タイム is ライフ 〜命よりも大切なもの〜

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第3話:力

「ち、ちから?・・・」


「そうだ。その力とは"時を止める"事が出来る力なのだ。
但し、これを使用するには"条件"がある。
その条件とは、、
まず1つ、神に魂を売った神間のみ使用できる。
2つ、時を止めるには"強く時を止める事"を意識し呼吸を止めている間のみ。
3つ、時を止めている間は、30秒が半年の速さで過ぎていく。
時を止める事、それは想像以上のエネルギーを消費する。
自分以外の全ての時を止めるのだから当たり前だ。
これらの条件を満たす事で時を止めれるのだ。
・・だが、そもそも神間になれば記憶を無くすのでこの力を操る事は誰も出来ないだろう。
こんな力を本当に使われてしまったら大変な事だ。
あくまで神が授けた"神間の証"と言うわけだ。」


「と・・ときを・・・・とめる?・・・」

「さよう。さあ、もう時間だ。
選択肢の中から己の道を選べ。」


・・・話は何となく理解できた。


現世に何の未練も無い自分にとっては成仏を選択する事が無難な選択であるとは思う。
だが、どうせ自分が自分で無くなるのであれば現世に生き返り、周りに迷惑をかけるのも面白そうだ。
待てよ・・・仮にそこで少しの可能性で自分の意識を持ったまま生き返ったら・・・また辛い日々が待っているぞ。


「早く決めるのだ!!」
神が悩む自分を急かす。


そうなれば新しい自分に生まれ変わり、違う人生を歩めばいい。
俺だって、皆と同じで楽しく幸せな人生を歩みたい。


考えれば現世に色々と未練を残していた事に気付く。


「神様、現世に生き返る選択をするよ!」

「お、お前という奴はっ!
大切なモノを傷付ける事になるぞ?!」

「大切な人なんていない。逆に現世に生き返り、邪悪な自分が周りに復讐をしてくれるなら本望。
少しの可能性で自分として生き返れるなら、希望に満ちた人生を再度歩んでみたい。少しの可能性に賭けてみたい。」

僕の言葉に神は一瞬顔を歪めながらも頷いた。

「わかった。それがお前の選択なのだな?もう後戻りは出来ぬぞ。それではさらばだ。」






・・・ん・・・・んん・・・・・

「せ、先生!!!!先生!!!と、怜司君が目覚めました!!!!!!」
ダダダダダ・・・・




こうして僕は現世に蘇る。
それは、これから始まる悪夢のような日々の・・・幕開けだった・・・・

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