創造のスキルとともに異世界へ

エミヤ

2人の勝負の決着。

首を切り落とされる。

ここにいた皆がそう思った。

だがステファンはまだ余裕があるように見える。

ガキン、と言う音と共に愛葉の剣が弾かれた。

「、、、、!?」

皆驚いたようだった。

ステファンすら目で追いきれなかったはずなのに、ガードが出来た。

「、、、そうか、あれが絶対防御のスキルか、、、」

絶対防御のスキルをステータスガイドのスキルで詳細を調べた。

このスキルは発動者がもらったダメージをHPではなくSPに変換してダメージを無効化する、と言うスキルだった。

だが、この欠点はSPがもらったダメージ分、SPが減ると言うことだ。

言うべきにもあらずだが、SPがなくなればこのスキルは効果がなくなってまう。

そして、さらに言うなら相手の攻撃力がかなり強ければその分、SPの減りも早い。

魔法を主に使うステファンからしたらデメリットなスキルだと思うが、、、何か考えがあるんだろうな。

「驚きました。絶対防御が使えるんですね、、、」

「ありがとうございます。ですけど、、、、」

「、、、!」

ステファンの反撃に愛葉はギリギリ反応して躱した。

「、、、ホーリーソードですか、、、」

「無詠唱魔法を使ったから反応できませんでした?」

「やはり無詠唱での魔法使用でしたか、、、」

「ええ、、、」

軽く会話をしていた間もステファンは次のスキルを使用する。

ホーリーランス。

「神の槍、、、、か、、、、」

ホーリーランスは神話に出て来る槍だ。

使えることがまず凄いよな、、、

見れば右手に槍、左手に剣だ。

完全に魔法師ではなくなってる。

「何が聖女だよ、、、恐ろしいな、、、」

これじゃあ魔法剣士だな。

そう思いながら俺は2人を見る。

少し睨み合った後、先に動いたのはステファン。

大きく一歩を踏み出し、槍を突き出す。

愛葉はそれを難なく躱す。

躱されたのを確認したステファンは、足が地面に付いた瞬間左に回転し、それと同時に剣で斬りつける。

愛葉はそれも難なく躱す。

スキルでスピードを上げているから動体視力や、反射神経も上がっているのだろう。

愛葉は躱した後攻撃を仕返す。

何かのスキルを使ったのだろうか、愛葉の剣の周りに白いオーラが纏っていた。

その攻撃ももちろんステファンのスキルで無効化される。

その隙を突き、ステファンが攻撃を、、、、

愛葉がその攻撃を躱し、反撃、、、、

それがかなりの時間続いた。

ずっと続くのではないかと思われたが、以外にもあっさり終わりを迎える。

「、、、絶対防御のスキルが切れたみたいですね。」

「、、、、、」

ステファンのSP切れ。

その両手には魔法で作られた剣と槍はもう無い。

「よく頑張りましたよー。かなり苦戦しましたー。でもこれで最後ですねー。楽しかったですよ?」

「、、、、、、」

「もう何も答えませんか、、、、それでは、、、さようなら。」

愛葉はもう一度絶刀のスキルを使い今度こそトドメを刺すべく大きく一歩を踏み出し、ステファンに切り込んだ。

グサッ、、、、、

今度こそステファンが斬られた、皆そう思った。

が、、、、ステファンは斬られてはおらず、切ったはずの愛葉は倒れている。

「え?、、、、、」

愛葉本人も訳がわからず混乱していた。

自分の足を光の矢が貫いていたから、、、

「ふぅ、、、、ようやく引っかかってくれた、、、、」

「、、、、??」

這いつくばる愛葉をステファンは見下ろしながらそう言う。

「なんの、、、スキルを?、、、、」

「スキルではなく魔法です。」

「そんな訳が、、、!だって、あなたのSPはもう、、、!」

「はい、もう空ですよ。」

「、、、、、!?」

ならなんで!?って顔をしている愛葉にステファンは答えを言う。

「ホワイトスピアの魔法ですよ。」

「、、、、、、?」

