ガチャで爆死したら異世界転移しました
冒険者学校 ⑯ アリサvsレヴィア 後半
(・・・これで確証が得られましたね。やはりあの人は────)
アリサの操る茨を躱し、時には剣で弾くレヴィアの顔には、先程までの様な余裕は感じられなくなっていた。
(あの茨が出現した後、アリサさんの動きが格段に早くなってますし、それに伴って環境ダメージも入っていますね・・・)
茨を操る事に集中していたアリサは気付いていないが、一度は灼熱の炎が包んだこの場内は、発動者以外への環境ダメージが発生しているのである。
更にはアリサの怒涛の連撃により、初めは数個しか無かった場内の火種が、今では軽く見渡しただけで百はあると分かる程度には増えていた。
しかしレヴィアは焦らない、自身の高い体力に物を言わせ、ただ機会を待つ。
(───これは…甘いっ!)
転機を伺っていたレヴィアは、たまたまアリサが油断した攻撃を見逃さなかった。
レヴィアは自身の得意とする水属性の魔力を纏わせた刀身の腹で炎の茨を受け止め、剣を押し当てたまま走り出す。一直線に、即ちアリサの元へと。
茨の炎の魔力と剣の水の魔力が反応し、けたたましい蒸発音が鳴り響く。
アリサは危険を悟り、全力で焦っていた。
(不味いっ!武器…って、左手は塞がっているんでした!どっ、どうしたら!?)
レヴィアはもう後一歩で剣が届く程まで近づいてきている。突然の窮地に更に思考が混乱するアリサだが、
『落ち着いて、そのままその茨に魔力を込めてみて下さい』
突然聞こえた声が、彼女を冷静に戻した。
そして何の躊躇いも違和感も無く、ただそれに従う。
「「───っ!!!!」」
そしてアリサの、そしてレヴィアの視界はまたもや真紅に染まる───
「────驚いた。まさかあの魔法がこんなに強化されてるとは・・・でも、これはチャンスかな。【影転移】」
誰もが眩い光で目を覆う中、レインはこれが好機とばかりにレヴィアの前へ転移する。彼女は完全に予想外の攻撃に晒され、超高度の熱により全身に酷い火傷を受け、放っておけば最悪死んでしまう程であった。
(いやーこれ程とは・・・神聖なる円蓋を展開しててよかったな・・・)
「さて、【世界樹の涙】・・・【睡眠】────」
それからしばらくし光の収まった後、アリサは目を開ける。
「・・・い、一体何が?・・・あれ、レヴィアさん?!」
彼女の前には、来ている服にこそ若干焦げが見られるが、身体には傷一つ無いレヴィアが横たわっていた。
自分でも何が起きたか分からなかったアリサは、万一のことを思いすぐ駆け寄るが、眠ったように寝息を立てている事に気付き、安心する。
『・・・あっ、え、えっとぉー。これは、勝者、アリサ・ディア・レクウェル・・・でいいんですかね?』
アナウンサーの宣言を聞いた観客達は、誰もが何が何だか分からないながらも、歓声を上げ始めた。
「・・・かっ…た、  んですか?」
控え室でペタンと座り込むレイは、自身の主ながらも信じられないと言った風につぶやく。
「・・・勝った、様だな」
ネルも呆然としながらだがそれに応える。
「ほら、言ったでしょ?僕は今まで一度も負けたことも、負けさせたこともないって」
レインの言葉に答えるものは、「私はわかっているぞ?」と言わんばかりに横目に見てくるイグラッドだけであった。
【永遠消えぬ獄炎の茨・指輪】
発動時:膨大な炎によって広範囲に渡って炎の渦が包む。その後効果範囲内に環境ダメージ【延焼】を残す。
パッシブ時:発動者の武器にパッシブ効果として炎の茨による遠距離攻撃を追加する。
派生効果:魔力を消費することにより飛散した火種を繋ぐように炎の茨が出現し固定トラップとして配置する。威力は火種の数に比例し敵が触れると発動者以外を巻き込む巨大な爆発と行動を制限するほどの閃光を起こす。
アリサの操る茨を躱し、時には剣で弾くレヴィアの顔には、先程までの様な余裕は感じられなくなっていた。
(あの茨が出現した後、アリサさんの動きが格段に早くなってますし、それに伴って環境ダメージも入っていますね・・・)
茨を操る事に集中していたアリサは気付いていないが、一度は灼熱の炎が包んだこの場内は、発動者以外への環境ダメージが発生しているのである。
更にはアリサの怒涛の連撃により、初めは数個しか無かった場内の火種が、今では軽く見渡しただけで百はあると分かる程度には増えていた。
しかしレヴィアは焦らない、自身の高い体力に物を言わせ、ただ機会を待つ。
(───これは…甘いっ!)
