東方疑心録

にんじん

奇妙な縁

紅魔館での会議から約一週間、剣達は情報収集にいそしんでいた。悪魔狩りという組織、あれだけ多くの化け物を造り出すにはそれにおうじた広い場所が必要だ。
それを理解している剣達は、人里で最近周りに変化がないか聞いて回っていた。

「あの、すみません、ちょっと聞きたいことがあるんですけど」

剣と霊夢は、ある茶屋に聞き込みに来ていた。と言っても、霊夢は茶屋で団子とお茶を楽しんでいるだけだが。

「いらっしゃい!…おや、なんだい?」

その茶屋の店主らしい男の人は営業スマイルで迎えるが、聞きたいことと聞いて疑問の表情を浮かべる。

「実は、この間の人里での異変について情報を集めているんです」

「なるほど、そういうことかい」

あれから約三週間、人里は完全とはいかないまでも着実に元の形を取り戻しつつある。そんな中でも店を開けているこの店は人里の憩いの店となっていた。

「だが、残念だな。俺は今回のことはなんにもわからないんだ。すまないな、力になれなくて」

「いや、いいんですよ」

多くの人が訪れているここなら情報が得られるかもという剣の期待は見事に外れたようだ。

「まあ、お茶でもしていくといいよ」

「助かります」

この幻想郷も冬を迎えつつある。少し肌寒くなってきたので、少し休むことにした。

「そういえば、今回のことでな…」

「ん?」

休んでいる剣に唐突に店主が話しかける。

「今回人里で争いが起きている時に、避難していたんだが途中で娘とはぐれてしまってな………どうやら娘が化け物と遭遇してしまったみたいなんだよ。でもそれを誰かが身を呈して助けてくれたって娘が話していたんだ。
あんた、そんな人を知らないかい?是非お礼がしたいんだよ」

「そんな人いたかな?………ちょっと待てよ………」

剣には一つ思い至る節があった。

「その娘さんはいくつくらいですか?」

「ん?えーーと、6歳だな。」

「まさか……あの時の…?」

剣はあの異変のとき、一人の女の子を暴走したさとりから庇っていた。その女の子も見た目は6歳くらいだった気がする。
そうして剣が考えるこんでいると、

「あーー!!!」

店に一つの声が響き渡った。声の元に目をやるとそこには剣を指差して口を開けている剣が助けた女の子がいた。

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