東方疑心録
悪魔狩りの目的
「早苗達は大丈夫かしら…」
霊夢は空を飛びながら早苗達の姿を探す。彼女達なら大丈夫だと思っていてもなぜか不安を禁じえない。
「あ、いた!誰かと話してる?あいつは…」
早苗は一人の男と正面から向き合っていた。霊夢はそれが誰なのかも気になりながら早苗達が無事なことに安堵する。
「おーい、早苗!大丈夫?」
「霊夢さん?!なんでここに!?」
「私達は敵を倒し終えたから他の所の加勢にね。それよりあいつは…」
あいつは誰?と言葉を紡ごうとした霊夢が黙る。着地して気づいたのだ、男の異常な殺気に。ただ流石は博麗の巫女と言ったところか。霊夢は黙るものの男の殺気に気圧されることはなかった。
「あんた誰?」
霊夢が敵意むき出しで尋ねる。男はふっと笑いながら
「これはまた美しいお嬢さんだ。既に聞かれた質問だが無視するわけにもいかない。答えてあげよう。僕は『悪魔狩り』四聖人が一人、白虎さ。」
と、答える。
「悪魔狩り?それがあんたらの組織なのね。それで何が目的なの?」
霊夢が再び尋ねる。いや、問いただすと言ったほうが正しいだろう。
「僕達悪魔狩りはその名の通り悪魔を狩る組織だ。鬼や妖怪、吸血鬼なんかね。だからここを襲っているんだ。」
「ちょっと待って、じゃあなんで人里を襲っているの?人里にはその悪魔の類いはいないはずよ。」
「それがいるんだよ。」
「どういうこと?」
霊夢が意味が分からないといった表情を浮かべる。
「僕達は日々悪魔を狩り続けている。そして気付いたんだ。本当の悪魔は鬼や妖怪や吸血鬼じゃない、人間なんだよ。」
「なんでそうおもうわけ?」
「人間は自分の利益のために争い、簡単に他人を殺す。鬼や妖怪が人を殺すのは生きるためだ。けど人間はそんなのお構い無しに人を殺す。だから僕らは全ての人間を駆逐する。」
「狂ってる………」
狂気的な笑みを浮かべ語る白虎に霊夢が呟く。
「なんとでも言うがいいさ。おっと、少し喋り過ぎたようだ。今回は帰ることにするよ、じゃあね、美しいお嬢さん方。」
そう言って白虎は姿を消した。
「悪魔狩り………必ず止めないと。」
白虎が去ったあと霊夢がそうこぼす。
「霊夢さん、あいつは…」
早苗が霊夢に聞こうとするが、
「その話はまた後でよ。レミリア達のところに行くから一緒に来て。神奈子と諏訪子もよ。」
「「「わかった(わかりました)」」」
「(めんどくさいことになりそうね。)」
霊夢は心の中でため息をついた。
霊夢は空を飛びながら早苗達の姿を探す。彼女達なら大丈夫だと思っていてもなぜか不安を禁じえない。
「あ、いた!誰かと話してる?あいつは…」
早苗は一人の男と正面から向き合っていた。霊夢はそれが誰なのかも気になりながら早苗達が無事なことに安堵する。
「おーい、早苗!大丈夫?」
「霊夢さん?!なんでここに!?」
「私達は敵を倒し終えたから他の所の加勢にね。それよりあいつは…」
あいつは誰?と言葉を紡ごうとした霊夢が黙る。着地して気づいたのだ、男の異常な殺気に。ただ流石は博麗の巫女と言ったところか。霊夢は黙るものの男の殺気に気圧されることはなかった。
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「ちょっと待って、じゃあなんで人里を襲っているの?人里にはその悪魔の類いはいないはずよ。」
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霊夢は心の中でため息をついた。
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