堕天の英雄〜この空に想う〜

DSRD

第4話 ノースフィルへの旅路

マーズディア王都ファルシスから少し離れ、ノースフィル市の近くに今トラフィルディア達はいる。
「確か…ノースフィルはあとすこしだったはず。」
トラフィルディアがそう言うと、
「そうだな…俺の故郷でもあるからな。」
「そうだったのか。エルディスはこの堕天のことをどう知ったんだ?」
「俺たちの故郷ノースフィルでも、いきなり星が落ちてきて色んなものが一瞬にして壊れたよ。」
「エルディスもそうだったのか…」
ノースフィル市について二人が話していると、何かにぶつかった。
「ん?なんだ今の?」
「エルディスもぶつかったか?俺もだが…」
明らかに何もないはずのところに何か透明の壁が目の前にあるのだ。
「ようこそ我が領域へ」
その声とともに透明の壁がいきなり不透明になり、頑丈な壁がどっしりと構えていた。
「お、お前は?」
トラフィルディアが名を聞くと、目の前に女が急に現れ、
「私はラヌビス。ノースフィルへは通さん。」
ラヌビスと名乗る女性はまた透明になり、どこかへ行ってしまった。
「ラヌビス…てめぇ…」
エルディスはどうやらラヌビスのことを知っており、何か関係があるようだった。
「エルディス、何か彼女と関係があるのか?」
「ああ。あいつとは幼馴染でライバルだ。」
そう言うと、いきなり上から、
「エルディス…私と共に戦って。そいつを倒しましょ?」
ラヌビスがエルディスに問いかけるとエルディスは、
「あいにくだが、俺はトラフィルディアと行動を共にする。お前とは組まない。」
「そうですか…ならばここで!」
そう言って、ラヌビスは透明になり、襲いかかってきたのだ。
「トラフィルディア!危ない!」
エルディスがそう言ったが、トラフィルディアは微動だにしなかった。
「これもやつの能力ならば…」
と言い、力を込める。
「【無帰封殺】!」
いきなり、ラヌビスの姿が現れ、混乱するラヌビス。
「!?…何で!?」
この機を見計らい、エルディスは攻撃する。
「【発火爆炎】!」
ラヌビスは爆発し、そのまま倒れた。
「大した火力にしてない。助かるはずだ。」
そう言って、ラヌビスを介抱した。


「なんだよ…何か言いたいことでもあるの?」
ラヌビスは目を覚ましたあとの一言目がそれだった。
「まぁそう力まないで…俺たちは味方だ。」
「んで?私に何か用?」
「まず自己紹介をしよう。俺はトラフィルディア。彼は…知ってるか。」
ラヌビスはトラフィルディアに問いかける。
「あんたは何のためにノースフィルへ?」
「俺は…今、妹達を探してる。シャンフィとアスフィだ。」
そう言うと、ラヌビスは少し考え込み、
「シャンフィは知らんが、アスフィと名乗るものならいたぞ。」
とラヌビスがトラフィルディアに言う。
「本当か!?」
「あぁ。まだいるかもしれんが…」
アスフィがノースフィルにいる。一縷の望みにかけ、
「行こう…ノースフィルへ。ラヌビス、お前も今日から俺の仲間だ。」
と言うとラヌビスは、
「じゃあ私が案内する。着いてきて。」
と言い、3人はノースフィル市へと赴くのであった。

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