「名前的に弱いイメージがあるようですが、そんなことないんですよ?なんだってこの魔法の位階は第23位階魔法なんですから。」

「、、、、、!!」

「この魔法は、SPを必要としない、詠唱を必要としない、直接使用が出来る、そして、、、トラップとして使用ができます。」

「トラップ、、、、!」

「はい。、、、ネタバラシもしましたし、これで終わりにしましょう。」

「、、、、、、」

ステファンは同じく魔法で槍を作り出す。

その槍を、動けないまま何もできない愛葉に突き刺した。

「勝負ありですね、、、、」

ステファンがそう言う。

「あの愛葉って人も十分すごかったですよ?ステファンと互角に戦えたんだから、、、、」

最後まで言おうとしたリクの言葉を亮が遮る。

「いや、、、ステファンの負けだ。」

「え?どういうことですか?」

「今ステファンっていう人と戦っている愛葉は、、、、分身だ。」

「「「、、、!!」」」

リクだけでなく、他のみんなも驚いた。

「雄一は気づいていたんだろ?」

「ん?ああ、それはな。でもステファンに挑発したのは分身の愛葉だからあれはステファンの勝ちだろ?」

「うん、確かにな。でも審判が試合終了の宣告をする前に本体の愛葉があのステージに上がれば、、、、」

「おいおい、いくらなんでもそれは卑怯だろ!愛葉ってそんな卑怯な奴だったか?」

「ここだけの話だが、お前のこととなると頭おかしくなるんだよ、、、あの人、、、」

「え?マジで?」

「マジ、、、」

「うわぁー、、、、」

「てかさ、、、、、噂をすれば、、、来たよ、、、」

「、、、、!」

俺らの座っている位置から真っ直ぐ、白の屋根の上に1人の影、、、、

その影が屋根から飛び降り、、、舞台の上で着地する。

誰かが落ちて来たことにステファンも気がつく、そして飛び降りた人間が誰かも。

「いやー、私の分身が倒されるなんて思っても見なかったですよー。あなた私が倒した魔王より強くないですかー?」

「分、、、、身?、、、」

「はい!分身です!」

「、、、、、!」

ステファンは言葉も出なかったようだ。

それはそうだろう。自分の全てを出し切って勝利したと思ったらそれはただの分身だったなんて。

さらにSPもHPもほとんどないのに本体が現れた。

勝てない。

ステファンはそう思っただろう。

がしかし、、、、

「この勝負はステファンの勝ちだ。」

俺はそう言った。

「え?ちょ、、、待ってくださいよー!雄一さん!?私まだピンピンしてますよぉー!?」

「ああそうだな。」

「じゃあなんで私の負けなんですかー!?」

「ん?だって喧嘩売ったのは愛葉の分身だろ?本体が来たところで無意味だろ?」

「いや、それは私の能力の一環で、、、」

「ああ、知ってる。」

「だからなんでですかー!?理由を述べてくださいよー!」

「わからないか?なら教えてやる。、、、、お前が来る少し前に試合は終了した。」

「え、、、、、?」

「いや、、、審判影薄すぎて試合終了の合図誰も聞いてなかったみたいだけど、ちゃんと言ってたよ?」

「な、、、、、、!?」




こうして試合は幕を閉じた。





「心残りのある終わり方でしたね、、、、」

リクがそう言う。

「私も途中から忘れてました、、、、」

ミーフィアも話し出す。

「ってかあんなに強かったのに分身かよ、、、」

とゲイン。

「やっぱり雄一さんと一緒に来てるだけあって只者ではなかったですね、、、」

とルーク

「でも勝てて良かったですね、とてもヒヤヒヤしましたよ。」

とカクト。

「よく審判の合図聞こえましたよね?お兄ちゃん。」

とフィル。

「試合終了の合図が間に合ってほんとよかったよ、、、」

と亮。

「やっぱり再試合したほうがいいですってー!!今度は分身使わないでやりますからー!!」

「うるせぇ!!」

「だってぇー!!」

