女の子を助けたら いつの間にかハーレムが出来上がっていたんだが
22話 マンネリ化だけは避けたい(切実)
部屋にゲーム機を置くことを許可された次の日の放課後。俺は内心どんなゲームをするのかとわくわくしながら遊戯室へと足を運んでいた。
その途中、
「せんぱ~~~い!」
という声がして、振り向くと、そこにはかわいらしい笑顔でこっちに走ってくる、奈緒の姿があった。一応言っておくが、かわいいとは思ってない。あくまで「かわいらしい」だ、うん。
「おう、奈緒。どうした?」
「私は遊戯室に向かっているのですが、先輩もなのですか?」
「あぁ、そうだけど。」
「じゃあ、一緒に行きましょうなのです!」
「別に構わないぞ。」
「ありがとうございますなのです!」
そうして、俺と奈緒は部屋に向けて歩き出した。その最中、
「なぁ、奈緒。あいつら、なんのゲームをするつもりなんだろうな?」
「さぁ?浦鉄(浦島太郎電鉄)でもやるんじゃないですか?」
「それ、PlayStudy3のソフトにあったっけ?」
なんて、他愛もない話をしていると、部屋の前についた。
「ども」「こんにちはなのです!」
そう言って部屋に入ると、
「「what!?」」
すごい量のソフトが山積みになっていた。
「あ、大和。それに奈緒も。」
「こんにちは。」「どうも♡」
3人がそれぞれ返事をする。
「なっ、おい、このソフトの山はなんだ!?」
「すごく・・・多いのです・・・」
「これはね、ゆりりんが持ってきてくれたんだ~」
「ゆ、ゆりりん?」
「私のことですよ。まぁ、正確にはこの部屋まで持ってきたのはお父様ですけど」
「百合野さんか・・・。てか、かわいそうに、校長・・・。娘にこき使われて・・・」
「あら、そんなことはなさそうでしたよ?むしろ、少し喜んでて、気味が悪かったくらいでしたもの」
「校長ェ・・・」
「まぁまぁ!そんなことはどうだっていいじゃない!で、どれをやろうか迷ってるんだよね~」
「理子、悩むのはいいが、この量、どうするつもりだよ?遊戯室にはおけないだろ?」
「そのへんは大丈夫だよ。中守先生が、無理言って隣の部屋を物置として借りてくれたんだ~」
俺は心の中で先生に手を合わせた。きっと、理子と聖菜に弱味でも握られたのだろう。お疲れ様です。
「あー、そう言えば」
「どうしたんです?百合野さん。」
「あ、前から思ってたんだけど、私のこと、呼び捨てでいいですよ。同級生なんだし。あと、下の名前でお願いまします。」
「わ、わかった。で、雫?どうしたんだよ?」
「わたしここまでもってきたからつかれたなー」
「棒読みすぎ乙」
「なにかねぎらいでもないのかなー」チラッチラ
「・・・はぁ、わかったよ。」
俺は雫のところまで行き、頭を撫でてやった。
「はいはいよくがんばったー」
「棒読みすぎ乙」
「お前もだっただろうが」
「なんと」
「今気づきました感だしても遅いぞ。」
そう言いながら、俺は雫から離れた。
少しの間、雫は
「えへへ・・・大和くんからなでなで・・・えへへ・・・」
などと言いながら、自分の世界に入っていた。
ゲーム?次の話でな。
コメント
頑ななレタス
作者センスありスギィ!