幻想支配郷

ゆっくり春咲

第4話〜稜駿の能力と動く影〜

 〜前書き〜
 3話までの内容では稜駿の能力はパチュリーに調べてもらう予定でしたが急遽レミリアに変更いたしました。ですのでパチュリーに能力を調べてもらうようなセリフは全てレミリアに書き直しました。ご了承ください。
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俺は紅と戦うため腕輪を2つつけた。そして軽い体操をした。
「戦うのはいいがルールとかはどうするだ。」
 すると、紅は、
「そうですね。私は武術が得意なので武器を使うのは無しでお願いできますか?」
 と言った。
「あぁ、そっちの方が助かるじゃぁ始めるか。先行はそっちでいいぞ。」
 そうして俺たちは各々の構えをした。そして近くの木の葉が落ちるのと同時に紅は動き始めた。一撃目は突きをして来た。俺はそれを体を少しずらして回避した。すると次は膝蹴りが来た。俺はそれをバックステップで後ろに下がって回避した。これには紅も驚いていた。
「さて、次は俺から行くかね。」
 手をパキパキと鳴らしながら言った。
 さてこの腕輪の能力とやらを試してみるか。正直白黒の世界だからどっちが金でどっちが銀かわからないんだよなw。確か片方は動体視力の強化でもう1つが魔力の操作だってか。どちらもイメージすればできるって言ってたな。
 さっき此処に来るまでに博麗に聞いたが魔力は体内と空気中の両方に存在している。魔力は密集すると硬くなるらしい。これは、二酸化炭素の状態変化と少し似てるな。普段は空気となってるからなんとも思わないが冷やされドライアイスにされると硬くなる。だからこの変化の冷やす部分を集めて密集させればいいだけの話。そうして俺はこの腕輪の限界である動体視力を5倍まで引き上げ走り出した。そして右ストレートが確実に決まる距離になると上半身の右半分の魔力と空気中の魔力を右手に集め、そして右ストレートを紅に放った。だが、紅は俺の右ストレートが当たる瞬間。紅の姿が・・・消えた?
 そして気がつくと俺の体は宙を舞っていた。
「・・・え?」
 そうして俺は地面に叩きつけられた。そうして俺の意識はまた途切れた。
 「お・・・ろ。・・・おき・・・ろ。」
 誰かの声がする。聞いたことのない声が。そうして俺は目を開け起き上がった。すると目の前には真っ白な空間とその中にいる真っ黒なシルエットのような人間。なぜかそいつは俺のような感じがしていた。
「お前は・・・誰だ。」
 するとそいつは
「僕は君の闇っていうやつだよ。」
と言った。
 は?俺の闇?どういうことだ。
「その感じだとかなり焦っているようだね。」
「お前は俺になんのようだ?」
 すると自称俺の闇はクスリと笑い口を開いた。
「なにただ単に警告をしに来ただけさ。今度君の体をいただくよ?準備するといい。あと君には色というものを返してあげるよ。それじゃぁせいぜい足掻くといい。」
 そこで俺の意識は途切れた。
 次に目がさめると俺は異常な光景を目の当たりにした。
「う、嘘だろ。白黒の世界じゃ無くなってる!」
 そう、目がさめると俺の目の前に広がる世界は白黒ではなくさまざまな色の世界となっていた。これがあいつが言っていた色を返すということか。目が覚めた部屋は全てが赤で統一されていた。すると目の前にある真っ赤な部屋の中にある茶色ドアが開きそこから1人少女が入ってきた。
「あら、もう起きたのね。復活が早いわね。」
 部屋に入ってきた少女は赤と白の巫女服を着て頭に大きなリボンをつけている黒髪の少女だった。そしてそれはどこか俺が長年守ろうとし、そして失った少女に似ていた。
「博麗・・・なのか?」
「あなたも変なこと言うわね。つい7時間前まで一緒にここまできたじゃない。」
 まさか色があるかないかでここまで変わるものとはな。俺が長年見ていなかった色のある本当の世界に驚いていると博麗が話しかけてきた。
「体の調子がいいみたいだから行くわよ。ここに来た本当の目的を果たすために。」
 そして俺は「あぁ」と言い立ち上がり博麗について部屋を出た。
 博麗について行くこと数分。俺たちはエントランスのようなところに来ていた。
「咲夜〜居るかしら?レミリアに合わせたい人が起きたのだけど。」
 そんなことを博麗が言うと急に後ろから声がした。
「霊夢さんわかりました。それではお嬢様をこちらへお呼びして来ます。」
 後ろに振り返ると八意のような銀髪のメイド服を来た女性が立っていた。
「よろしく頼むわね。」
 博麗がそう言うとその女性は消えた。そして次は3分もしないうちに今度は紫の髪の少女とともに戻ってきた。だがその少女にはドラキュラのような羽が生えていた。そして紫の髪の少女が話し始めた。
「あなたが霊夢が言っていた。春雨稜駿ね。私はこの紅魔館の主人レミリア・スカーレットよ。そして私の隣にいるのがここのメイド、十六夜咲夜(いざよいさくや)よ。」
 すると咲夜という女性が口を開いた。
「お初にお目にかかります。私は十六夜咲夜です。お嬢様がおっしゃった通りこの紅魔館でメイドをしています。以後おめしりおきを。」
 そうして十六夜は手を差し出して来たので一応握っておいた。あ、この人やばい人だ。手が女性にしては硬い。これは結構戦闘してる人の手だ。
 するとスカーレットが口を開いた。
「さて、挨拶も済んだことだしそろそろあなたの能力を調べるかしらね。」
 するとスカーレットの手のひらの上に水晶玉のようなものが出現した。
「これに触れたら能力を調べることができるわ。」
 スカーレットがそう言ったので俺は水晶玉に触れた。すると目の前が暗くなりそこである1つの球体が2つに分かれた。すると暗闇は晴れた。そしてスカーレットが口を開いた。
「あなたの能力が分かったわ。あなたの能力は・・・・支配する程度の能力よ。」
「それは具体的にはどんな能力なんだ?」
「それは分からないわ。でも使ううちに分かると思うわ。あとこれを渡しておくわね。」
 そうしてスカーレットは白のカードを渡して来た。そして次は博麗が話し始めた。
「それはスペルカード。それには自分の技のスキルとかを入れていつでも使えるようにするの。スキルを入れるにはそのカードを持ってどんなものかなども細かく考えるだけよ。細かくしたらするだけ実用性が上がるわ。」
 俺はスカーレットにカードを受け取った。そうして俺たちは紅魔館を後にした。

第4話 END

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