僕らの恋愛ジェラシー

雪村 ましろ

ナンパ1

「叶乃ちゃん、浴衣…大丈夫かな…?」
自信無さげに聞かれたもんだから、ちょっとびっくりした。
これが大丈夫じゃないことなんてあるの?

「大丈夫だよ!すっごく可愛いから!似合ってる。」
叶乃がそう言うと、安心したのか笑顔になる桜。
そんな会話で時間と緊張を潰していた。

時刻は3時50分。

そろそろ男子が来てもいいはずなのだが…?

「ねぇねぇ、お兄さん…私達とまわらない?」

そういうことか…
まさかの逆ナンされてる3人。
…仕方ない、助け舟いたしますか。

叶乃は少し小走りで、ぶりっ子をしながら男子の元へ向かった。

「吉貴、遅くなってごめんね 髪がなかなかまとまらなくてぇ〜…ん?この子は?」

「あ、えと…」
普段と違う私に戸惑った様子の吉貴。
すると、察した生斗君が答えてくれた。

「なんか、一緒にまわらないかって…」
いつも通り、声と態度は弱々しが、この際それは気にしないでおこう。

「えぇ〜、何それぇ…浮気ぃ?吉貴!私がいながら浮気したの?」
「は?!へ!?んな…」
少しの我慢よ、腕掴むくらいのボディタッチは許しなさい!

「悠君と、生斗君も、彼女いるじゃん?
2人も浮気ぃ?彼女達泣いちゃうよー?」

「俺は彼女なんていな…んぐっ」
唯一空気の読めない悠は、生斗に口を塞がれた。

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