夢日記

日々谷紺

金縛りシリーズ【5】

十年以上前からの生粋の金縛ラーの私の中では、金縛りは三種類ある。

一つ目は電撃系で、一番命の危機を感じる。ビリビリと脳みその中まで痺れて、いまに頭が破裂してしまうような不安。

二つ目は物体化系で、身体が徐々に動かなくなり、硬くなり、呼吸が浅くなり、このまま物体になってしまうような不安。

そして三つ目は最近になって新たに発生した、人の気配系。
昨夜もそれにおそわれる。

目を瞑り、寝ているわたしの枕の横に、誰かが座る気配。沈むベッドと共に、頭も沈み込む。両肩に手を添えられている。そのままベッドにやおら押し付けられる。身体が固まっていく感覚に抵抗しようと必死でもがく。開かぬ目を無理矢理こじ開けようともがく。わずかに薄らと開いた瞼の隙間から、顔を覗き込む女性の片目と鉢合わせ。

朝になって、アレは夢の延長の幻覚なのだろうと馬鹿らしくなるのだが、最中の恐怖は言い知れない。 


20170131

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