異世界は現実だ!

竹華 彗美

現状把握して異世界なのだ!

 第一章
 
 第2話


「なにこれ?」

 僕の頭はクエスチョンマークで埋め尽くされていた。僕はさっきまでのことを振り返る。

「さっきはインターネットカフェにいたよね、で自殺サイトにアクセスしたよね、で登録ボタン押したよね、でこの状態だよね。」

 僕は頭で整理していく……わからない。なにこれ?夢?
 夢だと思ってほっぺを思いっきりつねった。だが全く覚める気配がない。そしてあることに気づいた。

「傷がない!頭も痛くない、手足もしびれてない!」

 回復していた。体中の傷が見事に消えていた。こんな短時間……いや夢なら消えててもいいか。

「でもこの夢、妙に現実感あるんだよなぁ。匂い、乾いた空気、砂の熱さ、ジリジリと照りつく太陽。」

 もしかして!もう死んだのか?登録ボタン押して死ねると思ってスゥッと。衰弱死とか。でもこれ天国じゃないよな。今まであんな思いして地獄とか僕ついてなさすぎじゃないか?
 ーしかし僕はしばらく経ち、ある答えにたどり着いた。

「……これって異世界というものじゃないよな?」

 よく小学生の時に見ていたアニメにあった。地球から出て全く異次元の世界で最強を目指したり、ハーレムになったりする物語を。

「でもこんな格好ですよ?そんなことってあります?」

 そう。僕は、破れた白いTシャツに一時期流行ったズタボロジーンズ?(膝の部分が破れているジーンズ)とは程遠いがあんなデザインのジャージ一枚だけだ。異世界に来た奴らってもっといい武器とか装備とか持ってなかった?
 あ、そういえば異世界に来た奴らは指を顔の前に滑らせて自分のプロフィールとか見てたよな?
 僕は自分の顔の前で右手の人差し指を左から右にスライドさせてみた。すると、

「出た」

 顔の前に自分のプロフィール、そしてバッグなどの画面が出てきた。

「で、これが僕のプロフィール?……ん?……嘘だろ?」

 僕はそれをみて思わず吹き出してしまった。

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