異世界は現実だ!

竹華 彗美

探索しながらたくさん召喚なのだ!

 第3章
 第58話、探索しながらたくさん召喚なのだ!


 検問所に着くやいなやカルナさんは軍選抜隊の方に挨拶をしに行き今回の作戦の簡単な説明をしていた。説明し終わると僕らの方に戻ってきた。

「皆さん。今日は検問所での待機ということになっていますが、ただいさせてもらうのもなんなのでフルカスが襲撃してくるまで検問所兵の皆さんと検問のお手伝い・2名、あと残りのメンバーは周囲の探索を行います。やる意味は襲撃まで暇というのもありますが五人で固まって動いてたら、もしここで襲撃が起きなかった時に戦うことができなくなって街に入られる可能性が高くなります。もしかしたら抜け道を作っているとか結界の一部が弱くなっていてそこから入られた、とかいくらでも最悪な想定は考えられます。そういう時のため一人一人が別行動をします。では組み分けですが検問の手伝いはバリルさんとアドメラさんよろしくお願いします。周囲の探索は外と中で行います。中は帝都軍の方も数人手伝ってくれるのでメルダルさんがいいでしょう。外の見回りは私とあきらさんでやります。フルカスが現れた際は一人ずつに発光弾を渡しますので空中に撃ってメンバーに知らせて下さい。一、二人でフルカスと遭遇してしまっても冷静に他のメンバーが揃うまで極力戦闘は避けて下さい。発光弾が上がったら他のメンバーは全力で駆けつけて下さい。そこからは作戦通りです。いいですか?」
「「「「わかりました!、わかった!」」」」

 四人は大きな声で同時に了承した。
 そうして作戦が始まったのである。僕とカルナさんは外の見回り。カルナさんは検問所から出て右を探索、左を探索することになった。カルナさんからは僕が召喚術を使ってゴブリンたちに一緒に見回りさせてもいいかと聞いたが魔力はまだ使うなと念を押された。でもね〜。僕、ゴブリンとオークは魔力消費なしで50体ずつ召喚できちゃうんだよな〜。
 そして最近わかったことだが僕の召喚したモンスターとなら情報の共有ができるのだ。どういうことかというとゴブリンやオークにこういう情報を見つけて来いなどと命令すると見つけたゴブリンが念話みたいなもので見たものや聞いたものを共有することができるのだ。なのでゴブリンやオーク一体一体が僕の耳となり目となるわけだ。
 なのでカルナさんから少し遠ざかったところで召喚術を発動させ、ゴブリンとオークを50体ずつ=100体魔力なしで召喚させ、槍を持った年寄りがいたら教えるようにあとはカルナさんに見つかると色々めんどくさいことになりそうなのでカルナさんを頭に思い浮かべてゴブリンたちに"この女性に会わないように"を付け加えた。
 そうしてゴブリンたちを放ったあと僕も探索を始めた。歩いている間にプロフィールを見てみる。もちろんしっかりと見ながらだが。パーティーに参加して模擬戦などもやったし称号も増えていることだろうという希望を持ちつつ開く。

 ペンガルドラマスター ペンガルドラ5体までの
                 魔力消費なし召喚
 探索者入門者 視力、聴力、嗅覚低アップ
 人探し 視力、聴力アップ
 パーティーの一員 連携能力アップ
 尊敬者 精神力アップ
 エンチャンター入門者 精神魔法、援助魔法
                    効果アップ
 
 以上六つが追加されていた。プラスして職業には探索者レベル1が追加されていた。そして郵便配達員の職業はレベル2になっていた。称号もかなりの数になった。ペンガルドラマスターの称号の効果はもう早速使った。5体召喚し、さっきゴブリンたちに命令した内容を言い探索させに行った。探索者入門者、人探しの称号効果である視力アップ、聴力アップ、嗅覚アップは言われてみれば確かに視界や聞こえてくる音が鮮明になった気がする。だけどこれは些細なものだから見なければ気づかなかっただろう。パーティーの一員はまだわからないな。尊敬者は多分精神魔法耐性だろう。エンチャンター入門者。これはなかなか実践でこれから使えるな。ーと歩きながら考察していた。
 探索し始めてから小一時間経つがまだどこからも報告は上がってない。まあ来ないに越したことはないのだが。それでも来るならば僕の方には来てほしくないな〜などと思いながら探索を続ける。

 
 
 
 
 

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