女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが
44話 あの子に会いに
俺はドアの前で泣き崩れた。
なんで、あいつが。
もう、会えないと思っていたのに。
なんで、どうしてーーー
俺は少しの間、動けなかった。
「・・・行く、か。」
俺はある決心をし、昇降口に向かった。
誰もいなくなった廊下に、タン、タンと俺の足音が響く。
外ではほかの部活がまだやっているが、今日はやけに静かに感じた。
「大和!遅かったじゃん。」
昇降口につくと、理子がご立腹だった。
「ごめん、ちょっと・・・な。」
「やっぱ私も手伝ったほうが良かったね」
「いや・・・うん、そう、だな。」
どうしても、言葉が詰まり詰まりになってしまう。
「・・・?どうしたの、大和?なんかあった?」
気づかれたか・・・。
俺は嘘の否定をしようと顔を上げた。
「いや、なにも。」
「嘘つき。目が赤くなってる」
「・・・。」
「何があったの?・・・私に言えないことなの?」
「いや・・・その・・・。」
言うべきか、言わないべきか。俺は悩んでしまった。その間が、さらに理子を怒らせた。
「教えて!!」
・・・仕方がない。
「・・・帰りによりたい所があるんだが・・・いいか?」
「何?はぐらかすつもり?」
「・・・そこに行けば、嫌でも分かるからさ。な?」
理子は少し考え、そして
「・・・わかった。」
ムスッとした顔でそういった。
「ねぇ、もうすぐ家だけど?」
「あぁ、そうだな。」
「やっぱりはぐらかそうと・・・」
「こっちなんだよ、用があるのは。」
「ふぅん・・・。」
理子はまだ怒っている。ま、当然か・・・。
俺たちは家の前を通り過ぎ、1つ目の塀で曲がって、そこで止まった。
「・・・ここ?」
「・・・あぁ。覚えてるか?」
「忘れるわけないじゃん・・・。」
「・・・だよな。」
そこは、今は空き地となっている場所。
ここには、元々は1つの家があった。
・・・でも。
その時だった。
俺たちを取り囲む冬の空気が、さらに寒くなった。
俺はとっさに横を向いた。すると
すぐそこに、一人の少女が立っていた。
「・・・やっぱ、ここにいたんだな・・・美由紀」
美由紀はにっこりと微笑んだ。
「え・・・みゆ、ちゃん・・・。」
理子が震えている。どうやら、理子にも見えているらしい。
・・・ヒサシブリダネ、リコチャン。
美由紀はニコッとしていった。
・・・なんだ、喋れるじゃん。
「・・・よう、美由紀。・・・ずっと、待っててくれたのか?」
俺は問いかけた。
ウン。サッキブリダネ。ヤマト・・・。
美由紀は、さっき以上の笑顔で、俺を見た。
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