東方疑心録
霊夢とおでかけ(前編)
「はぁ~………」
「どうしたのよ?ため息なんかついて。」
深くため息をつく剣に霊夢が声を掛ける。ちなみに二人は今、博麗神社の縁側でくつろいでいた。
「いや、何か疲れたんだよ。色々あったし。」
「ああ~…確かにそうね。」
思い返せば、剣は幻想郷に来てからすぐに大怪我を負ったり、魔理沙と迷子になったり、人里で戦ったりと、息をつく暇もないくらいに色々な出来事に遭っていた。疲れるのも無理はないだろう。
「ここでの生活は楽しいし、皆と会えたことにも感謝してるけどやっぱ、大変だよ。」
剣は本当に疲れているようだ。それを感じた霊夢は、
「(うーーん、どうにかして剣の疲れを取り除けないかしら?そうだ!二人で人里にでも行って、疲れが吹き飛ぶくらいに遊べば、剣も元気になるかも!)」
霊夢は名案と言わんばかりに思い付くが、
「(ちょっと待って、二人?!///ってことはこれってデー………いやいや、違うから、別にそんなんじゃないし?ただ、これを機に剣との距離を縮めたりしたりして………別に距離を縮めたいわけではないんですけど!)」
一人心の中で葛藤している。霊夢は絶対に認めないだろうが、実は霊夢は相当のツンデレさんである。
そんなこんなでひとしきり落ち着いたのか霊夢は剣に向かい、
「剣!人里に行きましょう!遊べば疲れもきっと吹き飛ぶわよ!」
と言ったが、
「え、どうしたんだよ?いきなり?」
剣はいきなりのテンションの霊夢に少し引いていた。
「来たはいいけど、人里に遊ぶところなんてあったっけ?」
「うっ………」
人里について早々、剣に聞かれて言葉に詰まる霊夢。霊夢にとってそれは全くの計算外だった。勢いだけで飛び出してきたのでそこら辺を霊夢は全く考えていなかった。
「そ、それなら色々と見て回りましょうよ、たまにはのんびりしながらもいいんじゃない?」
霊夢にとっては咄嗟に出た言葉だったが、剣は、
「そうだね、そうしようか。」
快諾した。
それからというもの霊夢はなんとか話を続けようと、話題をたくさん振ってくる。
『剣、あれはなにかしら?!』
『剣、これ食べてみない?』
『ねぇ剣……』
普段の霊夢のキャラとは程遠い振る舞いだった。剣はそんな霊夢に違和感を感じていたので霊夢に聞いてみることにした。
「霊夢、なんか無理してない?」
「え?」
剣からの思わぬ質問に霊夢は固まる。
「だって、いつもの霊夢らしくないよ?」
「そ、それは…」
霊夢は詰まってしまう。ここで「あんたを元気づけるためよ。」なんていえるほど霊夢は素直ではないからだ。
「はぁ……」
剣はため息をつく。実は剣はとっくに気づいていた。霊夢が自分のために一生懸命場を和ませようとしていることに。
「霊夢、僕を元気づけようとしてくれてるのは嬉しいけど、霊夢本人は楽しんでる?」
「え?」
また霊夢は固まってしまう。
「僕は霊夢と居られるだけで楽しいけど、霊夢はどう?無理に明るく振る舞ってるのがバレバレだよ?」
霊夢は顔を赤くしていた。それは自分の思惑を見抜かれていたこともあるが剣の「霊夢と居られるだけで楽しい」という発言で赤くなっていた。
「だって、剣が疲れてるから、少しでもそれを忘れさせようと………」
霊夢はイタズラがバレた子供のようになっていた。
「それでも霊夢も楽しくないと意味ないでしょ。霊夢が楽しくないと僕だって楽しくないよ?」
「……///」
剣は先程から自分が恥ずかしい発言をしていることに気づいていないようだ。顔を赤くする霊夢とは対照的に剣の顔はいたって冷静だった。
「わ、わかったわよ!そこまでいうならもう遠慮なんてしないわ!」
「おう!そうこなくっちゃ!」
霊夢がそう言うと、剣は嬉しそうに笑う。それを見た霊夢は、
「(こいつは馬鹿だけど、真っ直ぐね。)」
と、同じように笑う。
二人のデートはまだ続くのだった。
「どうしたのよ?ため息なんかついて。」
