異世界は現実だ!

竹華 彗美

セフェロンで指示なのだ!

 第六章
 第115話、セフェロンで指示なのだ!


 僕等のギルドの地"セフェロン"に行くのは僕も初めてだった。土地の広さと資金額を聞いた時はかなりビックリしてした。金貨三十枚とか日本円換算だと三千万だぞ?それに土地面積なんてあの有名な千葉にあるテーマパークの園内総合面積の八倍!?成績に応じて追加報酬も出るとか、思っていたよりも規模が桁違いである。
 そこは草木が生い茂る未開の地。四季が見られる地域というのはかなり魅力的ではあった。あとちゃんと夜が一日に約三時間来るらしい。それに関してはとてもありがたい。夜などこの世界に来て一度もお目にかかっていない。流石に夜が来ないのは僕も飽きていた。やはり人間、朝昼晩がないと活き活きとして来ないらしい。
 未開の地ということもあってクルルさんは帝都から釘などを持って来ていた(正確には闇魔法の無限かばんに入れていた)。
 最初は我が家作りになりそうだと言われた。本当に一からだなあと思う。今歩く道も一応林道にはなっているが木を掻き分けていくしかない。地味に上り坂がきつい。山育ちではないのでこれはこれで体にくる。いい筋トレにはなりそうだ。
 
 帝都から北に歩くこと、四時間。林道が切れ開けたところに出る。クルルさんが言う。

「ここからがあきらさんのギルドの土地セフェロンになります!木々が生い茂り何もないこの地帯はメンメル帝国を南に、北にエルフ領カンナンベルフ、東にはギアシ六連山通称竜の住む地ドラゴンシティ、西には連合国家ハラガベドに囲まれています。私達はここにギルドを建立します。あきらさん、では作業に取り掛かりましょう。帝国の木は切ってはいけませんがここの木なら切っても良いですよ。」
「本当に家から作るんですね。それもそれで楽しいですけど。」
「はい!全てのギルドは最初から全て自分達の手で作り上げていきます。それが共通の約束なんですよ!それで団結力を深め成長するギルドも少なくありません。」
「なるほど。そういう狙いもあるのか。じゃあ僕達もやり始めましょうか?」
「「「「はい!!!!」」」」

 まずは何をすれば良いのだろうか。こんなことやったことないのでわからない。設計図とか作らなければいけないのか?僕にそんなことできないぞ?絵は下手な方だ。
とおもっているとクルルさんが指示を始める。これがすごいことにかなり的確で、やることがパッと決まって作業に移ることができた。特秘隊は元々こういう地に一番最初に来て潜入とか暗殺などを行なっているらしい。だからこういう拠点作りも慣れてるのだろう。すごいな、クルルさん。

「えっとストジネートさんとダニーさんはそちらから木を十本ずつ切ってきてください。なるべく太くもなく細くもない普通の太さの木ですね。これ、のこぎりです。カルナさんはここでこの非常食でご飯の用意を。まずは枝や乾燥した草などを組み徐々に太い枝に火を起こして下さい。水も用意してくれるとたすかります。私はあきらさんと一緒に探索を行いましょう。この地に何がいるのか、どういうところがあるのか、どういった危険性があるのか。ある程度調べて下さい。食事中に確認しあいましょう。あきらさんは空から、私は陸から見回ります。周辺だけでもいいのでなるべく細かく調べてみてください。カルナさんは食事の準備が終わり次第この笛を吹き私達を呼んでください。笛が鳴ったらここに戻ってきましょう。では行動開始です!」
「クルルさん、すごいですね。こんな指示ができるなんて。」
「まあこういう地の拠点作りは慣れているのでこういう時は頼って下さい!ではあきらさん、私たちも行きましょう。よろしくおねがいします!」
「はい!」

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品