異世界は現実だ!
森の主で二百通りの計画なのだ!
第四章
第74話、森の主で二百通りの計画なのだ!
「あきら様、本当にすごいお方ですね。獰猛なトラをこんなにも長く召喚し続けられるなんて!」
「ええ。エルフの魔力でもこんなに長い間召喚し続けられるのはなかなか難しいですよ。それも4体も!」
そうストジネートさんとクルルさんは道中話していた。何体かペンガルドラに遭遇したが僕たちが同族に乗っている姿を見ると退散していった。カルナさんはというと最初はクルルさんたちと話していたが少しずつ元気がなくなり今は話していない。多分酔っているのだと思う。帝都で乗った馬車と比べると揺れが大きい。ぼくも乗り物酔いには耐性がついていると思っていたがトラの揺れには勝てず少し具合悪かった。
帝都を出発してから二時間は経っただろうか。川を目印として北東に進む。進むにつれて森は深くなり太陽が地に届かなくなってきた。時々上を見ると鳥が飛んでいたり小動物が木を登っていたりした。そしてしばらく歩いているとクルルさんが突然こちらを向き僕とカルナさんに告げた。(カルナさんはほとんどダウン状態だった)
「ここから先は少し危険地帯になります。目的の町まではもう少しですがここを抜けないと辿り着けませんのでご承知を。」
「はい。わかりました。」
そういうとカルナさんは僕たちの後ろに回りストジネートさんはそのまま前を進んで行く。警戒してくれているのだろう。
忠告からしばらくすると突然ストジネートさんが剣を抜き前に構える。それを見たクルルさんも周囲をより警戒し始めた。トラ達も警戒しているような怯えているような様子だった。
「あきら様、あなたの実力は存じ上げていますがヤツに遭遇した時は戦わず撤退します。理由はここの森の主であるヤツはここにいる動物達の統率者でもあります。ヤツがいなくなると森の均衡は失われメンメル帝国にも被害が及びます。なのでその点はご理解を。」
そうストジネートさんが言うと真正面からうなり声のようなものが聞こえた。
"ガルルルルルルル!!!"
カルナさんもダウン状態だったがその唸り声を聞くと頭を上げ正面を見た。その時だった。正面の森からとてつもない速さで走る物体がこちらに近づいてきた。ストジネートさんはトラから飛び降り地に足をしっかりつけ両手剣を構える。そして
"ガキーン!!!!"
ストジネートさんの剣には大きなツノが押し止められておりストジネートさんの前を見ると大きな物体が姿を現した。クロサイのようなツノを持ち外見とすればヒョウが大きくなった感じ。高さは三メートルぐらいか。トラ達はかなり怯えており今にも逃げ出したそうだった。ストジネートさんが言う。
「撤退します。私が引きつけますのでその隙に!」
「ストジネートさんは?」
「すぐに追いつきます!速くお逃げになってください!」
そう言われるとクルルさんは僕に速くトラ達に逃げるように言ってくださいと言われストジネートさんを残しその場を後にした。
ーしばらくトラを走らせるとクルルさんが止まるように指示したのでトラ達にも伝えた。
「ストジネートさんは大丈夫でしょうか?」
「はい。大丈夫です。私達秘密部隊は非常時の場合でも動ける様に事前に二百以上の予定を考えます。こうなることも予想済みだったのでストジネートさんにはこの後の計画も伝えておきました。私達はこのまま目的の町に行きます。ストジネートさんは適当にヤツを引き離した後目的地まで直行。その後検問所前の橋で私達と合流します。おそらくストジネートさんの方が先に着くと思います。彼も一応は軍の隊長を任せられる方、今まであまり歩きませんでしたし疲労も溜まっていないことから余裕で私達よりも先に着くでしょう。このトラ達の速度ならあと一時間半ほどで到着します。ゆっくり安全に向かいましょう。」
「はい、わかりました。……それにしても二百以上ってすごいですね。」
「いやいや普通のことです。私より凄い方など三十分で五百通り以上も立てられる方もいますから、私などまだまだです。
おいおい凄いな。朝やってたの二百通り考えてたってこと!?改めて彼女も凄い人物だと自覚したのだった。
第74話、森の主で二百通りの計画なのだ!
