神々が残した不思議

朱雀 にゃん丸

プロローグ【始まり】

この世界は、昔、神々と7つの種族が、魔法と魔法道具を使い、モンスターと戦いながら暮らしていた。
平和でとても繁栄していたらしい。
しかし、いつしか神々と7つの種族が争いを始めた。
神々は、7つの種族に失望した。
:なんて愚かな者達だ:と……
神々は地上から姿を消した。
そして、7つの種族はモンスターと戦う術を無くした。
7つの種族の長は、自分達の過ちを悔やんだ。
もう滅ぶしか無いのだとそう思った。
神々はチャンスを与えた。我々はもう地上には戻らぬ…しかし、地上から7つの種族が居なくなれば、時代は終わるだろう…なので【ラビリンス】を地上の深くから出現させた。
このラビリンスの中に我々がモンスターと同等に戦える為の道具など【神々の遺産】を奥底に隠した。
死にたくなければ、己の力のみで!信念で生き抜いてみよ!と……
7つの種族達は、大変歓喜した。
自分等はまだ戦える!抗えると!
それから昔の7つの種族はラビリンスに挑戦して、名を上げた者も多いと言う。その冒険者達を【遺産を求める挑戦者】(ラビリンスチャレンジャー)と呼ばれていた。
またこの時代にも、【遺産を求める挑戦者】(ラビリンスチャレンジャー)に憧れ、ラビリンスに挑戦しようとする少年が一人いた……。

雪原…

?『はぁはぁ…ここの辺りなんだけどな?』

雪降る雪原を歩く防寒服を着てる少年
彼の名前は…ミツバ…ラビリンスを目指している【遺産を求める挑戦者】(ラビリンスチャレンジャー)なのだ。

ミツバ『うう…寒い…簡単につけると思ったのに…全然見つかんないし…』

地図を確認しながら、周りが見えない雪原を歩いていく。

ミツバ『…でも僕は…諦めないぞ 絶対ラビリンスを見つけて奥底に眠る【神々の遺産】を手に入れるんだ!』

意気揚々と道無き道を歩いていく…が…

ミツバ『あれぇ?…』

足を雪に取られて、ずり落ちていった!

ミツバ『うわぁぁぁぁ!?』

雪の斜面をゴロゴロ転がっていく。
雪玉になるまでゴロゴロと転がっていく。

ミツバ『うわぁぁぁぁ!!目が回るんだけどぉぉぉ!』

ズドーンと音が鳴り響きながら、やっと止まった。

ミツバ『や、やっと……止まった……』

むくりと起き上がり、雪をパッパと除けていく。

グルルル…

獣の唸り声が、聞こえてくる。

ミツバ『ん?…』

周りを見渡すと、赤い目がギラギラと光っている。

ミツバ『…へっ?』

目の前にいたのは、尻尾がハンマーの形をしており、大型のウサギが群れで、ミツバを睨んでいる。

ミツバ『…は、ハンマーラビット!?DL:5のモンスター!?』

DLとはdanger・level(デンジャーレベル)と言われ、
モンスター協会と言うモンスターの危険度を推定する組織が推定したモンスターの危険度レベルの事である。
ちなみにDL:5は大砲で倒せるくらいである。

