東方疑心録
お兄ちゃん 後編その2
「おい…おいおいおい!!!どういうことだよアッシュ!!ここは人目につかないって言ってたろうが!?」
「そんなこと知るか!だが、確かにここは人里の外れにある使われていない倉庫だ。なぜここがわかった?小僧?」
ノイレがアッシュにキレながら叫ぶのをスルーしてアッシュは剣に質問をぶつける。
「戻ってみればフランはいなくて帽子だけ落ちてるからもしかして例の噂のやつかと思ってたけどどうやらビンゴだったな」
「それじゃあ解答になってないな。なぜここがわかったかと聞いているんだ」
どこか苛々した様子でアッシュが話す。
「ああ、それなら簡単さ。全部探したよ」
「………は?」
剣の答えにアッシュは思考が追いついていないようだ。
「だから全て探したよ。人里の隅まで探しても見つからないから人里を出てみたら見つけたよ」
「ありえない…俺たちがこの嬢ちゃんをさらってからまだ一時間くらいしか経ってないんだぞ!?それで人里を探し尽くしただと?そんなの人間のなせることじゃあ…」
「落ち着けアッシュ」
ここでこれまで黙っていたアーデルが口を開く。
「そ、そうだな、済まない。取り乱してしまった」
そうするとアッシュは静かになる。
「まあ、それが本当だからここにいるんだろう?
いいね、面白いよお前。名前を一応聞いとこうか」
「お前達なんかに名乗る名なんて…」
そこまで口にして剣は黙ってしまう。そして、そんな剣の視線はフランに向けられていた。
椅子に縛り付けられ、服は乱れて、そしてなによりフランの目は絶望の色に染まり涙を浮かべていた。
それで剣はこいつらが何をしていたのか、何をしようとしていたのかを瞬時に理解する。
「どうしたよ?急に黙りこくってよぉ?」
アーデルが茶化すように聞いてくる。だがそんな言葉も剣の耳には届いていなかった。
「お前ら、フランに…何をしようとしていた?」
剣は俯きそう問いただす。
「ああ、もう少しでお楽しみだったぜぇ?」
アーデルは下卑た笑みをうかべそう言う。
「そうか…」
剣は俯いたまま拳を強く握りしめる。強く握り過ぎて爪が手のひらに食い込んで血が流れる。
「おっと、動くなよ?動いたら…わかってるよな?
ノイレ!!!」
「わかってるよ!」
そうするとノイレはどこからか取り出したナイフをフランの首に押し当てる。
「フラン!!」
「…剣………」
フランは相変わらず絶望の目をしているがその目は剣に向けられていた。
「全く、あと少しでヤれたのによ、てめぇのせいだぜくそが!!!それに、嬢ちゃんが暴れるからぁ!」
するとノイレはナイフでフランの頬を少し斬ると、流れる血をナイフですくい舐める。
「………っ…」
「あと少しでこの嬢ちゃんが壊れるところがみれたのによぉ!!!」
その言葉を聞いた瞬間、剣の中で何かが切れるような音がした。
そして剣の姿が一瞬消え、次の瞬間、剣の左腕には頬から血をながすフランが、右腕には血で真っ赤に染まった木刀が握られていた。
「そんなこと知るか!だが、確かにここは人里の外れにある使われていない倉庫だ。なぜここがわかった?小僧?」
ノイレがアッシュにキレながら叫ぶのをスルーしてアッシュは剣に質問をぶつける。
「戻ってみればフランはいなくて帽子だけ落ちてるからもしかして例の噂のやつかと思ってたけどどうやらビンゴだったな」
「それじゃあ解答になってないな。なぜここがわかったかと聞いているんだ」
どこか苛々した様子でアッシュが話す。
「ああ、それなら簡単さ。全部探したよ」
「………は?」
剣の答えにアッシュは思考が追いついていないようだ。
「だから全て探したよ。人里の隅まで探しても見つからないから人里を出てみたら見つけたよ」
「ありえない…俺たちがこの嬢ちゃんをさらってからまだ一時間くらいしか経ってないんだぞ!?それで人里を探し尽くしただと?そんなの人間のなせることじゃあ…」
「落ち着けアッシュ」
ここでこれまで黙っていたアーデルが口を開く。
「そ、そうだな、済まない。取り乱してしまった」
そうするとアッシュは静かになる。
「まあ、それが本当だからここにいるんだろう?
いいね、面白いよお前。名前を一応聞いとこうか」
「お前達なんかに名乗る名なんて…」
そこまで口にして剣は黙ってしまう。そして、そんな剣の視線はフランに向けられていた。
椅子に縛り付けられ、服は乱れて、そしてなによりフランの目は絶望の色に染まり涙を浮かべていた。
それで剣はこいつらが何をしていたのか、何をしようとしていたのかを瞬時に理解する。
「どうしたよ?急に黙りこくってよぉ?」
アーデルが茶化すように聞いてくる。だがそんな言葉も剣の耳には届いていなかった。
「お前ら、フランに…何をしようとしていた?」
剣は俯きそう問いただす。
「ああ、もう少しでお楽しみだったぜぇ?」
アーデルは下卑た笑みをうかべそう言う。
「そうか…」
剣は俯いたまま拳を強く握りしめる。強く握り過ぎて爪が手のひらに食い込んで血が流れる。
「おっと、動くなよ?動いたら…わかってるよな?
ノイレ!!!」
「わかってるよ!」
そうするとノイレはどこからか取り出したナイフをフランの首に押し当てる。
「フラン!!」
「…剣………」
フランは相変わらず絶望の目をしているがその目は剣に向けられていた。
「全く、あと少しでヤれたのによ、てめぇのせいだぜくそが!!!それに、嬢ちゃんが暴れるからぁ!」
するとノイレはナイフでフランの頬を少し斬ると、流れる血をナイフですくい舐める。
「………っ…」
「あと少しでこの嬢ちゃんが壊れるところがみれたのによぉ!!!」
その言葉を聞いた瞬間、剣の中で何かが切れるような音がした。
そして剣の姿が一瞬消え、次の瞬間、剣の左腕には頬から血をながすフランが、右腕には血で真っ赤に染まった木刀が握られていた。
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