人違いで異世界に召喚されたが、その後美少女ハーレム状態になった件

あまたつ

第6話 胸で死にかけた件

「で、そのアピアレンスボール……だっけ?どういう物なんだ?」

 俺は、風呂からあがったルイに問いかけた。

「はい、アピアレンスボールとは…」

 俺は壁に寄りかかりながら話している。ルイは椅子に座っている。
 風呂からあがったルイは着替えており、部屋着になっていた。ブカブカで、フード付きのピンク色の服だ。

 ……なんか、なんかエロい。

 ブカブカだから胸元が見えそうで、萌え袖っていうんだっけ?それもめちゃくちゃ可愛いし……って!邪念を消せ俺!

 ルイはアピアレンス球について分かりやすく説明してくれた。その間、目を合わせることもできなかった俺。情けない……。

 とにかく、要約すると、アピアレンス球とは、空間を繋げるための物らしい。アピアレンス球1つにつき1つだけ繋げたい空間を設定できて、空間を設定したアピアレンス球を繋げたい所に設置すると、空間が繋がるらしい。

 なんとも、便利な物があったもんだな。

「えーと、そうなると、さっき繋げた先ってどこな訳?」

「私の家のお風呂です。……入りたいんですか?」

「いや!そうじゃないんだけどね!?」

 俺は想定もしていなかった返答に、焦って声が裏返った。

 いや想定してるわけないだろ!何が「……入りたいんですか?」だよ!本当に天然だなあんた!

 …………。

 しばらく沈黙になった。
 何か恥ずかしいな。あの会話の後の沈黙は…。

 俺が何か話題を見つけようと、ルイに話しかけようとした、その時だった。

「いやあああああああ!!」

「「!?」」

 急な悲鳴に、二人して驚いてしまった。
 声が聞こえたのは、小屋の外。

「何でしょうか?」

「ちょっと見に行ってみるか」

 小屋に窓は無いため、外の様子を見るには小屋の外に出なければならない。

「いやああああああああ!!」

 悲鳴はどんどん近づいてくる。っていうかめっちゃ近いな。

『ガチャリ』

 俺はゆっくりとドアを開けた。

「いったい何だってんだ……うおっ!?」

 ドアを開けた瞬間、何かに勢い良く押された。

「お願い!入れてー!!」

 必死な顔で叫びながら中に入ってきたのは、見知らぬ美少女だった。

 勢いは止まらず、そのまま俺は押し倒され、押した張本人は、足をつまずかせて俺を覆い被せる体制で転んだ。

「くっ!痛えな……!?」

 押し倒された俺は、つまづいた美少女に覆い被されたため、顔面に胸を押し付けられた状態になっていた。

「むぐぐっ!」

 ちょ!息できないから!死ぬ!ねえ、死ぬって!

 俺は息をするために、覆い被さっている美少女から離れようとジタバタと暴れた。

「あんっ!ちょっ、ちょっと!暴れないでー!」

 顔を赤く染めながら言ってくる謎の美少女。
 俺が暴れるのを防ぐため、俺の体を抑えてきた。

 いや!ちょ!マジ死ぬから!

「むぐぐっ!むぐ……ぐ……」

 だんだん意識が遠退いていく。

 あぁ…こりゃ無理だ…。
 俺はそのまま意識を失った。

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