夢日記

日々谷紺

金縛りシリーズ【2】

天井を見つめている。
闇の中、眠れずにいた。枕がかたくて首が苦しかった。

天井を見つめている。
早く眠りにつきたい。目をつむった。枕がかたくて首が苦しかった。

そのうち、喉、顎、唇と痺れる感覚があった。
口が自然と開き、閉じようにも痺れと麻痺のような感覚で閉じることができない。
身体も金縛りにあったようで動けず、息をするのも困難だ。

自分が麻痺障害になっていくような感覚で、とにかく恐ろしかった。

半身を起こせば少しは苦しみも和らぐかと思い、金縛りの体を必死で動かす。
なんとか起きあがるが痺れはとれず、唇はだらしなく下がり、泣きたくても力が入らず涙も出なかった。

きっと酷く醜い顔だ。
だんだん、瞼も力尽きて光が消えた。

はっとして目を開けた。
天井を見つめている。
枕がかたくて首が苦しかった。訳がわからず、半身を起こした。首がゴキゴキと鳴る。

かたい枕は嫌いだ。

20070809

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