ガァァァァ!?
と叫び、ミツバを目標に群れで襲ってきた。

ミツバ『ちょ、うわぁぁぁぁ!』

ミツバは走って逃げた!
しかし、ハンマーラビットも追いかけてくる。

ミツバ『運が悪すぎるだろうがぁぁぁぁ!?』

ガァァァァ!?
ハンマーラビットは高く飛び、お尻をミツバに向けて落ちていく。

ミツバ『!?』

ドスーンと落ちてきたが…
ギリギリで転がり、回避できた。

ミツバ『ハァハァ…ハァハァ…』

体が震えながら、立ち上がる。

ミツバ『ハァハァ…ヤバい…死ぬ!』

冷や汗を拭いながら、現状を見つめ直してる。

グルルル…

ミツバ『…(ハンマーラビットはどうやら、さっきの衝撃で、僕を見失ったらしい…だが、群れで行動するから、10はいるはずだ…見つかる可能性は高い…)』

じゃらじゃらと音がした。

ミツバ『…ん?…あ、そうだ!忘れてた!僕にはこれがあった!』

腰に着けていたカバンを触る。

ミツバ『…(マジックバック!これにモンスター対策の武器とか食料を入れていたんだ!)』

マジックバックとは何でも入る魔法のバックである。
ミツバはマジックバックの中を漁り始めた。
マジックバックの中から、拳銃を取り出した。

ミツバ『拳銃!これなら、弾は…あった!魔法弾!赤だから炎系か…でも無いよりはマシか!』

魔法弾とは魔法を込めた弾である。

ミツバは魔法弾を拳銃に込めた。

ミツバ『…よし……でも、相手は…DL:5のモンスター…魔法弾でも倒せるかどうか……うん…無理して戦わなくてもいいんだ…このまま逃げて、ピンチの時に使えばいい…』

ミツバは銃を構えながら、ゆっくりゆっくり音を立てないように、離れていく。

グルルル……グルルル………

ミツバ『……(警戒が解けてきてる…このまま離れていけば……)』

ガサッ!

グルルル!?

ミツバ『しまった!』

ガァァァァ!?

ミツバ『くっ!こ…の!?』

ドカン!?

ハンマーラビットに向けて、魔法弾を撃った!
ハンマーラビットは炎の爆発して倒れた。

ミツバ『あ、当たった!』

……ガァァァァ!?

ハンマーラビットは飛び上がり、ミツバを睨み付けている。

ミツバ『や、やっぱり、倒れない……よね?』

ガァァァァ!?

雪原に鳴り響く遠吠え

ミツバ『ッ!?(あ、駄目だ…僕…死んだ…)』

ガァァァァ!?

ハンマーラビットがミツバに攻撃しようとした瞬間

ゴゴゴ…

グルルル…

ミツバ『……?』

ハンマーラビット達は走って行った。

雪原に一人、残されたミツバ

ミツバ『た、助かった?』

呆然としていると…

ゴゴゴ…
と地面が揺れる音が鳴り響く。

ミツバ『な、なんだ!』

ゴゴゴゴゴゴ!?

ミツバ『今度は何なんだよ!?』

揺れる地面のせいで立てないでいた

ミツバ『…ま、まさか!?』

音がする方向を振り向いた。
そこには雪崩が迫ってきていた。

ミツバ『ッ!?』

驚いて走ろうとしたが、既に遅し!
ミツバは雪崩に巻き込まれてしまった。

ミツバ『うわぁぁぁぁ!?』

……汝……は……

ミツバの頭の中で、誰かの声が聞こえてきた。

ミツバ(…誰?……誰なんだ?)

汝は……何を望む……

ミツバ(……望み?…)

汝は何を望む…争いか…それとも…平穏か?

ミツバ(望み……僕の望みは……冒険……ラビリンスをクリアして……【神々の遺産】で冒険をする事だ!)

……なるほど……ならば……その望みをこのラビリンスで……成して魅せよ!挑戦者よ!

声が途切れた。

ミツバ『…ん……』

むくりと起き上がった。

ミツバ『こ、ここは?』

起きて、目を擦り、周りを見渡した。

ミツバ『……こ、ここは!?』

起きて見た物は、周りには古い文明のような壁画など古代の銅像などがあった。

ミツバ『…そうか…来たんだ!ラビリンスに!?』

歓喜したミツバは立ち上がり、壁画など触れて見つめる。

ミツバ『古い文明の壁画がだ!神々がいたと言う歴史的証拠!ラビリンス、来たんだ…やっと挑戦出来る…』

ラビリンスの入り口を見つめる…

ミツバ『必ずクリアして……僕は冒険を楽しむんだ!?』

想いを募らせた目をして、一歩、ラビリンスの入り口へと歩いていった。


…つづく

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