異世界は現実だ!
泣かれて記憶消去魔法?なのだ!
第四章
第68話、泣かれて記憶消去魔法?なのだ!
プロフィール画面を見ながらダラダラと過ごしていると十一日間も寝ぱなしだったのにもかかわらず、眠くなってうとうとしていた。眠りにつくという瞬間、検問所のドアが勢いよく開き安堵の声が聞こえた。
「よかった!」
そう言うと彼女は僕に向かって飛びつき嬉し涙を浮かべた。
「あきらさん!心配しましたよ!一〇日以上も目を覚ましてくれずもう戻ってこないのかと。」
「ご心配おかけしました。もうすっかり元気です。カルナさん。看病ありがとうございました。」
「あきらさんまで還ってこなかったら私は…私は……。」
「カルナさん、僕は今この場に生きています。それでいいのではありませんか?」
「でも…私はあの時あきらさんを一人で……。パーティリーダー失格ですよね。」
「いや、そんなことはありませんよ。カルナさんは看病してくださったのでしょう立派なリーダーですよ。」
僕がそう言うとますます大粒の涙を流した。僕はしばらくの間黙り込み泣き止むのを待った。
泣き止んだ後しばらく沈黙が続いたが話し始めた。
「カルナさん、他のみんなは?」
「アドメラさんとメリダルさんはまだ寝ています。バリルさんは治療してもらったのですが、ここに来た時にはもう昏睡状態で……。」
「そうですか。」
カルナさんはまた涙が出そうになった。話題間違えたなと思い、フォローする。
「バリルさんのことならリーダーだけの責任ではない。カルナさんが悲しんでたら、ほら、天国に行かれたバリルさんも、悲しみますよ。」
そう言うとカルナさんは涙を手で拭い涙目ではあるがコクンと頷いた。
「バリルさんのギルドの方には明日にでも報告しに行きましょう。みんなで……。」
そう言うとカルナさんは僕の方に顔を向けて話し始めた。
「バリルさんのことならギルドの皆さんには私が行きました。」
「え!?」
「でも……。あの人たち……」
「あの人たち、何ですか?」
「私は"ファミリー"のギルドの方に間違いなく会ってきたんです。でもギルド拠点になっていた場所には何もありませんでした。"ファミリー"ギルドのギルドホームはかなり大きいはずなのですが綺麗さっぱり無くなっていました。そして何とか副ギルドリーダーの方に会えたのですがバリルさんのことを伝えると首を傾げてこう言ったんです。"誰ですか?その人は?僕の家族にも友人にもそんな人いませんが何かの間違いではありませんか?"と。私は耳を疑いました。他のメンバーも見つけてみるも同じ返答でした。ギルド登録所にも行ってみましたが"ファミリー"と言うギルドは過去にも今にも存在しませんでした。」
「それはどういう?」
「あきらさんはバリルさんのこと覚えていますか?」
「え?それは勿論、覚えて……」
覚えているといいかけた瞬間僕の頭にはバリルさんの姿は見えなかった。バリルさんと言う人物は確実にいたのに思い出そうとしてもどんな顔だったのか、身長はどれくらいだったのか、男だったのか、女だったのか……何も覚えてない。カルナさんが話し始める。
「あきらさんもそうですか。実は私もアドメラさんもメリダルさんもどんな姿をしていたかわからないんです。バリルさんの死体は治療不可能になった時、土に埋めてしまったので確認することもできません。アバットさんやガガさんにはもう覚えていなかった。このことから恐らくバリルさんはこの世から消去されつつあると言うことでしょう。」
「そんなこと!?」
「ないとは言えません。高位の魔法でこのようなことができるものもあると聞いたことがあります。」
そんなこともできるのか。と僕は背筋が凍ったようになっていた。
第68話、泣かれて記憶消去魔法?なのだ!
プロフィール画面を見ながらダラダラと過ごしていると十一日間も寝ぱなしだったのにもかかわらず、眠くなってうとうとしていた。眠りにつくという瞬間、検問所のドアが勢いよく開き安堵の声が聞こえた。
「よかった!」
そう言うと彼女は僕に向かって飛びつき嬉し涙を浮かべた。
「あきらさん!心配しましたよ!一〇日以上も目を覚ましてくれずもう戻ってこないのかと。」
「ご心配おかけしました。もうすっかり元気です。カルナさん。看病ありがとうございました。」
「あきらさんまで還ってこなかったら私は…私は……。」
「カルナさん、僕は今この場に生きています。それでいいのではありませんか?」
「でも…私はあの時あきらさんを一人で……。パーティリーダー失格ですよね。」
「いや、そんなことはありませんよ。カルナさんは看病してくださったのでしょう立派なリーダーですよ。」
僕がそう言うとますます大粒の涙を流した。僕はしばらくの間黙り込み泣き止むのを待った。
泣き止んだ後しばらく沈黙が続いたが話し始めた。
「カルナさん、他のみんなは?」
「アドメラさんとメリダルさんはまだ寝ています。バリルさんは治療してもらったのですが、ここに来た時にはもう昏睡状態で……。」
「そうですか。」
カルナさんはまた涙が出そうになった。話題間違えたなと思い、フォローする。
「バリルさんのことならリーダーだけの責任ではない。カルナさんが悲しんでたら、ほら、天国に行かれたバリルさんも、悲しみますよ。」
そう言うとカルナさんは涙を手で拭い涙目ではあるがコクンと頷いた。
「バリルさんのギルドの方には明日にでも報告しに行きましょう。みんなで……。」
そう言うとカルナさんは僕の方に顔を向けて話し始めた。
「バリルさんのことならギルドの皆さんには私が行きました。」
「え!?」
「でも……。あの人たち……」
「あの人たち、何ですか?」
「私は"ファミリー"のギルドの方に間違いなく会ってきたんです。でもギルド拠点になっていた場所には何もありませんでした。"ファミリー"ギルドのギルドホームはかなり大きいはずなのですが綺麗さっぱり無くなっていました。そして何とか副ギルドリーダーの方に会えたのですがバリルさんのことを伝えると首を傾げてこう言ったんです。"誰ですか?その人は?僕の家族にも友人にもそんな人いませんが何かの間違いではありませんか?"と。私は耳を疑いました。他のメンバーも見つけてみるも同じ返答でした。ギルド登録所にも行ってみましたが"ファミリー"と言うギルドは過去にも今にも存在しませんでした。」
「それはどういう?」
「あきらさんはバリルさんのこと覚えていますか?」
「え?それは勿論、覚えて……」
覚えているといいかけた瞬間僕の頭にはバリルさんの姿は見えなかった。バリルさんと言う人物は確実にいたのに思い出そうとしてもどんな顔だったのか、身長はどれくらいだったのか、男だったのか、女だったのか……何も覚えてない。カルナさんが話し始める。
「あきらさんもそうですか。実は私もアドメラさんもメリダルさんもどんな姿をしていたかわからないんです。バリルさんの死体は治療不可能になった時、土に埋めてしまったので確認することもできません。アバットさんやガガさんにはもう覚えていなかった。このことから恐らくバリルさんはこの世から消去されつつあると言うことでしょう。」
「そんなこと!?」
「ないとは言えません。高位の魔法でこのようなことができるものもあると聞いたことがあります。」
そんなこともできるのか。と僕は背筋が凍ったようになっていた。
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