異世界は現実だ!

竹華 彗美

小さな遺跡で猪討伐なのだ!

 第五章
 第95話、小さな遺跡で猪討伐なのだ!


 僕は帝国の外の森に出た後、フルカスと最初に会った地点から進んでいく。少しすると川が見えてきて久しぶりに羽靴を履き、川を渡る。川を渡った先にはメッタの町、スタ町などが見えてくる。スタ町から東に行けば奴隷売買事件の町につくのだが、今回はそれとは反対側。西の方に向かう。スタ町から10キロほど離れた場所に小さい遺跡があるらしい。その遺跡は昔、竜に平穏な森を維持することを願うための施設だったらしい。その話は本当かどうかわからないらしいがそういう言い伝えだそうだ。今では何もなくただ建っているだけでそこにこの頃危険な猪が住み着いてしまっているらしい。その討伐となる。
 森は生き物がたくさんいて猿や小さなネズミなどが闊歩する。木には鳥が鳴いており、虫が木の中や土の中に入っていく。時々トラの鳴き声が聞こえたりするが問題ない。その時はトラを召喚すればいいのだから。方位磁針を頼りにしながら進んでいく。方位磁針かなり使える。これなら方角教えてもらえれば辿り着ける。そして少しするともう遺跡が見えてきた。称号のおかげでやはりすばやさが速くなっているらしい。
 遺跡はかなり苔や蔓に覆われていて入ることは困難である。いつでも戦闘に入れるように、また蔓を切りながら進むためアイスレイピアのみ用意しておく。アイスレイピアは通常魔法の剣のは違い切れ味も抜群、強度も違う。レイピアは通常切ることには向かないのだがなにせ氷なのでスパスパ切れる。突くと鉄でも穴が空くほどのものだ。魔法って本当に夢があると思う。
 遺跡はそこまで大きくはないが地下まで続いているためかなり広く感じる。地下は暗く"ライト"を発動させながら進む。"ライト"をつけながらだと地上と同じくらいになる。そして地下を全て探索し終え地上に戻ろうとした時、ヤツは姿を現した。地下と地上は石の階段でつながっているのだがその階段の上にヤツが見えた。ヤツはまだこちらに気づいている気配はなく見回りに来たらしい。僕は地下では戦いにくいと思ったためあらかじめ遺跡の外につけといたゲートに移動しその場所へと戻る。ヤツはまだそこにいて何かを睨みつけていた。僕はその睨んでいる場所を見てみると小さなネズミがそこにはいた。
 僕はネズミが食べられてしまうと思ったため猪の後ろに立ち"ファイヤードラゴン"を発動させる。遺跡燃えるんじゃ、と思ったが出してしまったものはしょうがない。猪はそれに気づくと逃げようとしたが、もう遅い。丸焦げになって死んだ。

 その後5体全部の討伐が終わったため、ゲートで帝都に帰る。そこまで強くはなかったがカルナさんには賞賛されてしまった。それに早くも"ファイヤードラゴン"はレベル3、報酬金も銀貨四十枚をもらう。今回は色々できたな。そう思い、就寝した。

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