深くため息をつく剣に霊夢が声を掛ける。ちなみに二人は今、博麗神社の縁側でくつろいでいた。
「いや、何か疲れたんだよ。色々あったし。」
「ああ~…確かにそうね。」
思い返せば、剣は幻想郷に来てからすぐに大怪我を負ったり、魔理沙と迷子になったり、人里で戦ったりと、息をつく暇もないくらいに色々な出来事に遭っていた。疲れるのも無理はないだろう。
「ここでの生活は楽しいし、皆と会えたことにも感謝してるけどやっぱ、大変だよ。」
剣は本当に疲れているようだ。それを感じた霊夢は、
「(うーーん、どうにかして剣の疲れを取り除けないかしら?そうだ!二人で人里にでも行って、疲れが吹き飛ぶくらいに遊べば、剣も元気になるかも!)」
霊夢は名案と言わんばかりに思い付くが、
「(ちょっと待って、二人?!///ってことはこれってデー………いやいや、違うから、別にそんなんじゃないし?ただ、これを機に剣との距離を縮めたりしたりして………別に距離を縮めたいわけではないんですけど!)」
一人心の中で葛藤している。霊夢は絶対に認めないだろうが、実は霊夢は相当のツンデレさんである。
そんなこんなでひとしきり落ち着いたのか霊夢は剣に向かい、
「剣!人里に行きましょう!遊べば疲れもきっと吹き飛ぶわよ!」
と言ったが、
「え、どうしたんだよ?いきなり?」
剣はいきなりのテンションの霊夢に少し引いていた。
「来たはいいけど、人里に遊ぶところなんてあったっけ?」
「うっ………」
人里について早々、剣に聞かれて言葉に詰まる霊夢。霊夢にとってそれは全くの計算外だった。勢いだけで飛び出してきたのでそこら辺を霊夢は全く考えていなかった。
「そ、それなら色々と見て回りましょうよ、たまにはのんびりしながらもいいんじゃない?」
霊夢にとっては咄嗟に出た言葉だったが、剣は、
「そうだね、そうしようか。」
快諾した。
それからというもの霊夢はなんとか話を続けようと、話題をたくさん振ってくる。
『剣、あれはなにかしら?!』
『剣、これ食べてみない?』
『ねぇ剣……』
普段の霊夢のキャラとは程遠い振る舞いだった。剣はそんな霊夢に違和感を感じていたので霊夢に聞いてみることにした。
「霊夢、なんか無理してない?」
「え?」
剣からの思わぬ質問に霊夢は固まる。
「だって、いつもの霊夢らしくないよ?」
「そ、それは…」
霊夢は詰まってしまう。ここで「あんたを元気づけるためよ。」なんていえるほど霊夢は素直ではないからだ。
「はぁ……」
剣はため息をつく。実は剣はとっくに気づいていた。霊夢が自分のために一生懸命場を和ませようとしていることに。
「霊夢、僕を元気づけようとしてくれてるのは嬉しいけど、霊夢本人は楽しんでる?」
「え?」
また霊夢は固まってしまう。
「僕は霊夢と居られるだけで楽しいけど、霊夢はどう?無理に明るく振る舞ってるのがバレバレだよ?」
霊夢は顔を赤くしていた。それは自分の思惑を見抜かれていたこともあるが剣の「霊夢と居られるだけで楽しい」という発言で赤くなっていた。
「だって、剣が疲れてるから、少しでもそれを忘れさせようと………」
霊夢はイタズラがバレた子供のようになっていた。
「それでも霊夢も楽しくないと意味ないでしょ。霊夢が楽しくないと僕だって楽しくないよ?」
「……///」
剣は先程から自分が恥ずかしい発言をしていることに気づいていないようだ。顔を赤くする霊夢とは対照的に剣の顔はいたって冷静だった。
「わ、わかったわよ!そこまでいうならもう遠慮なんてしないわ!」
「おう!そうこなくっちゃ!」
霊夢がそう言うと、剣は嬉しそうに笑う。それを見た霊夢は、
「(こいつは馬鹿だけど、真っ直ぐね。)」
と、同じように笑う。
二人のデートはまだ続くのだった。
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