東方疑心録
休憩時間 その2
「最近はどうだい?魔理沙。」
「うーん、最近は異変のことで大変なんだよ。」
「異変?」
「そう、異変。」
魔理沙は今回の異変のこと、人里でのことについて香霖に説明する。魔理沙は知っている範囲を全て話した。
「そんなことがあったんだね…それで?そのさとりさんという人はどうなったの?」
魔理沙はさとりが操られていたことも話していた。香霖なら言い触らさないだろうと信頼しているからである。
「それがな、剣っていう最近幻想入りしたやつがいるんだけどな、そいつがさとりを救いだしたんだよ。」
魔理沙の話に急に熱が入り出す。
「話によると、暴走化したさとりを自分の危険を顧みらず近づいて怪我をしながらも助けたらしいんだぜ!こいしの話じゃ、とってもかっこよかったらしいのぜ!私も見たかったなぁ………」
一通り話し終えると喉が渇いたのかお茶をぐいっと飲み干す。
そして、そこまで話を聞いていた香霖は、
「ふーーん、それで、魔理沙はその剣って人が好きなんだね。」
と尋ねる。
「そりゃまあな……って?!なにをいっているんだよ!?」
魔理沙はあわてふためく。どうやら図星のようだ。
「なにって、好きなんだろ?」
「うっ…そっ、それは………///」
顔を真っ赤にして口ごもる魔理沙。昔から魔理沙のことをしっている香霖からしたら魔理沙の変化は一目瞭然だった。
「(なんというか、女の子らしくなって…恋ってのはここまで人を変えるのか… それにしても魔理沙可愛いな。)」
魔理沙は自分の恋を見透かされたことで真っ赤になりながら、「あう…」とか、「なんで…」とか呟いている。そこにはいつもの勝ち気で強気な魔理沙はおらず、純粋に恋をする乙女魔理沙がいた。
「こ、香霖…頼みがあるんだぜ///」
魔理沙が改まったように頼んでくる。
「ん?なんだい?(ちょっと!?そんな顔を赤らめながらこっち見ないで!涙目+上目遣いの最強コンボきまってるから!なんだよ、この魔理沙可愛いすぎるんですけど!!!)」
「このことは誰にも言わないでほしいんだぜ……」
「まぁ、好きな人なんてあまり知られたくないよね。特に魔理沙はそんなキャラじゃないし。」
「あ?」
「ゴメンナサイ、チョウシニノリマシタ…」
やはり魔理沙は魔理沙だった。
「まぁいいや、でも、そういうことではないんだよ。」
「というと?」
意味深な発言をする魔理沙に香霖がくびを傾げる。
「これも秘密にしてほしいんだけど、実は霊夢も…その…剣のことが好きで…」
「それは……」
香霖はそれだけで魔理沙が何を言おうとしているのか分かった。
「私は霊夢を応援することにしていたのぜ。だから私は剣のことを諦めるんだぜ…」
そう言ってハハッと笑う魔理沙の顔はとてもつらそうだった。
「一応聞くけどなんで?」
香霖は魔理沙に聞いてみる。魔理沙は少し間をあけて
「………霊夢が先に剣を好きになったからだぜ。私は霊夢を応援するって決めた後に剣のことを好きになっちゃったんだぜ。けど、親友の恋路を邪魔するわけにはいかないだろ?」
「そうか………」
香霖は魔理沙がどういう人物なのかをしっている。勝ち気で勝負事が大好きで荒いところもあるが、その裏では誰よりも努力家で、周りのことを気にかけている優しい少女だ。だからそうなることにも頷ける。ただ、香霖は魔理沙に言いたいことがあった。
「魔理沙、君はそれでいいの?後悔しないのかい?」
「…永琳にも似たようなこといわれたよ。でもこうしないといけないんだよ」
「そうか…じゃあ、なんで泣いているんだい?」
「え?」
驚いた魔理沙は自分の頬に手を当てる。すると湿った感覚が伝わってくる。どうやらいつのまにか涙を流していたらしい。
