異世界は現実だ!

竹華 彗美

ヘファイストで恐怖なのだ!

 第六章
 第134話、ヘファイストで恐怖なのだ!


 僕が集合場所に行った時には既にみんな集合していた。

「みんな、遅れてごめん!」
「別に大丈夫だぞ。」
「はい。大丈夫です。」
「うん、大丈夫。あとね!私の友達の子、今やってる仕事が終わったら加わってくれるみたいだよ!もうすぐ来るはずなんだけど……。」
「そうなんだ!ありがとう。カルナ!」
「あきら?そっちはどうだったの?」
「石も問題なく確保できたし、武器も魔道具買ったよ!」
「おおー!どんな魔道具を?」
「これです。クルルさん。」

 僕は買った魔道具をアイテムボックスの中から取り出し、みんなに見せるとクルルさんが手に取り少しみたあと大きな声で悲鳴をあげた。

「どうしたんですか?クルルさん!」
「あ、あ、あ、あきらさん!!こんなもの金貨何枚で買われたんですか!?」
「金貨一枚ですけど…それが定価と言われた……」
「き、き、金貨一枚〜!!?そんなわけないでしょ!!」
「何をそんなに興奮してるんだ?クルルさん、どれどれ……え〜!!!!!!!」
「なんだい?ストジネートくん、クルルさん。そんな悲鳴をあげて見せてごらん……ん?……嘘だろ……。あきらくん!これ本当に金貨一枚が定価って言ってたの!?」
「うん、間違いないよ?みなさんどうしたんですか?なんか恐ろしいものでもみたように。」
「あきらさん…冷静になってください。」
「僕は冷静ですよ?みなさんこそ……」
「これはですね!」

 僕の言葉を遮り大きな声でかなり興奮した口調で話す。こんなクルルさんの姿見たことないな。

「これは有名中の有名鍛治ギルド!ヘファイストの武器ですよ!ヘファイスト産の武器は最高級でどんな武器にも劣らない冒険者のみならず、世界中に熱狂的な愛好者がいるのです!一度は触ってみたいと思って死んで言った人が何人いることか!それをたったの金貨一枚!?そ、れ、に!このヘファイストのギルド紋、金でできてますよね?これは!ゴールドクラス!最高級の最高級の最高級の最高の武器なんです!ヘファイストギルド、マスターの方曰く
"ゴールドクラスは今までで五つしか作っていない幻の武器ですね。"と言っているんです!それにヘファイストギルドの武器自体たったの二百個しか作られていない!そんなものを金貨一枚で売るその方!ただものじゃありませんよ!普通ならというより売りません!一度ゴールドクラスが売り出された時がありました。その時は武器愛好家からすると目を光らせました。そのときの落札金額は白金貨二十枚の価値がついたんです!!そんなものを金貨一枚?あきらさんが知らなかったのも驚きですがそれ以前に売る方は頭のネジが全部抜けてますね。」

 すごい蔑まれたんだけど。というか白金貨二十枚って二百億!?そんなものをたったの金貨一枚だと?あの神何者だ?

「じゃあ…これはどうす……」
「どうするも何も大事に使うしかありませんよ!もうあきらさん、それを安易に見せたりすると本当に強魔族だけではなく人からも殺される可能性が高くなりますので、大事に使いましょう。」

 クルルさん怖!ちょっとニヤニヤした顔でその話し方!クルルさんに殺されそうだわ!
 
 その時僕はクルルさんが怖くなり少しの間話せなかった。

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