堕天の英雄〜この空に想う〜

DSRD

第2話 堕天

マーズディア王国祭当日、この日は街がいつも以上に賑わい、人々が笑顔に包まれていた。
トラフィルディア達3人もこの王国祭を楽しんでいた。
「さぁて次はどこへ行こうか。」 
トラフィルディアが二人に問いかける。
「そうね、中央に向かいましょう?」
「あ、それいいね!」
二人はどうやら意見が合致したそうだ。
「んじゃあ、行こうか。」
3人は仲良く王都の中央広場へと向かった。


ーこの後の出来事を何も知らずに…


「さぁて、中央に着いたぞ。」
王国の中央広場が一番人々で賑わう場所である。
ここでは貴族、農民など色々な人々が羽目を外して楽しんでいる。
「やっぱりここが一番賑やかだね!」
シャンフィルディアが満面の笑みでトラフィルディアの方を向いた。
「そうだな。こんな日々がいつまでも続くといいが…」
トラフィルディアがそう呟くと、
「そうね。私もそう思うわ。」
アスフィルディアも続けて呟いた。


ー瞬間、空から聞いたこともない轟音が鳴り響く。


「ん?なんだ?」
人々がふと上を見上げた瞬間、さっきまで賑わっていた歓声が凍りついた。


星が落ちてきたのだった。


人々は足がすくみ、動けない。
トラフィルディアもただ上を見上げるだけで何もできない。
「お兄ちゃん!早くこっちに!」
「兄さん!」
妹達が叫んでいるが、全く耳に入らない。
ふと下に目をやると、空から星が次々と降ってきていた。
「なんだ…これ…」
と、そう嘆く瞬間、星が中央広場に落下し、大轟音と共に中央広場は跡形もなく消え去った。



「うっ…くっ……」

奇跡的に助かったトラフィルディアは必死に起き上がった。
しかし、周りを見渡せば絶望としか言いようがない風景が広がっていた。
「そんな…街は…王国祭…は…」
トラフィルディアは跡形もなく消え去った中央広場の真ん中でうなだれていた。
だが、トラフィルディアはあるおかしなことに気づく。
中央広場はもはやただの荒地と化しているのにも関わらず、トラフィルディアはそこまで傷を負っていないのだ。
「こ…これは…?」


ー後にこの出来事は”堕天”と呼ばれるようになる。堕天は人々に絶望を与えた。その代わりにある”希望”を手に入れた。

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