「なんでまた……」
魔理沙がそう呟くと、
「またってことは前にもあったんだね?それは魔理沙が頭では諦めたつもりでも心はまだ諦めきれていない証拠だよ。」
「なんで?!私はもう、剣のことは…」
「魔理沙、言ったよね。霊夢が先に好きになったからって。」
「ああ、」
「それがどうしたの?」
「え?」
いきなりの香霖の言葉に絶句する魔理沙。
「大切なのは、好きになった時間じゃなくて、どれだけ好きか、じゃないの?」
「………」
魔理沙は何も言わないが香霖の言葉を聞いていた。
「それに、親友の恋路を邪魔できないともいってたけど、それって魔理沙は霊夢のことを親友と思っているのかい?」
「え?」
また絶句だ。
「だって、霊夢からしたら逆だよ。それに親友ならばこそ恋も本気でやらないと。霊夢だってそんな譲ってもらったような勝利は望んでいないとおもうよ。」
「………さい…」
なにか言っているが香霖はお構いなしだ。
「魔理沙はもうちょっと自分に素直になってもいいと思うけど。」
「うるさい!!!」
急に怒鳴る魔理沙。香霖はおどろいて目を丸くしている。
「じゃあどうしろっていうんだよ!?霊夢の邪魔をしてまで剣のことを好きでいろってことかよ?そんなの、そんなの私にはできないのぜ!」
魔理沙がここまで感情を爆発させるのも珍しい。泣きながら叫んでいる。
「だから、もう少し話を……」
「うるさい!!香霖になにが分かるっていうんだよ!?知ったような口を聞くなよ!」
「!?っ………」
「あっ………」
魔理沙は言ってはいけないことを言ってしまったと思い、謝ろうと思ったが、先程のやりとりで感情のコントロールがきかなくなっていたのかおもむろに箒を掴んで外に出てしまう。
「魔理沙!」
香霖があとを追いかけて外に出る頃には魔理沙は箒に乗り、空を飛んでいた。
「うーん、最近は異変のことで大変なんだよ。」
「異変?」
「そう、異変。」
魔理沙は今回の異変のこと、人里でのことについて香霖に説明する。魔理沙は知っている範囲を全て話した。
「そんなことがあったんだね…それで?そのさとりさんという人はどうなったの?」
魔理沙はさとりが操られていたことも話していた。香霖なら言い触らさないだろうと信頼しているからである。
「それがな、剣っていう最近幻想入りしたやつがいるんだけどな、そいつがさとりを救いだしたんだよ。」
魔理沙の話に急に熱が入り出す。
「話によると、暴走化したさとりを自分の危険を顧みらず近づいて怪我をしながらも助けたらしいんだぜ!こいしの話じゃ、とってもかっこよかったらしいのぜ!私も見たかったなぁ………」
一通り話し終えると喉が渇いたのかお茶をぐいっと飲み干す。
そして、そこまで話を聞いていた香霖は、
「ふーーん、それで、魔理沙はその剣って人が好きなんだね。」
と尋ねる。
「そりゃまあな……って?!なにをいっているんだよ!?」
魔理沙はあわてふためく。どうやら図星のようだ。
「なにって、好きなんだろ?」
「うっ…そっ、それは………///」
顔を真っ赤にして口ごもる魔理沙。昔から魔理沙のことをしっている香霖からしたら魔理沙の変化は一目瞭然だった。
「(なんというか、女の子らしくなって…恋ってのはここまで人を変えるのか… それにしても魔理沙可愛いな。)」
魔理沙は自分の恋を見透かされたことで真っ赤になりながら、「あう…」とか、「なんで…」とか呟いている。そこにはいつもの勝ち気で強気な魔理沙はおらず、純粋に恋をする乙女魔理沙がいた。
「こ、香霖…頼みがあるんだぜ///」
魔理沙が改まったように頼んでくる。
「ん?なんだい?(ちょっと!?そんな顔を赤らめながらこっち見ないで!涙目+上目遣いの最強コンボきまってるから!なんだよ、この魔理沙可愛いすぎるんですけど!!!)」