転機を伺っていたレヴィアは、たまたまアリサが油断した攻撃を見逃さなかった。
レヴィアは自身の得意とする水属性の魔力を纏わせた刀身の腹で炎の茨を受け止め、剣を押し当てたまま走り出す。一直線に、即ちアリサの元へと。
茨の炎の魔力と剣の水の魔力が反応し、けたたましい蒸発音が鳴り響く。
アリサは危険を悟り、全力で焦っていた。
(不味いっ!武器…って、左手は塞がっているんでした!どっ、どうしたら!?)
レヴィアはもう後一歩で剣が届く程まで近づいてきている。突然の窮地に更に思考が混乱するアリサだが、
『落ち着いて、そのままその茨に魔力を込めてみて下さい』
突然聞こえた声が、彼女を冷静に戻した。
そして何の躊躇いも違和感も無く、ただそれに従う。
「「───っ!!!!」」
そしてアリサの、そしてレヴィアの視界はまたもや真紅に染まる───
「────驚いた。まさかあの魔法がこんなに強化されてるとは・・・でも、これはチャンスかな。【影転移】」
誰もが眩い光で目を覆う中、レインはこれが好機とばかりにレヴィアの前へ転移する。彼女は完全に予想外の攻撃に晒され、超高度の熱により全身に酷い火傷を受け、放っておけば最悪死んでしまう程であった。
(いやーこれ程とは・・・神聖なる円蓋を展開しててよかったな・・・)
「さて、【世界樹の涙】・・・【睡眠】────」
それからしばらくし光の収まった後、アリサは目を開ける。
「・・・い、一体何が?・・・あれ、レヴィアさん?!」
彼女の前には、来ている服にこそ若干焦げが見られるが、身体には傷一つ無いレヴィアが横たわっていた。
自分でも何が起きたか分からなかったアリサは、万一のことを思いすぐ駆け寄るが、眠ったように寝息を立てている事に気付き、安心する。
『・・・あっ、え、えっとぉー。これは、勝者、アリサ・ディア・レクウェル・・・でいいんですかね?』
アナウンサーの宣言を聞いた観客達は、誰もが何が何だか分からないながらも、歓声を上げ始めた。
「・・・かっ…た、  んですか?」
控え室でペタンと座り込むレイは、自身の主ながらも信じられないと言った風につぶやく。
「・・・勝った、様だな」
ネルも呆然としながらだがそれに応える。
「ほら、言ったでしょ?僕は今まで一度も負けたことも、負けさせたこともないって」
レインの言葉に答えるものは、「私はわかっているぞ?」と言わんばかりに横目に見てくるイグラッドだけであった。
【永遠消えぬ獄炎の茨・指輪】
発動時:膨大な炎によって広範囲に渡って炎の渦が包む。その後効果範囲内に環境ダメージ【延焼】を残す。
パッシブ時:発動者の武器にパッシブ効果として炎の茨による遠距離攻撃を追加する。
派生効果:魔力を消費することにより飛散した火種を繋ぐように炎の茨が出現し固定トラップとして配置する。威力は火種の数に比例し敵が触れると発動者以外を巻き込む巨大な爆発と行動を制限するほどの閃光を起こす。
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