東方疑心録

にんじん

挨拶1

「さて、着いたわね。」
霊夢がため息をついて言う。
「ここが守谷神社ですか?」
「そうだぜ。」
箒から降りた魔理沙が言う。
「さてと、じゃあ、あいつを呼ばないと。」
「あいつ?」
霊夢の発言に首を傾けていると、
「早苗ー!」
神社に向かって霊夢が叫ぶ。すると、
「は~~い!」
神社から一人の女性が出てくる。その女性は、緑色の髪をして、巫女服を着ていた。
「なんですか、霊夢さんに魔理沙さんまで。おや?そちらの方は?」
「こいつは最近幻想入りしたやつで、今は色々な所に挨拶してるとこで、ここが最初なんだぜ。」
「そういうこと、だから早苗、神奈子と諏訪子をよんできてくれる?」
霊夢が魔理沙の言葉を引き継ぎ早苗に頼む。
「わかりました。では少し待っててください。」
そう言うと、早苗は神社の奥に引っ込んでいった。それからほどなくして早苗が二人の女性をつれてきた。
一人は帽子を被った小さな女の子、もう一人は紫色の髪をした、大きな女性。
「どうしたんだい?霊夢が私らをよぶなんて。」
「霊夢、魔理沙、久しぶり!」
大きな女性が霊夢に尋ね、小さな女の子が挨拶
する。
「新しく幻想入りしたやつの紹介にね、ほら、自分で挨拶して。」
「はじめまして、剣優介です。」
「私は八坂神奈子。よろしく。」
「私は洩矢諏訪子だよ!よろしく!」
「改めて、東風谷早苗です。よろしくおねがいします。」
僕の挨拶にそれぞれが返してくる。
「よろしく!」
すると霊夢が、
「それじゃあそろそろここで。」
「え、もう行くんですか?」
早苗が名残惜しそうに尋ねる。
「ええ、他にも行く所があるからね。」
「そうですか、それなら仕方ありませんね。またいつでもいらしてください。」
早苗がそう声をかけてくれる。
「それじゃあ次は、地霊殿にしましょう。」
「また私の後ろに乗るんだぜ。ただ今度は、いきなり抱きついたりするなよ!」
魔理沙が注意してくる。
「ぜ、善処します…」
僕が頼りない返事を返すと、
「はあ~…情けない……。」
霊夢が呆れたように言う。
「返す言葉もございません…。」
そうして僕らは、守谷神社を後にした。

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