最弱最強の破壊者

うらら

模擬戦Part1

俺は更衣室から第1演習場に向かった。顔に平手をくらったため、頬がヒリヒリするが、とりあえず第1演習場にむかう。演習場に着くと、俺以外のクラスメイトは皆来ていたようで、俺が最後だった。百合が、ニヤッとこちらを見た後、
「よし、みんな来たな。知ってると思うが模擬戦を行ってもらう。お前らの実践力がどれくらいなのかを確かめるためのものだ。ただし、相手を死に追いやるような真似は絶対にするな。行ったら私が全力で止めるから覚悟しろ。」
と皆に聞こえるように言った。
「対戦相手は後ろにある電光掲示板がランダムに表示するから誰が当たるか楽しみにしておけ」などというので、皆一斉に掲示板を見た。百合が手元からリモコンを取り出し、ボタンを押すと、スロット形式で対戦相手が決まっていった。
この第1演習場はとても広く、東京ドーム10個分はあるだろう。そこに闘技場が20個あり、各自一斉に開始するらしい。みんなの対戦相手が決まっていく中で、俺の名前が止まった。そして対戦相手を見て驚いた。なんと焔舞である。
なんたる悪運だろうかと心で思いながら、掲示板を見ていると、舞が話しかけて来た。
「いい?私に負けたらあなたは土下座で謝り、靴を舐めなさい?」
顔に似合わず相当きつい事をいう人なのだなぁと思ったが、俺は口には出さず、違うことを述べた。
「待ってくれ、謝るには謝るが、なんで靴までなめなきゃいけないのさっ!それに俺が入ったのは男子更衣室だし、君が間違わなければ、、、」
そこまで言って舞の表情の変化に気づいた。憤怒の形相を浮かべ、体からは魔力をほとばしっている。まさに鬼だ。鬼が言った。
「最低っ!バカっ!アホっ!変態っ!わかったわ、あなたは負けたら私の奴隷になるのよ!いいわねっ?」
まくしたてるように言われてたじろいだが、
「い・い・わ・ね?」
と詰め寄られ、つい圧に負けて
「う、うん」
と返事をしてしまった。俺悪くないのにと嘆きながら、一つの疑問を投げかけた。
「ところで、俺が勝ったら何かあるの?」
「はー?あるわけないでしょ?」
さらっと返され唖然とした。つまり一方的に不利益な戦いなのだ。
「というか、ランクEのあなたがランクSの私に勝つつもりなの?」
と言われてしまった。なので俺はにこやかに、
「やってみないとわからないじゃん。それにまぐれとかもあるしね?」
と返すと、舞は「ふん」と踵を返し、俺らの試合をする闘技場へ向かった。
一連のやりとりを見ていた百合が笑いながら、
「ま、頑張れよ?ただし、<ルシフェル>だけは使うな?私でも手に負えん。」
と言われたため、「わかってますよ」と笑って返した。

<ルシフェル>とは俺の最終奥義の一つであり、魔力を闘気に変換して、その闘気を濃密にしたものを身に纏い、可視化できるようにしたものであり、その時に背中に生まれる闘気のオーラが12枚の羽に見えるため、神童さんが堕天使の長の名前からとってつけたものである。だが、これは俺の魔力を全て使うため、これを使った後は魔法は使えない。それに加えて使用時間は5分間。つまり、本当にピンチな時にしか使用出来ないまさに最終奥義なのだ。

俺が闘技場に着く頃には既に舞はいた。
この闘技場は特別なガラスに覆われているため、ちょっとやそっとの衝撃では壊れない。俺の力の半分くらいなら耐えられる強度だと思う。
俺が舞と対面して立つと、頭上のスピーカーから百合の声で「みんな定位置に立ったな、では始めるぞ」と聞こえた。その直後、スピーカーから15秒のカウントアナウンスが流れる。0になったらスタートだろう。俺も集中する。相手の体制、目線、呼吸全てを理解し、初手を考える。カウントがゼロを告げ、百合が「試合開始」と告げたとほぼ同時に目の前に灼熱の炎が飛んで来た。俺はそれを体捌きで避けると、舞が、
「いい判断ね、少しはやるみたいじゃない。だけど!」
今度は大きな火の玉を背中に円状に並べ、それらを自在に操り攻撃をして来た。それら全てを体捌きで避けていると、舞は「避けるのだけは上手いのねっ」と言いながら、攻撃の速度を上げてきた。俺は流石に避けきれないと思ったため、体に速度上昇魔法をかけ、音速で炎の間を走り抜け、舞の前に止まった。ソニックブームが起こり、舞の炎を吹き飛ばす。これには舞も驚きを隠せないようで、バックステップで下がりながら、
「あり得ないわ、私の炎を風だけで消すなんてっ!」
と声を上げていた。そして舞が攻撃の手を止め、
「あなた本当にランクEなの?」
と訊いてきたので、
「そうだよ、俺はランクEさ。さっきのもマグレだよ。」
と返すと、
「ふざけないでっ!マグレで私の炎を吹き飛ばせるわけがないわ!でも、まだまだここからよ!」
と言われたため、少しだけ捌く手数を増やすことにした。
舞は炎の竜巻を無数に起こし、それをこちらに向けてきたが、俺は魔力を手に込めて闘気にし、それを竜巻に当てて相殺していく。次第に舞の顔色が驚きの表情に変わっていく。舞が手に炎の剣を2本つくり、それで攻撃してきたが、刃の真ん中を拳で殴ると剣は消えた。舞がどんな炎の攻撃をしても全て体捌きで躱すか、殴って相殺した。その攻防が5分ぐらい続いた頃、舞はまた手を止めて話しかけてきた。
「少しは攻撃したらどうなの?逃げてばかりではなくて?でも、驚いたわ。少量の力で作った炎とは言え、いとも簡単に捌くなんて。わかったわ、私は全力であなたを倒す。今までの相手とは強さが違うもの。敬意を込めて、全力で倒してあげる。」
「舞さんの攻撃が凄すぎて避けるが大変だよ。よくわかる、沢山の努力の賜物だってことが。でも、こっちもそう簡単にやられるわけにはいかないのでね。全力で来るなら、こっちも全力でやらせてもらうよ。」
再び対面して、構えた。

〜Part2に続く〜

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コメント

  • ノベルバユーザー128919

    これあれだ落第騎士の英雄譚のまね?

    0
  • Flugel

    完全に落第騎士の英雄譚だろこれ

    1
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