異世界は現実だ!

竹華 彗美

騙されて再会なのだ!

 第3章
 第53話、騙されて再会なのだ!


 散策を始めて3分後、この状況は何だ?

「あなたがかの有名な軍大将に認められた冒険者さんですよね!わたしのギルドに是非是非来てください!」
「いや俺っちのギルドの方が楽しいですよ!冒険者ギルド世界一を目指してます!一緒に頑張ろうっす!」
「俺のギルドは男限定だ!今ならギルド入隊無料!みんなで歓迎するぜ!」
「わたしのギルドこそ世界一!入らないと損!」
「アチシのギルドに入って♡今ならわたし直伝にもういろんなことしてあげるから♡」

 なにこの勧誘祭り!最後のやつはさておき、道の真ん中で僕は何十人ものギルド?勧誘を受けていた。入国した時もそうだったがなんだこれ!?まとわりついてきて全く身動きができない。ちょっと、

「待ってください!!」

 僕は大きな声で言ってしまっていた。勧誘の声は静まり、歩いていた人も僕の声に足を止め僕を見てくる。恥ずかしい!がその前に。

「僕はただこの帝都には手紙の配達をお願いされて来ただけなんです。それに門を抜けた時もそうでしたがなんなんですかこの状態は!確かに僕はガガさんに紋章を預かりましたがまだよく自分の中で整理できてないんです。それにギルドとはなんなのでしょうか?僕は田舎町の出身なのでそんなこと言われてもわかりません!どうぞ、お引き取り下さい。」

 そう言っていると何人かの兵士が騒ぎを嗅ぎつけやってきたようだった。

「お前たち、限度を超えたギルド勧誘はやめ給え!これ以上他人に迷惑になる勧誘を行うものはギルドの停止処分を儲けさせてもらう!早く撤収せよ!」

 そう兵士が忠告すると 僕にまとわりついていた人々は離れた。そして兵士はその場でこう言った。

「度重なる失礼申し訳ない。一度近くの兵士駐屯所まで来てはいただけませんか?」
「はあ。わかりました。」

 僕はメインストリートを少し歩き、路地に入った後かなり奥に行った寂れた建物の中に入った。こんなところに駐屯所あっても来る人いるのかと疑問になった。そこにはローブを被った一人の女性が座っていた。あの女性もしかして……。それに加えて何人かの男たちもいる。すると僕と一緒に来た兵士がニタニタしながらこう言った。

「姉さん!見事捕まえられました、あきらというものです!」
「は!?どういう…」
「ありがとうございます。」
「はい、このぐらいたやすいことです。」
「では少し外でお待ちください。もしこの人が逃げた時にまた捕まえてくるのまでがあなた方の仕事内容ですからね。それにこの人と極秘の話があるのです。話が終わればしっかり報酬金を渡しに参りますので。」
「わかりました。ではまた後で。」

 男たちは外に出て行った。僕は最初に話を始めた。

「あなたどういうおつもりですか?」
「いや。どうということはありません。お久しぶりですね。かわごえ あきらさん。」
「やはりあなたはあの時の?」
「ええ。あなたが思い浮かべている場所で会った者です。」

 というと彼女は魔法を発動させた。"サイレント"

「今のは?」
「あまり警戒しないでください。今のは生活魔法の一つですよ。この魔法は自分と対象者に使うことで私たちの声は私たち以外の人には聞こえなくなるという魔法です。すなわち、外にいる方々がドアに耳を傾けて盗聴されていたとしてももう私たちの会話は聞こえなくなっているのです。」
「なるほど。まあそれはいいとして、なぜ僕をこんな方法で捕まえたのですか?」
「ああ。どのような方法でも良かったのですが一番効率的且つ早く会えるという点でです。」
「うん、なるほど。色々聞きたいことはあるのですがとりあえずはいいです。とりあえずあなたの名前を聞いていいでしょうか?」
「あ、そういえば言っておりませんでしたね。私の名前はカルナと申します。よろしくお願いします。」

 そう初恋をした綺麗な女性は突然僕の前に強引ながらも現れた。

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