僕らの恋愛ジェラシー

雪村 ましろ

恋と浴衣と天然野郎。

「夏祭りまであと1ヶ月やねー!」
そう、ここまで長かった。


もうすぐ叶乃とで、でで、デートぉー!!!!
※違います、皆で行きます。

「叶乃ちゃんは、浴衣ー?」
「ん、毎年浴衣だよー?…桜は?」
んふふ…勿論浴衣だよねー!
桜の浴衣姿…キャー!絶対可愛いぃ!!

「私…浴衣持ってないんだよねー…はぁ…叶ちゃんが羨ましいよぉー…」
…へ?
う、そ…
ノン浴衣…NO!

「桜、浴衣買おう!ね?買おう!!」
「叶乃ちゃん、顔近いぃ〜…」
グイグイくる叶乃を手で押しのけながら少し声を震わせて

「皆も買い物付き合ってくれる…?」
と。
声が震えているのは、恐らく悠に言っているから。
皆とか言っておいて、実際悠と行きたいから。

悠が鈍感でよかった。
じゃなきゃ今頃、桜の気持ちはバレバレで振られてるだろう。

悠はモテる癖に女をあまり見ない。
いいことなのだが、恋する身としてはきついだろう。
まったく…何処まで天然なんだよ。

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