異世界は現実だ!

竹華 彗美

実戦訓練②で中級魔法なのだ!

 第五章
 第91話、実戦訓練②で中級魔法なのだ!


 精鋭兵たちの攻撃は一時止み僕から仕掛けるような空気になった。今回の僕としての目的はレベルを上げること、剣の技術の向上、新しい魔法の習得、称号の獲得。まあ称号の獲得は百パーセント達成されることはない。だったらいいなーというくらいだ。他の三つはやりたい。こんな経験をさせてもらっているのだ。ぜひ使って見たいと思った。

「今度は僕から行きますよ?今まで剣ばかりだったから魔法使わせてもらいます。」

 そういうと僕は精鋭兵が構え直したのを見計らって"ライト"を発動させる。あまりの眩しさに外野兵は目を瞑る。こういう魔法は発動者に耐性がついているのかと思っていたがそんなことはなくかなり眩しい。が、僕は結界があるので"魔法異常無効化"の結界を顔に覆うことで問題なく前が見える。
 奥を見てみるとまだ光り輝く"ライト"に目を細めこちらを見る精鋭兵が見える。後衛部隊は攻撃しようとするが前が見えずどこにいるのかわからない状況だった。
 僕は次に新しい魔法を使った。それはエレメンタル系が使いこなせれば少し楽に使いこなせるようになるという中級魔法。

"ファイヤードラゴン"!

 それを発動すると魔力がエレメンタルの時よりも多く抜けていくのが実感できた。そして前には2階建ての家ぐらいのドラゴンが顕在した。一応僕が作り出した形のドラゴンなので指揮はとれるのだが、あまりこれを使いすぎるとこの稽古場が燃えそうで怖い。そうは思ったものの動かしてみることにした。
 "ライト"は一応消し、精鋭兵が目を開けた時に合わせて動かそうとした時、

"ギーーーーーン"!!!!!!!!!

 帝宮中に聞こえようというぐらいの雄叫びをドラゴンがあげた。その声に反応し外野兵も身を見開く。僕もその雄叫びには少し驚いた。精鋭兵も驚いたようで剣を強く構え直していた。

「ファイヤードラゴン!精鋭兵を攻撃しろ!」

 そう僕が指示するとドラゴンは走り始め攻撃し始めた。精鋭兵の前衛は必死になって攻撃を受け止め、後衛は水属性魔法中心に打ち込む。しかし水属性魔法の初級魔法では敵わず中級魔法を使おうとしていた。僕的にもどこまでこれが通用するのか見てみたかったため何もしなかった。水魔法の中級魔法は効いているような感じがした。幾度か悲鳴を上げていた。そして溶岩魔法を使うと溶岩は火を飲み尽くしドラゴンは消えた。
 進化魔法には勝てないということだ。水属性中級魔法はもう少し威力が高ければいいのだろうが難しいんだな。
 そう思っていると補助班が回復魔法をかけ回復する。補助班思いっきり忘れてたけどあんなはじで回復とかしてたんだな。
 回復が終わるとまた剣をぐっと構える。僕は次に"ウォーターアロー"を使ってみる。ゲームとかだとアロー系よりジャベリン系の方が強いイメージがあったがこの世界では逆みたいだ。アロー系は中級魔法。魔法書の通りだと
"ジャベリンよりも殺傷能力に長け、単数攻撃と見せかけての複数攻撃になる部分が非常に興味深い。"らしいです。
 単数攻撃と見せかけての複数の意味がよくわからないので試そうと思った。一属性使っとけばどんな感じかもわかり使う時にコツなどを掴めるからだ。
 僕は精鋭兵が構え直した時発動する。

"ウォーターアロー"!

 そう言うと左手に何やら弓のようなものが現れ水の矢が出現する。弓引っ張れってことか?僕弓道の経験なんてないぞ?そう思ったが其れっぽく構えるとなんとなくだができてしまうものだ。右手で矢を放つと水の矢がものすごい勢いで飛んでいく。いくら水でもあれ当たったら穴あくんじゃね?レベルだった。そのまま一秒もせず僕と精鋭兵の離れた二百メートルの長さを行った。その矢を反応したのは指揮官。全員に撤退を命じるが時すでに遅く前衛の剣に当たる前。そして当たった次の瞬間、水は複数の方向に分裂し精鋭隊の全員を襲う。それを見兼ねた軍隊長は危険だと判断したのかわずか一瞬のうちに結界を作り出し水を防ぐ。
 外野兵は一瞬すぎる出来事についていけておらずはてなマークだった。

「試合はあきら様の勝利。」

 この軍隊長の言葉の後外野兵から聞こえた声は

「あーやっぱダメだな。」
「そりゃそうだろ。貴族様の力建てのおかげで一応は精鋭兵とか言われてるおぼっちゃま軍団なんだからよ。」
「だなー。実際のところあいつらよりも強い平民出身の兵だって何人もいるんだし。」
「そう思えばストジネートさんは凄いよな。」
「まあな。ぶっちゃけ俺はこの国の中でストジネートさんが一番強いと思ってるけどな。ガガ様は特別だけど。」
「そういえばストジネートさん。今戦ってたあきら様のギルドに配属になったらしいぞ。」
「うわーそれってもしかして」
「あーそのもしかしてだ。」
「貴族が気に入らない奴は全員他の地方やギルドに派遣されてしまうっていうあれだ。」
「そんなことやってるからあの魔族戦の時も俺たちは怯えて動けなかったんだよ。貴族が動かしてるようなものだぜ。」
「あーつまんないの。」

 そういうことなのか?なるほど。





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