「相手のステータスも見ず、分身だけで勝てると侮って闘いを始めたお前の負けだ!」

「う、、、、それを言われると言い返す言葉が、、、」

「そもそも分身使ってまでどこ行ってたんだよ。」

「えっとー、、、、美味しそうな食べ物がたくさんあったからつい、、、、、」

「「「、、、、、、」」」

ステファンが今部屋で寝てて良かった、、、、もし今の話聞いてたら、、、、

「、、、愛葉、、、」

「?、、、なんですかー?雄一さん。」

「後で、、、、覚悟しろよ?」

「え、、、、、、、、、、、」

「愛葉さん、、、ガンバ、、、」

「ちょっと、、、亮さん?、、、、私を見捨てないでぇー!!」




しかし、、、本当にみんな強くなったな。

、、、そういえば勇者と姫様はどこ行ったんだろ、、、、途中からいなくなっていたような、、、、?









一方、王城内の王室にて。

「それは本当かね!?柊木くん!」

「はい、雄一さんが帰って来ました。」

「お父様、あのお方がいればあの邪神をも倒せるのではないですか?」

「うーむ、、、それもできるかもしれん、、、あのお方ならそれも、、、」

「しかし、あの邪神には強力な幹部がいると聞きます。それも一体一体が魔王以上と、、、、」

「私たちだけでは幹部一体を道連れにするのがやっと、、、到底邪神本体には近づけない、、、」

「しかし雄一殿はカクトとフィルにスキルでレベルを上げてくれたそうじゃないか。そのスキルを使ってくれればいいのではないか?」

「ああなるほど、、、王国の兵士のレベルを上げてもらい、邪神に挑戦すれば、、、」

「でも雄一様に聞いてみないとわかりませんね、、、メリットだけではないと思いますし、、、」

「そうだな、では後日、彼を呼んで話の続きをするとしよう。」

「そうですね、では僕たちはこれで。」

「おおありがとう。助かったよ。」

「いえいえ、、、失礼します。」

会話を終了させ2人は王城を出て宿へ向かう。

「雄一様が戻ってこられて本当に良かったですね。」

「ああ、それにしても、、、雄一さんの隣にいた2人、、、、あの強さは異常だ、、、」

「そんなにですか?でもステファンは勝ったそうですよ?」

「いや、あれは分身だろう。」

「分身?」

「ああ、分身のスキルはその名の通り自分の分身を作るスキル。しかし分身を作るだけでステータスが一緒なわけではない。そして分身は本体のステータスの500分の1の力しか持っていない。だとすると、、、、もう予想はつくよね?」

「まさか、、、あの女の人だけで雄一様と同等、、、、!?」

「そう言うことになるな。」

「まさか、、、!」

「ま、取り敢えずは会った方が早いだろう。」

「そうですね、、、」





愛葉美希



種族     人間
役職     天罰の女神
属性     火、水、風、光、神聖、
レベル     9886259965

攻撃     9800000000000
防御     100000000000
HP       960000000000
SP       9200000000000

スキル/拘束、探知、絶刀、テレパス、観察眼、オーバースピード、分身、攻撃力向上、防御力向上、スキル能力向上、全能力向上、テレポート、自然回復、完全回復、範囲回復、聖獣召喚、神獣召喚、パーフェクトバリア、光線砲、天滅、完全蘇生、聖剣召喚、インフィニティワールド、神の鉄槌、

魔法/ファイアーショット、ウォーターショット、ウィンドショット、ホワイトショット、ファイアーウォール、ウォーターウォール、ツインボルト、クロスボルト、テンペスト、

称号/勇者、英雄、聖女、女神、天罰を与えし者、天界神、










コメント

  • ノベルバユーザー255476

    はじめまして見ました

    1
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