人違いで異世界に召喚されたが、その後美少女ハーレム状態になった件

あまたつ

第33話 あの記憶が再びよみがえる件

『ドゴゴゴゴゴ』

 アリサの持っている杖が、轟音と共にどんどんと放つ光を増していく。
 アリサがかかげている杖から放たれるその光は、アリサの頭上をおおい隠すほどに、みるみるうちに規模を増していった。

 俺はそんな光景を、呆然とした目で見つめていた。
 何もしようと思えない。想像できるその結末を、ただひたすら待つことしかできなかった。

 ……そんな緊迫した状況の中、とある二人は違ったんだな。

「でさー、その上司がさー……」

「あっははは!!何それ、面白すぎなのだ!!」

 リーナとリノが、二人で向き合って楽しそうにおしゃべりをしている。

 ……俺は、この光景を、呆然とした目で見つめることしか出来なかった。

 こいつらマジで何してんの!?

「おい!お前ら!!何やってんだよさっきから!!」

 俺は思わず二人を怒鳴りつけた。
 そんな俺に、二人が軽蔑の視線を向けてくる。

「何やってるかって?リノと喋って時間潰してたんだけど?」

「それが問題なんだよ!!一応聞くけど、何の時間を潰してるんだ?」

「アリサがドゴゴゴゴゴってやってる時間なのだ」

「なんで待ってるの!?」

 二人が、はあ〜とため息をついて、ダルそうに立ち上がった。

「……あんたねえ、さっき言ったでしょ?私たちにかかれば余裕だって」

「だとしても待ち方ってもんが……」

『ズドン!!』

「!?」

 背後から破壊音のようなものが聞こえ、俺はとっさに視線を後ろへ向けた。

「…………おいおい、マジかよ…」

 アリサの体が白い光に包まれていた。アリサの背後から、怒気のオーラが放たれている。

 明らかに、アリサがパワーアップしているのがうかがえた。

 ……が、二人はひるまない。

「……なんか、ダサいのだ」

「分かるwもっと色あったわよね〜。白ってw」

 もうやめてやれ。心なしかアリサが泣きそうな目でこっち見てるように見えるぞ。

 アリサが、俺たちを睨みつけながら叫ぶ。

「絶対にお前らを許さないぜ……!私の全力、みせてやるぜ!!」

 直後、アリサが杖をリーナの方に向けた。

「まずはお前からだ!!ザストローマー!!!」

「!」

 俺はこの時、悪寒のようなものが走った。

 ……この魔法、あの時の……!

 俺が死にかけた、あの時の魔法だ!!
 ルイを守ってやれなかった。俺じゃ歯の立たなかった、あの魔法。

 俺はリーナに思い切り叫んだ。

「リーナ!!でかいのが来るぞ!!」

「……分かってるわよ、そのくらい」

 不敵な笑みを浮かべながら、リーナは身を低くした。

『ドシュッ!!』

 案の定、杖からは、俺の身長の1.5倍程の半径を持つ、巨大な魔法が繰り出された。
 まばたきをする間もなく、その魔法はリーナに直撃……

 ……しそうな所で、リーナは両手を前に突き出した。

「スプラッシュ!!」

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コメント

  • かオース⤴︎

    └(・∀・)┐ズンズン┌(・∀・)┘チャッチャッ
    更新来たー⤴⤴
    更新頑張ってください┗=͟͟͞͞( ˙∀˙)=͟͟͞͞┛健康にも...

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