東方疑心録

にんじん

博麗神社での生活

「これまでお世話になりました。ありがとうございました。」
僕は紅魔館の門の前でそう言った。紅魔館にきてから1週間、すっかり怪我の治った僕は、博麗神社で生活するため、お世話になったレミリアさん達に挨拶をしていた。
「別にいいのよ。珍しいことじゃないし、それにけっこう楽しかったしね。」
そう言ってくれるのはレミリアさんだ。他にも、
「またいらっしゃい、あなたともっと話したいし。」
と、パチュリーさん、
「私の料理食べに来てもいいのよ?」
と、咲夜さん。いや、まじでこの人の料理は旨かった。語彙力レベル2だから全然伝わらないかもしれないが、本当に旨かった。
「はい!是非!」
正直、咲夜さんの料理が食べられなくなることが、残念だったのだが、食べに来てもいいと言われたことがとても嬉しかった。
「あとね、」
レミリアさんがこっそり耳打ちしてくる。
「霊夢の所で生活するなら覚悟しておいたほうがいいわよ?」
「え、それはどういう…?」
「ふふ、まあ、すぐ分かると思うわ。」
意味深な発言をするレミリアさんに若干の疑問を持ちつつ僕はその場を後にする。
「お別れは済んだかしら?」
道の途中で待ってた霊夢にそう聞かれる。
「お別れってほど大袈裟なものじゃないよ。また会えるし。」
「それもそうね。じゃ、行きましょうか?」
「はい!」
こうしてまた新しい生活が始まるのかと、心を期待に膨らませる剣だった。

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「なのに、どうしてこうなった!?」
正直に言うと、博麗神社での生活は苦しかった。掃除や洗濯をしたり、お金がない時は、山に山菜を採りにいったりした。
「てか、神社って、本当にお賽銭が収入なのな。」
「しょうがないわよ、参拝客が少ないんだもん。」
呆れたように言う霊夢に、
「いや、でも巫女が山菜って…」
ちなみに今のところ4日連続山菜である。
「もしかして、今日も山菜?」
僕は霊夢にたずねる。
「文句言わないの、食べられるだけ感謝しなさい。」
「でも、5日連続山菜は…」
山菜は美味しいがやはり飽きというものがある。
「あ、もしかしたら倉庫に何かあるかも。」
その発言に、山菜生活脱出できるかもと思った僕は、
「本当ですか!?それなら探しに行きましょう!」
「え、ええ…」
若干霊夢に引かれていたかもだが今の僕には、山菜生活脱出しか頭になかった。

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「本当に何かあるんですか?」
「かもって言ったでしょ、かもって。」
僕達は今、倉庫にいる。倉庫は薄暗く、埃を被っていた。
「お金は無いのに酒はたくさんあるんだな…」
「まあ、宴会とかよくやるし、あ、奥に何かある…」
霊夢が奥の物を取りだそうと必死になっている。
「あと少し、あと少し……やった、とれた!」
そうやって霊夢が起き上がると、
<ガタッ!!>
霊夢の頭上の荷物が落ちてきた。
「霊夢!!危ない!!」
僕は霊夢の腕を掴み、こちらに引き寄せた。
<ガラガラガラッ!!>
「危なかったな…大丈夫か霊夢?」
「あ…あ…あ…///」
「霊夢?」
心無しか霊夢の顔が赤い気がする。そういえば、とっさだったため、霊夢を抱き寄せる格好になっている。
「あああああ~~~///!!!」
「霊夢!?」
霊夢が顔を赤くしたまま、外へ走って出ていってしまった。
「何だったんだ?いったい…」
自分が何をしたのか理解していない剣だった

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