女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが
36話 転機となった文化祭 その1
11月30日。文化祭当日。
俺たちは、いつもより30分早く学校に向かっていた。
「いや~きのうはあんま寝れなかったよ~楽しみでさ。」
それに関しては同感だ。俺も寝れなかった。
「どうなっかな。うまい方に転がってくれるといいが・・・」
俺たちのクラスは決まるのが遅く、ろくに練習できていない。衣装だって、2日前に出来たばかりだ。
俺のクラスは、やるときにはやりすぎなくらいやるタイプで、衣装に関しても、とてもこだわっていた。メークも必要だとかで、女子2人が一所懸命メークの勉強をしていた。
「大丈夫だよきっと!みんな頑張ってたし!」
「そうだな。」
と、おれが頷いたとき、
「おーい、2人とも!」
と声がした。
横を見ると、聖菜がいた。
「おう、聖菜。」
「おはよ!」
「うん、おはよ!いよいよだね。」
「あぁ」
「楽しみだね。」
「上手くいくといいなぁ。目指すは、入場者数1位だよ!」
「はは、元気だな。」
「私にはもう、聖菜みたいに騒げる元気はないよ~」
「騒がなきゃダメだよ!一年に一度の文化祭なんだよ!?」
「2日間あるけどな」
「だから、もっと元気にやらなきゃ!」
あ、俺の話は無視ですか、そうですか。
「「ほら行こっ!」」
「ちょ、毎度の事ながら腕を引っ張るな!痛いから!マジでシャレにならんから!」
遠回しに、2人の力が強すぎると言うことを訴えたのだが、全く聞いちゃいなかった。
「・・・っと、こんなもんだろう。」
クラスでのリハを終え、俺はおかしな所がないか点検をしていた。
そして、大丈夫なことを確認し、教室でくつろいでいた。(周りのセットが怖すぎて、全くくつろげなかったが。)
他の奴らも教室へ戻ってきて、しばらくすると音声が流れてきた。
『これより、花咲祭が始まります。みなさん、楽しみましょう。』
さて、文化祭のはじまりだ。気合い入れて驚かそう。
最初の方はよかった。うん、最初は。
俺はゾンビ役で、メークがしてくれたリアルメイク(ただし、美男子にされた)のおかげで、「きゃあぁぁ!」だの、「ぎゃあぁぁ!」だの騒いでいた。
のだが。メイク技術が高すぎるせいで、美男子にされたため、いつの間にか女性の「きゃあぁぁ!」が、「きゃあぁぁ♡」に変わっていたし、男の「ぎゃあぁぁ!」は、「ちっ」に変わっていた。
俺が出るのは午前中だけだったため、まだよかったのだが、おどかすために出たのに、カメラを向けられた時はびっくりした。(なお、メークの2人には、あとで謝られた。)
午後は、俺と理子と聖菜の3人で色々回った。
てか、ほとんど全部回るハメになった。
俺たちは1度教室に戻ることにした。
「どうかな?繁盛してるかな?」
「大丈夫だろ、メークが強すぎるし。」
「アレハビックリシタネェヤマトクン?」
「俺のせいではない。」
「ま、なんだっていいでしょ。ほら、行こ。」
俺は返事をしようとした。
「そ・・・」
だけど、それは叶わなかった。
突然、激しい痛みとめまいが起きた。
「っ!?!?」
俺は思わず立ち止まった。
「大和?どうしたの?」
「大和くん?」
2人がこっちにくる。
大丈夫だ、と言いたかったが、どうやら無理そうだ。
「・・・ごめん、2人とも。」
俺はそういって、倒れた。
「大和!?」「大和くん!?」
2人が俺を抱える。でももう、もたなかった。
俺はそのまま、意識を手放した。
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