異世界は現実だ!

竹華 彗美

爆破で試練なのだ!

 第五章
 第108話、爆発で試練なのだ!


 城下町は火の海と化す。その時ゲスい大きな笑い声が聞こえる。

「"ギャハハハハハハハ!!!"」
「まだあそこには、多くの兵士が…」
「面白いでしょ?」
「何をしたの!!!」
「そこのお姉さん?そんなに熱り立たない!キャハハ!今のは予行練習だよーん。外のお人形さんたちは自爆してもらったの!」 
「自爆…!?そんなものどうやっ……まさか!!」
「そう!私の人形の動力源は全て私の魔力によるもの!その魔力は人形が壊れれば私の魔力に返還される。それを無理矢理引っこ抜いてその魔力の摩擦力で絶大な爆発を引き起こす!それが"自爆ドールボム"複数を爆破させるのは私も時間がかかるのだけど、一つなら造作もない!」

"ドン!!!"

 僕の横のチビ人形が爆破する。僕は反応が遅れ吹き飛ばされる。

「グハ!!」
「大丈夫ですか?あきらさん!」
「ふふふ。よそ見してると〜ドンドン爆破しちゃうよ!」

"ドン!!""バン!!!"

「皆さん!人形から離れてください!」
「そんな!無理…グハ!!」
「大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫だ。それよりも早く、この場から立ち去るぞ!」

 僕たちはその場から脱出しようとする。しかしチビ人形たちは僕たちを追いかけてきて足元で、飛び上がって腰の辺で爆破してくる。僕の結界でも間に合わないほど爆破が続く。煙と炎に包まれながらもがき続ける。

"ギァー!!!"
"アーー!!!"
"来るなー!!!"
"グハッ!!!"  ……

 煙に巻かれ全く何も見えない。爆破の音のみが僕たちを支配する。叫び声はするがどこにいるのかさえわからなかった。
 そして数分後、爆発が止み煙が晴れてくる。僕は生き残れた。右足が骨折してしまっていた。とても痛い。晴れてくる煙の中何人かの影が見えた。そしてその時、アバットさんからの伝達が送られる。

"皆さん無事でしょうか?無事で歩ける方は会議室まで。歩けない方はどこか隠れられるところで待機おねがいします。カプスは会議室にはいません。どこに行ったか不明です。僕とガガさん、ダニーさんは会議室で無事です。"

 僕は近くの物影で"ヒール"を唱え歩ける程度に治す。そして会議室へと向かった。道中窓はほぼ割れ破片が散乱し、水魔法で火を消しながら歩く。天井が崩れていたり爆発によって物が散乱しているなどの被害があるところを歩く。そして会議室に着くと既に僕以外は集合していた。
 全員生きていたことは何よりだったが怪我の程度は全員酷いもので一番軽傷そうなガガさんでも腹部から血が滲み出ていた。

「大丈夫でしたか。良かったです。」
「ああ、あきらくんも生き残っていて良かったです。」
「まあ最悪な事態はまだ続いてるがの。」
「それはどういうことでしょうか?」
「窓の外を見てごらん。くる途中は気づかなかっただろうがな。これが多分最後の……」

 アバットさんがそう言っている時だった。一体の人形が姿を現し言う。それはフルカスの時に現れた女の子人形だった。今思えば少しカプスに似てなくもない。

「"よく生き残れたものだ。いや、このぐらい生き残ってもらわなければ困る。"」
「そうじゃろうのー。貴様はわしらにそこまでの深手を負わせないよう調整していた。なぜならこれからやることが本番だから。今までのはただの時間稼ぎとわしらが逃げないようにするためのもの。そうじゃろ?」
「"その通り。私の目的は最初から一つだけだ。それは貴様らが考えていることの証明にも値する。我らがなぜあの瞬間からこんなにも活発になったか。その証明だ。それに私が選ばれた。依頼者は私達の主人の中の主人!魔王様だ!!!"」
「なるほどの。考えることは皆同じと言うことか。」
「"当たり前だ。さて……かわごえあきら!!貴様を魔王の名の下に試させてもらう。貴様が敵なのか味方なのか、それとも第三勢力なのか!…だがその証明は既に叶ってる。貴様は我らの敵であり第三者でもない。だとしたら私達にどのくらいの脅威になるかわかっておかなければならない。魔王には脅威にどれくらいなるかということは命じられてはいないが今後のためだ。だからその実験と言うことだ。その方法は至って単純。外を見たな?あの大きな人形は私自身だ。私はあと三十分後爆破する。私の魔力は強大。爆発すればこの都市、いやここ一帯の砂漠を消せる。その私を止めてみろ!それが私の試練としよう。言っておくが私はそこまでやわじゃない。せいぜい頑張れよ!あきら!!!"」



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