東方疑心録

にんじん

能力の片鱗

「さて、じゃあ、だれからいこうかしら?」
レミリアが霊夢達に問いかける。
「ではお嬢様、私から行かせていただけますか?」
咲夜がレミリアに言う。
「別にいいわよ。じゃあ、最初は咲夜ね。」
「それじゃあ剣、行くわよ!」
言うなり咲夜がナイフを投げてきた。
「あっぶな!」
僕はそれを何とかかわす。
「やるじゃない、だったらこれはどう?」
咲夜がニヤリとする。なにかがくる、本能的に剣はそう感じた。
「奇術『ミスディレクション』」
「うわっ!何これ!?」
僕は戸惑いながらもなんとかよける。
「まだまだいくわよ!」
おそらく先程咲夜が撃ってきたのが弾幕だろう。あんなのを喰らったらひとたまりもないと僕は必死に逃げる。そんな様子を見て霊夢達は、
「剣、全部よけてるわね。」
「それにしてもあいつけっこう体力あるな。さっきからあんだけにげまわってるのに。」
魔理沙の言う通り、剣は咲夜の弾幕から逃げ続けているにもかかわらず、あまり疲れているようにはみえなかった。
「剣って案外すごいわね、パチェ。」
「え、ええ。」
(どういうこと?あれだけの動きは普通の人間が出来る芸当じゃないわ、それに大怪我をして紅魔館に来たときも私が治療する以前に傷がふさがりかかっていた。霊夢達が治したとも考えられないし、彼は、剣は一体何者なの?)
「どうかしたの?パチェ、難しい顔してるわよ?」
「い、いや、何でもないのよ。」
「ふーーん………まあいいわ。あ、咲夜が帰ってきた。もういいの?」
咲夜は僕との戦い(?)を終えて帰ってきた。
「はい、久しぶりにいい運動になりました。」 
満足げに頷く咲夜、
「じゃあ、次は、」
「私が行くわ。」
パチュリーが名乗り出る、
「じゃ、お願いねパチェ。」
「連戦かよ、しかもパチュリーって……」
僕は疲れたようにため息をする、
「そんなに疲れているようには見えないけど?」
「まあ、たしかにそこまで疲れていないけど。」
そう言って僕は構える。
「じゃあいくわよ、水符『ベリーインレイク』!」
剣に弾幕が迫る、

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「なかなか、表れないわね、」
霊夢がそうこぼす。これまで、咲夜、パチュリー、レミリア、霊夢を相手にしても何も変化が無かった。
「まあ、そう簡単には表れないわよ。最後の魔理沙が何か引き出してくれることを願いましょ。」
そうたしなめるのはレミリアだ。事実、残すは魔理沙だけとなっており現在、剣と格闘中である。
「そうね……」
霊夢の目の先では、剣が迫りくる弾幕から逃げ回っていた。

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「おいおい、逃げてばっかりじゃないか。」
「当たり前だろ!そっちみたいにこっちは、弾幕がうてないんだよ!」
「彗星『ブレイジングスター』!」
「人の話をきけーーーっ!」
魔理沙は容赦なく弾幕を撃ってくる。
「くっそ、どうすればいいんだよ!能力がある感じもしないし、弾幕が撃てないから逃げるしかないし…」
僕は対処法について頭を巡らせる。
「くらえ!恋符『マスタースパーク』!」
「………しまった!!」
対処法に集中しすぎる、結果、攻撃に対して反応が遅れる。
「ちょっと魔理沙!」
「とめないと!」
「もう間に合わないわ!」
時が止められる咲夜は夕食の準備にいっているためいない。レミリア達には、魔理沙を止めるすべがなかった。そして、マスパは剣へと迫りそして、
「剣ーーー!」
直撃した。

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