「あきら様、本当にすごいお方ですね。獰猛なトラをこんなにも長く召喚し続けられるなんて!」
「ええ。エルフの魔力でもこんなに長い間召喚し続けられるのはなかなか難しいですよ。それも4体も!」
そうストジネートさんとクルルさんは道中話していた。何体かペンガルドラに遭遇したが僕たちが同族に乗っている姿を見ると退散していった。カルナさんはというと最初はクルルさんたちと話していたが少しずつ元気がなくなり今は話していない。多分酔っているのだと思う。帝都で乗った馬車と比べると揺れが大きい。ぼくも乗り物酔いには耐性がついていると思っていたがトラの揺れには勝てず少し具合悪かった。
帝都を出発してから二時間は経っただろうか。川を目印として北東に進む。進むにつれて森は深くなり太陽が地に届かなくなってきた。時々上を見ると鳥が飛んでいたり小動物が木を登っていたりした。そしてしばらく歩いているとクルルさんが突然こちらを向き僕とカルナさんに告げた。(カルナさんはほとんどダウン状態だった)
「ここから先は少し危険地帯になります。目的の町まではもう少しですがここを抜けないと辿り着けませんのでご承知を。」
「はい。わかりました。」
そういうとカルナさんは僕たちの後ろに回りストジネートさんはそのまま前を進んで行く。警戒してくれているのだろう。
忠告からしばらくすると突然ストジネートさんが剣を抜き前に構える。それを見たクルルさんも周囲をより警戒し始めた。トラ達も警戒しているような怯えているような様子だった。
「あきら様、あなたの実力は存じ上げていますがヤツに遭遇した時は戦わず撤退します。理由はここの森の主であるヤツはここにいる動物達の統率者でもあります。ヤツがいなくなると森の均衡は失われメンメル帝国にも被害が及びます。なのでその点はご理解を。」
そうストジネートさんが言うと真正面からうなり声のようなものが聞こえた。
"ガルルルルルルル!!!"
カルナさんもダウン状態だったがその唸り声を聞くと頭を上げ正面を見た。その時だった。正面の森からとてつもない速さで走る物体がこちらに近づいてきた。ストジネートさんはトラから飛び降り地に足をしっかりつけ両手剣を構える。そして
"ガキーン!!!!"
ストジネートさんの剣には大きなツノが押し止められておりストジネートさんの前を見ると大きな物体が姿を現した。クロサイのようなツノを持ち外見とすればヒョウが大きくなった感じ。高さは三メートルぐらいか。トラ達はかなり怯えており今にも逃げ出したそうだった。ストジネートさんが言う。
「撤退します。私が引きつけますのでその隙に!」
「ストジネートさんは?」
「すぐに追いつきます!速くお逃げになってください!」
そう言われるとクルルさんは僕に速くトラ達に逃げるように言ってくださいと言われストジネートさんを残しその場を後にした。
ーしばらくトラを走らせるとクルルさんが止まるように指示したのでトラ達にも伝えた。
「ストジネートさんは大丈夫でしょうか?」
「はい。大丈夫です。私達秘密部隊は非常時の場合でも動ける様に事前に二百以上の予定を考えます。こうなることも予想済みだったのでストジネートさんにはこの後の計画も伝えておきました。私達はこのまま目的の町に行きます。ストジネートさんは適当にヤツを引き離した後目的地まで直行。その後検問所前の橋で私達と合流します。おそらくストジネートさんの方が先に着くと思います。彼も一応は軍の隊長を任せられる方、今まであまり歩きませんでしたし疲労も溜まっていないことから余裕で私達よりも先に着くでしょう。このトラ達の速度ならあと一時間半ほどで到着します。ゆっくり安全に向かいましょう。」
「はい、わかりました。……それにしても二百以上ってすごいですね。」
「いやいや普通のことです。私より凄い方など三十分で五百通り以上も立てられる方もいますから、私などまだまだです。
おいおい凄いな。朝やってたの二百通り考えてたってこと!?改めて彼女も凄い人物だと自覚したのだった。
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