべた。
訂正と改めて補正しておくが、柚木は彼が連れてきたわけではなく、勝手についてきたのである。
諭吉はそう内心でツッコみながら帰路についた。
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