最弱最強の破壊者

うらら

襲撃Part4

「穿て!ウロボロスっ!」
という声とともに、正拳突きの要領で拳を突き出した。拳から莫大な量の闘気が龍の形となってミョルニルを巻き込み、ライアンめがけて飛び出した!俺の放ったウロボロスがライアンにあたるかと思ったその時だった。
「アスカロンっ!」
と、ライアンは心底楽しそうな顔をして、そう口にした。その途端、ライアンの左手から両刃の剣を出すとその剣の一太刀で俺のウロボロスは屠られた。<アスカロン>。ドラゴンスレイヤーとも称されるその剣を、ライアンは作り出したのだ。しかし、俺のウロボロスは形さえドラゴンだが、本物の龍のというわけではない。それ故、たぶん、ライアンは挑発と力の誇示のためにだけ、わざわざアスカロンで攻撃したのだ。俺はあまりにも頭に血が上り突貫しようとしたその時だった。不意に隣から灼熱の炎が飛んできた。俺は、当たる寸前で回避して、炎の主の方へ目をやる。
「熱くなりすぎ。何挑発に易々と乗ってんのよ?馬鹿じゃない。この脳筋っ!」
舞だった。その舞の行動によって、俺の頭に上っていた血が一気に引けた。そして、笑いが込み上げてきた。
「ありがとう、舞。ただ、熱くなってる人に炎を向けて、熱くなるなってっ(笑)炎が当たったら物理的に熱くなっちゃうよ(笑)」
それを聞いた舞は少し顔を赤らめて、
「うるさいわねぇ、助けてあげたんだから感謝しなさいよっ!」
と頬を膨らませ、可愛く怒っていた。それを見た俺は、笑いながら、
「ありがとう、お陰で頭に上ってた血が一気に引けたよ。これでまともな判断ができそうだ。」
そう言った時、ライアンが、
「戦いの最中によそ見しんじゃねーよっ!」
と、手に持ったエクスカリバーで剣戟を仕掛けてきたが、俺はライアンの攻撃を最小の動きで躱し、カウンターとして、腹に正拳突きを放った。ライアンはイージスで防いだが、勢いまでは消せず、吹っ飛んだ。それをみると、舞に向かって、
「舞、今から俺は奥の手を使う。これなら奴のイージスも壊せるかもしれない。だが、膨大な魔力を一気に解放するため、周りに被害が出る可能性がある。校舎には俺の知り合いの人が魔力障壁を張っている。だから、君も離れて、魔力障壁で自分の身を守ってほしい。」
そういうと、舞は俺の真剣な表情を見て、
「わかった。絶対に勝ってね、新九郎っ!負けたら許さないんだからっ!」
と言って、後方に下がり、障壁を展開した。それを確認した俺は、全身に魔力を集め、闘気に変え始めた。吹っ飛んだライアンが、戻ってきて、エクスカリバーで攻撃を仕掛けようとした時、俺は、
能力解放リミッター・ブレイクっ!ルシフェルっ!!!」
と叫ぶと同時に、一気に闘気が解放され、その余波でライアンはまたも吹き飛んだ。俺の周りの地面が抉れて行く。そして、可視化できるようになったより濃密な闘気が俺の体を鎧の形のように覆っていく。さらに、背中からは12本の濃密なオーラが羽のように流れ出す。これが俺の最終奥義<ルシフェル>である。身体能力は普段の1億倍にも上り、攻撃性がさらに増す。タイムリミットは五分。それを超えると魔力が底をつき、俺は魔法がしばらく使えず、おまけに能力のリミッターを外し、力を強引に引き出すため、反動で立ってられなくなる。だから、この五分で、あいつを、ライアンを叩き潰す。五分もあれば十分だ。あいつを絶対に倒す。そう思い、起き上がったライアンめがけて神速で駆け出した。ライアンは俺の速度に対応出来ず、苦渋の表情を浮かべていた。ライアンはイージスを全方向に展開し、体を守ろうとするが、俺のたった一発のパンチの拳圧で全て壊され、驚愕していた。
「馬鹿な!ありえない!イージスが砕かれるなんてっ!」
そう述べながら必死に剣を振るうが、俺には掠りもしない。そして顔面に一発闘気のこもったパンチをお見舞いすると、後方に大きく吹き飛んだ。顔から盛大に血を流したライアンが、肩で息をしながら、
「なんだこの身体能力の異常な上昇は!?このままではまずいっ!ここは一旦引かなければっ!」
そういうとともに、背中に羽を生やし、空へと飛び上がった。俺はそれを見るや、ライアンの飛ぶ方向へ跳躍し、ライアンの羽を掴むと、一気に地面に投げつけた。背中から勢いよく地面に叩きつけられたライアンは、
「ガハッ!」
と盛大に血を吐き、激痛に悶えていた。奴にはもう、さっきまでの余裕はどこにもなかった。幸いなことに、夢さんが張ってくれている魔力結界がとても強力であり、どんなに力を使っても耐えられそうだった。なので、俺はライアンに向かって、大技を放つことにした。父と母の恨みを込めて。俺は身体中の闘気を右手の手のひらに集め、圧縮に圧縮を重ね、球状にした。
「終わりだ、ライアンっ!俺の両親やお前が手にかけた人々の恨みを知れっ!屠れっ!<反逆の明星トリーズンヴィーナス>っ!」
そう叫ぶと、ライアン目掛けてその球を投げた。ライアンは最後のあがきで、
「イージスっ!」
と叫ぶと、幾重にもイージスを生み出したが、その闘気の球を防ぐことはできず、全てのイージスを割った闘気の球はライアンに直撃した。その直後、集まった闘気が炸裂し、ライアンを中心にして、直径20m程の光の柱のようなものが生まれ、その光りに包まれたライアンは、
「グァーっ!」
という断末魔と共に消えていった。光が止むと、地面に大きくクレーターが出来ており、ライアンは跡形もなく消えていた。それを確認した直後、ルシフェルが解除ささった。
「やったよ、父さん、母さん、俺、仇とったよっ!」
天に向かってそういうと共に、俺はぶっ倒れた。


次に目覚めたのは、白い天井の部屋だった。隣には機械があり、俺の体に繋がっている。そこでやっと思い出した。俺は、ライアンとの戦いで<ルシフェル>を使用、その後奴を倒し、俺も<ルシフェル>の反動で倒れたことを。そう思っていると、隣から聞き慣れた声が聞こえてきた。
「よかった、よかったっ!生きてたよ、新九郎がっ!」
涙を浮かべ、喜んでいる舞がそこにいた。俺は、
「やぁ、舞、おはよ。俺どれくらい眠ってたの?」
そう聞くと、舞は半泣きしながら、
「3日よ、もう帰ってこないかと思って、私っ、私っ!」
と嗚咽交じりに答えてくれた。久しぶりの<ルシフェル>の使用と、さらに<反逆の明星トリーズンヴィーナス>まで使い、魔力と筋力を限界まで使ったのだ。そのくらいの反動はあるのだろう。そう思いながら体を起こすと、舞が俺に抱きついてきた。
「もう、無理してっ!心配だったんだよ?ばかっ!」
そう言いながら、強く抱きしめられ、俺は照れながら、
「ごめん、心配かけて。色々ありがとな、舞。」
と言いながら、俺も舞を抱きしめたのだった。

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