「このことは誰にも言わないでほしいんだぜ……」
「まぁ、好きな人なんてあまり知られたくないよね。特に魔理沙はそんなキャラじゃないし。」
「あ?」
「ゴメンナサイ、チョウシニノリマシタ…」
やはり魔理沙は魔理沙だった。
「まぁいいや、でも、そういうことではないんだよ。」
「というと?」
意味深な発言をする魔理沙に香霖がくびを傾げる。
「これも秘密にしてほしいんだけど、実は霊夢も…その…剣のことが好きで…」
「それは……」
香霖はそれだけで魔理沙が何を言おうとしているのか分かった。
「私は霊夢を応援することにしていたのぜ。だから私は剣のことを諦めるんだぜ…」
そう言ってハハッと笑う魔理沙の顔はとてもつらそうだった。
「一応聞くけどなんで?」
香霖は魔理沙に聞いてみる。魔理沙は少し間をあけて
「………霊夢が先に剣を好きになったからだぜ。私は霊夢を応援するって決めた後に剣のことを好きになっちゃったんだぜ。けど、親友の恋路を邪魔するわけにはいかないだろ?」
「そうか………」
香霖は魔理沙がどういう人物なのかをしっている。勝ち気で勝負事が大好きで荒いところもあるが、その裏では誰よりも努力家で、周りのことを気にかけている優しい少女だ。だからそうなることにも頷ける。ただ、香霖は魔理沙に言いたいことがあった。
「魔理沙、君はそれでいいの?後悔しないのかい?」
「…永琳にも似たようなこといわれたよ。でもこうしないといけないんだよ」
「そうか…じゃあ、なんで泣いているんだい?」
「え?」
驚いた魔理沙は自分の頬に手を当てる。すると湿った感覚が伝わってくる。どうやらいつのまにか涙を流していたらしい。
「なんでまた……」
魔理沙がそう呟くと、
「またってことは前にもあったんだね?それは魔理沙が頭では諦めたつもりでも心はまだ諦めきれていない証拠だよ。」
「なんで?!私はもう、剣のことは…」
「魔理沙、言ったよね。霊夢が先に好きになったからって。」
「ああ、」
「それがどうしたの?」
「え?」
いきなりの香霖の言葉に絶句する魔理沙。
「大切なのは、好きになった時間じゃなくて、どれだけ好きか、じゃないの?」
「………」
魔理沙は何も言わないが香霖の言葉を聞いていた。
「それに、親友の恋路を邪魔できないともいってたけど、それって魔理沙は霊夢のことを親友と思っているのかい?」
「え?」
また絶句だ。
「だって、霊夢からしたら逆だよ。それに親友ならばこそ恋も本気でやらないと。霊夢だってそんな譲ってもらったような勝利は望んでいないとおもうよ。」
「………さい…」
なにか言っているが香霖はお構いなしだ。
「魔理沙はもうちょっと自分に素直になってもいいと思うけど。」
「うるさい!!!」
急に怒鳴る魔理沙。香霖はおどろいて目を丸くしている。
「じゃあどうしろっていうんだよ!?霊夢の邪魔をしてまで剣のことを好きでいろってことかよ?そんなの、そんなの私にはできないのぜ!」
魔理沙がここまで感情を爆発させるのも珍しい。泣きながら叫んでいる。
「だから、もう少し話を……」
「うるさい!!香霖になにが分かるっていうんだよ!?知ったような口を聞くなよ!」
「!?っ………」
「あっ………」
魔理沙は言ってはいけないことを言ってしまったと思い、謝ろうと思ったが、先程のやりとりで感情のコントロールがきかなくなっていたのかおもむろに箒を掴んで外に出てしまう。
「魔理沙!」
香霖があとを追いかけて外に出る頃には魔理沙は箒に乗り、空を飛んでいた。
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