最弱最強の破壊者

うらら

魔術真王祭校内予選Part3

校内予選当日。俺たちクラス代表は第2演習場に来ていた。ここ第2演習場は第1演習場と違い、広さは第1演習場の10分の1程度であり、コートの区切りもない。そして円形の闘技場が中央にあり、それを囲むようにして観客席が沢山ある。俺は選手の控え室で少し体を動かしていた。第1試合開始は午前9時。校内予選は魔術真王祭と同じようにトーナメント戦で行われる。俺の一回戦の相手は3年生。どんな能力かはわからないが、とても楽しみだった。と、椅子に座ってる舞が話しかけてきた。
「いよいよね、新九郎!絶対に魔術真王祭出場しましょうね!」
「おう!絶対出よーな!」
トーナメントの準決勝に上がった4人が魔術真王祭に出場確定。そして、ベスト8の4人が戦い、その中で勝った1人が5人目の枠に入る。俺は優勝を目指しているが、そう易々と取れたものではない。だが、それがたまらなく楽しみだった。こういうのを戦闘狂というのだろうか。そして、時刻は午前9時になろうとしていた。
選手控え室から、通路に出て、外を覗くと、強化ガラスのドームの向こうに多くの生徒が試合開始を今か今かと待ち望んでいた。その奥にはテレビのカメラまである。俺はそういうのは苦手なので気が滅入ったが気にしないことにした。よし!今は試合に集中!そう思っていると、第1試合が始まったのだった。


俺の出番は第1試合から10試合後。舞は8試合後だった。そして舞はあと1試合で試合が始まる。舞の相手は2年生。能力は創造系魔法だった。舞はすでに試合会場の裏手でスタンバイしてる。そこに俺が行って、声をかけた。
「舞、初戦頑張って!」
「ありがとう!絶対勝ってみせるわ!」
そう笑顔でいうと、試合の順番が来た。舞は、
「行ってくる!」
そう言って小走りで会場に出たのだった。


試合会場に出て開始線にたった私、焔舞は対戦相手と対面し、試合開始の合図を待っていた。頭上にある電光掲示板が、カウント10を表示。それとともに音声アナウンスでもカウント10が聞こえる。私は集中し始めた。周りの声はもう聞こえない。すべての神経が相手に向いていく。そして、ピーという音ともに試合が開始された。私は手に炎球を作り、相手の方へ飛ばした。相手の能力を探るための牽制。相手は案の定、地面から壁を生み出し難なくそれを防いだ。だが、私はもう既に第2の手に移っていた。火球が壁に激突。ドゴーンという音とともに壁が崩れたその瞬間、炎の剣を私は作り、死角に回り、一気に剣戟を浴びせる。これには流石に驚いたのか、
「なにっ!?」
と言いながら鉄の剣と盾を作成。私に応戦しようとした。私の剣を盾で防いだが、私の炎の剣によって鉄の盾は難なく溶かされた。それに驚いた相手選手は苦悶の表情と共に、剣を振り回す。しかし、新九郎と稽古している私にとってみれば目をつぶっていても躱せるものだった。そのため私は最小限の体捌きですべて捌くと、炎の剣を顔に振り下ろす。そのすんでのところで止めると、相手はペタリと座り込み、弱々しい声音で、
「降参です、、、、。」
と呟いた。それと同時に周りからの歓声が聞こえ、電光掲示板にWINという文字とももに私の名前が映し出された。私はふーと息をつくと、対戦相手に礼を述べ、そのまま会場をあとにした。すると、会場の入口で新九郎がニコニコしながら待っていた。
「お疲れ様、舞。圧倒的だったね。次は俺の番だな!」
「ありがとう、新九郎!絶対勝ちなさいよ?負けたら承知しないんだから!」
「わかった、善処します!」
そう言うと、新九郎は舞に手を振り、そのまま会場の入口で待機していた。


舞の試合を見ていた俺、闘打新九郎はあと1試合後に自分の試合が迫っていた。舞とは決勝戦でしか当たらないため、そこは安心できる。だが、他にも強いひとはたくさんいるだろう。そのため気は抜けない。そんなことを思っていると、前の試合が終わった。次は俺の番。百合から聞いたことだが、<ルシフェル>を使用してもこの会場は壊れないらしい。それはありがたいことである。そして開始線に立つと、対戦相手の3年生の大きな男の生徒が俺に話しかけてきた。
「お前が噂の闘打新九郎か?」
「はい、そうですが?」
「そうか、なら、どれほど強いか試してやるわ!」
あからさまな敵意を向けてきたが、たしかにこの人は強い。そう感じた。そして電光掲示板にカウント10が表示。アナウンスも開始された。ピーという開始音と共に俺は魔力を闘気に変換。足と手に貯めて一気に突貫した。相手は動かない。何かあると感じたが俺は構わず突っ込んだ。拳を放とうとしたその時だった。相手が目の前から消えたのだ。ブンっ!という風切り音と共に俺の拳は虚しく空を切った。その直後、俺は背中に衝撃を感じた。この攻撃は空手だ。正拳突きを背中からモロにくらい、俺は息が詰まった。重い。一撃が重すぎる。能力の底上げによるものなのか、それとも本人の力なのか。どちらにしろ、これを食らうのはまずい。そう感じたその時だった。俺は横に気配を感じて、即座に体を反らせた。その瞬間、いきなり相手が現れ、俺の顔のあった位置に拳が突き出された。そこでやっと能力に気づいた。瞬間移動である。なるほど、空間転移系魔法とはとても厄介だ。となると、
「流石は先輩ですね。さっきの拳も自分の手を少し瞬間移動させ、速度を増したものだったのですね。」
「ほう?少しはやるみてぇだな?だが、わかったところで何が出来るかね?」
なんでそんなに敵意満々なのかよく分からないがそういうとともにまた消えた。だが、この手の能力には共通の弱点がある。範囲攻撃にはあまり強くないのだ。俺は一気に体の中心に闘気をため、相手が出てくるタイミングを見計らって放った。俺に攻撃しようとしていたが、俺の放った闘気の波動に直で触れた相手は、がはっ!と言う息が詰まる声と共に壁まで吹き飛んだ。それを追うように俺は駆け出し、捕まえて拳を放つ。腹部に1発入れると声にならない声とともに地面に倒れ込んだ。その瞬間、電光掲示板にWINという文字ともに俺の名前が映し出されたのだった。

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コメント

  • 天宵 魁

    戦闘狂のところを、バーサーカーとかにすると、少し厨二臭くはなりますが、かっこよくなると思います。続きが気になります。いつも楽しみに待ってます。

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