東方疑心録

にんじん

始まる異変

「と、いうわけで来ました。」

「いや、どういうわけですか…」

僕は今、白玉楼に来ている。魔理沙が留守でどこにいこうかと考えた末、妖夢のところに決めたのだ。

「………というわけですよ。」

「わかりました。とりあえずお茶を持ってくるので待っていてくださいね。」

「わかった。」

そして、妖夢が部屋を後にして、改めて白玉楼を見渡してみるとやはりとても綺麗だった。

「やはりあれが魂だなんて信じられないな。」

剣は辺りを漂う魂達を見てそう呟く。そんな風に考えていると妖夢が戻ってきた。

「お待たせしました。どうぞ。」

「ああ、ありがとう。」

妖夢さんはお茶を置くと僕の向かいに座る。

「それで、どうですか最近は?」

「結構楽しくやってますよ。」

「そうですか。それは良かったです。ところで剣さん、」

「ん?何?」

「霊夢さんから聞きましたが能力を手に入れたんですか?」

「そうですよ。僕の能力は………」

「ちょっと待って下さい。」

僕が自由の能力を教えようとすると妖夢に止められる。

「どうしたんですか?」

「剣さん、失礼ながら一度お手合わせ願えませんか?」

「いきなりどうしたんですか。」

いきなり勝負を挑んでくる妖夢に疑問を覚えるがすぐにその疑問は解消される。

「いえ、私も修行して強くならないといけませんので能力の分からない相手と闘うことも必要かとおもったんです。」

なるほどと納得してしまう。努力家の妖夢らしいと言えば妖夢らしい。

「わかった。そこの庭でいいかな?」

「はい、お願いします。」

そして僕と妖夢は勝負の準備を始めた。





「それじゃあ妖夢さん、どこからでもいいですよ。」

「わかりました。それじゃあ、いきます!!」

そう言うと同時に妖夢が斬りかかってくる。剣はそれをバックステップでかわす。

「なるほど、これはかわしますか。それに能力はつかわないんですか。」

「いや、能力を使うと妖夢さんの剣が折れてしまうので。」

「その心配は要りません。この剣は練習用の剣なので大丈夫です。まあ、それでも」

妖夢は一息置くと、

「当たったら怪我するかもしれませんよ!」

妖夢は連続で斬りかかってくる。日頃から練習しているだけあって動きに無駄がない。

「ここまで出来るなら十分だと想いますけど。」

「いえ、まだまだ白玉楼と幽々子を護るにはたりません!」

「そうですか。(このまま避け続けてもいいけどそれだと妖夢さんの特訓にならないしな…、ちょっとこっちからも仕掛けてみるか。)」

「妖夢さん、木刀とかってありますか?」

「ありますけど、木刀でやる気ですか?さっきも言った通りこの剣は練習用といえど木刀くらいなら真っ二つにできますよ。」

「いいんですよ。そこは能力でカバーするので。」

「わかりました、それじゃあ少し外します。」

そう言うと妖夢はいなくなりすぐに木刀を持って戻ってきた。

「それじゃあこれを。」

妖夢から受け取った木刀はなんだか手に馴染んで振りやすかった。

「いきますよ!妖夢さん!」

剣は妖夢にむかって駆け出す。剣が振り上げた木刀を妖夢は剣で受けようとしたが何かを感じたのか受けるのではなくかわした。そして、剣の能力を付与しておいた木刀が庭の岩を両断する。

「なっ!?どういう…」

妖夢が言い切るまえに剣が妖夢に肉薄する。

「速い!?」

剣が振り下ろした木刀は咄嗟に受けようとした妖夢の剣を断ち切り妖夢の眼前で止まる。

「僕の勝ちでいいですか?」

「………まいりました。」

妖夢さんは悔しそうに負けを認める。

「妖夢さんも速かったですよ。」

「剣さんだって最後一瞬で距離を詰めてきたじゃないですか。それに私の剣まで折って。」

「まあ、練習用って聞いたので…」

「ところで結局分からなかったんですけど剣さんの能力ってなんですか?」

「僕の能力は…「剣!大変よ!」

言おうとした剣の声を霊夢の声が遮る。今日は結構遮られてるなと思った剣だった。

「霊夢、どうやってここに?!」

「紫のスキマをつかってね。ってそんなこと話してる場合じゃないのよ!また人里であの化け物が暴れてるのよ!しかも今回は一匹じゃなくて何十体もいるのよ!」

「な!?本当か!?」

「ええ、だから来て。妖夢も来て。戦える人が多いに越したことはないわ。」

「紫は?」

「紫なら他にも人を集めているわ。だから早く!」

「わかった!行こう妖夢さん!」

「は、はい!」

そうして僕と妖夢さんはスキマに飛び込み、人里へ向かった。

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