ガチャで爆死したら異世界転移しました
人竜戦争 ⑮ 兵団長さん
「あ!グレスティア君!!」
レインが街に入ると、それを見つけたカイルがすぐに走ってきた。
「おう、カイル。竜族の王はもう討伐したから、安心していいよ。他の弱い竜たちもしばらくは戦意もないと思うしね」
「あ、あぁ。そ、それはとても喜ばしいことだね。うん、しかしグレスティア君、ちょっと待ってくれるかな」
歩きながら言うレインに、カイルは後からそれに呼び止める。
「・・・なんよ?」
「実はね、王城付きの国衛兵さんが・・・」
「それは違いますねカイル殿。先程も言いましたが、正確には私は、国衛兵団及び国王親衛兵団団長です。お忘れなきように」
「は、はい…了解しました・・・と、言うわけなんだよ・・・」
すると、疲れたような顔で言うカイルの後から、やや長身の鎧を着た人が歩いてきた。顔は隠れていて見えないが、鎧の形状から見るに多分女性だろうか。
「して、そのグレスティアなる者はまだ帰らないのですか?この国の勇者である貴方が実力を保証するという言葉を信じ兵を待機させていますが、流石に我慢も限界ですぞ!」
兜をかぶっているせいか、こもったような声で鎧の女性が憤る。
「いや、たった今帰還した所だから紹介するよ。この子が・・・」
「ふむ、さては貴公がレイン・グレスティアだな?私はシャリア・リスト・マーリアという。なるほど、カイル殿が実力を保証するに相応しい力を持っているようだ。時に、貴公が抱えているその女性はどなたかな?もし先の戦闘で怪我をしてしまったのなら、私の団の優秀な支援魔術師を連れてくるが?」
何故か誇らしそうなカイルの紹介を遮りそう捲し立てるシャリアの目線は、レイン・・・ではなく、不思議にもイグラッドを抱えた【傲慢】の元へと向かっていた。
「「「・・・・・・」」」
「・・・あのー、レイン・グレスティアっていうのは僕なんですけど」
なんとも言えない沈黙を破るために、レインは口を開いた。
「ん?なんだ貴様は、荷物持ちか…?何を言っている。貴様のような子供が勇者であるカイル殿に認められるような力を持ってるはずがないだろう」
一瞬にして空気が凍った気がした。
(あ、これは不味いな)
レインも心の中で呟く。
『主よ』
【傲慢】が、その固有スキルの一つである【神経感応】を使ってレインに話しかけてきた。
『はい、主です。何用でしょうか』
『はい。実は、この者を殺すことの許可を頂きたく』
『・・・気持ちはわかるけど、抑えて下さい』
『・・・・・・主の命とあらば』
(全然納得してなさそうだ)
「カイル、ちょっとお話になりそうにないし、僕も疲れたからこの話はまた明日でいいかな?」
このままだとこの広場で先の竜族のような惨事が発生してしまうと考えたレインは、一旦の仕切り直しをカイルに提案する。
そんな中シャリアはなぜ皆が黙ったのかが分からず、辺りをキョロキョロしている。さながら捕食者の接近に気が付いていない草食動物の様である。
「あ、うん。そうだね、そうしよう。グレスティア君達も疲れているだろうし。さ、シャリアさん、この話はまた明日にしましょう。今日は城へ戻って、国王様に無事解決したと報告しましょう」
そう言ってカイルはシャリアの腕を引き、どこかへと連れていった。
「・・・命拾いしましたね、あの娘は」
「あぁ全くだ。主殿の口添えが無かったら、今頃どうしてやっていたものか・・・」
物騒な二人がまた何やらいっているが、レインは聞かなかったことにしておいた。
「・・・じゃあ、取り敢えず今日は日も落ちてきたし、宿に行きますか」
そして、レイン一行も広場をあとにした。
レインが街に入ると、それを見つけたカイルがすぐに走ってきた。
「おう、カイル。竜族の王はもう討伐したから、安心していいよ。他の弱い竜たちもしばらくは戦意もないと思うしね」
「あ、あぁ。そ、それはとても喜ばしいことだね。うん、しかしグレスティア君、ちょっと待ってくれるかな」
歩きながら言うレインに、カイルは後からそれに呼び止める。
「・・・なんよ?」
「実はね、王城付きの国衛兵さんが・・・」
「それは違いますねカイル殿。先程も言いましたが、正確には私は、国衛兵団及び国王親衛兵団団長です。お忘れなきように」
「は、はい…了解しました・・・と、言うわけなんだよ・・・」
すると、疲れたような顔で言うカイルの後から、やや長身の鎧を着た人が歩いてきた。顔は隠れていて見えないが、鎧の形状から見るに多分女性だろうか。
「して、そのグレスティアなる者はまだ帰らないのですか?この国の勇者である貴方が実力を保証するという言葉を信じ兵を待機させていますが、流石に我慢も限界ですぞ!」
兜をかぶっているせいか、こもったような声で鎧の女性が憤る。
「いや、たった今帰還した所だから紹介するよ。この子が・・・」
「ふむ、さては貴公がレイン・グレスティアだな?私はシャリア・リスト・マーリアという。なるほど、カイル殿が実力を保証するに相応しい力を持っているようだ。時に、貴公が抱えているその女性はどなたかな?もし先の戦闘で怪我をしてしまったのなら、私の団の優秀な支援魔術師を連れてくるが?」
何故か誇らしそうなカイルの紹介を遮りそう捲し立てるシャリアの目線は、レイン・・・ではなく、不思議にもイグラッドを抱えた【傲慢】の元へと向かっていた。
「「「・・・・・・」」」
「・・・あのー、レイン・グレスティアっていうのは僕なんですけど」
なんとも言えない沈黙を破るために、レインは口を開いた。
「ん?なんだ貴様は、荷物持ちか…?何を言っている。貴様のような子供が勇者であるカイル殿に認められるような力を持ってるはずがないだろう」
一瞬にして空気が凍った気がした。
(あ、これは不味いな)
レインも心の中で呟く。
『主よ』
【傲慢】が、その固有スキルの一つである【神経感応】を使ってレインに話しかけてきた。
『はい、主です。何用でしょうか』
『はい。実は、この者を殺すことの許可を頂きたく』
『・・・気持ちはわかるけど、抑えて下さい』
『・・・・・・主の命とあらば』
(全然納得してなさそうだ)
「カイル、ちょっとお話になりそうにないし、僕も疲れたからこの話はまた明日でいいかな?」
このままだとこの広場で先の竜族のような惨事が発生してしまうと考えたレインは、一旦の仕切り直しをカイルに提案する。
そんな中シャリアはなぜ皆が黙ったのかが分からず、辺りをキョロキョロしている。さながら捕食者の接近に気が付いていない草食動物の様である。
「あ、うん。そうだね、そうしよう。グレスティア君達も疲れているだろうし。さ、シャリアさん、この話はまた明日にしましょう。今日は城へ戻って、国王様に無事解決したと報告しましょう」
そう言ってカイルはシャリアの腕を引き、どこかへと連れていった。
「・・・命拾いしましたね、あの娘は」
「あぁ全くだ。主殿の口添えが無かったら、今頃どうしてやっていたものか・・・」
物騒な二人がまた何やらいっているが、レインは聞かなかったことにしておいた。
「・・・じゃあ、取り敢えず今日は日も落ちてきたし、宿に行きますか」
そして、レイン一行も広場をあとにした。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
1512
-
-
23252
-
-
1
-
-
149
-
-
0
-
-
111
-
-
59
-
-
381
-
-
221
コメント