夢日記

日々谷紺

髑髏の花の園

海外を旅している。
レストランを出て左にまっすぐ行くと、ある花の園へ通じる入り口があると聞く。それがこの国の名所らしい。

言われたとおり店を出、左へ。車道の向こう側に、なるほど四角いアーチの連なる長い入り口がある。横断歩道も普通の歩道さえもないその道を、走る車を掻い潜って横断する。
そのアーチの一つ目を一歩くぐれば、気温がぐっと下がった。

50歩ほど進めば大きな建物に辿り着く。そこが花の園だ。室内にあるそれは髑髏の花畑。鉢植えや水槽に様々な人間髑髏動物骨がアートに植え飾られている。

グッズコーナーも髑髏髑髏。金魚水槽用センサーで動く骸骨クン。やわらか髑髏など。ひとつひとつ、展示の骨、もとい花を見ていく。

建物内、坂になっている道を下っていくと、花ではないものがちらほら増えていく。その内革製品が並び、場を締めていく。財布、鞄に革製品が並ぶ棚。そこで丁度欲しかった履きやすい素敵な革靴を見つける。

いくつか履き比べてみる。夢なのに履き心地の違いまで生々しく覚えている。ヒールが高い割に一番履き心地の良い靴を購入。26ドルだった。レジは坂の一番ドぎつい道の先にある。前の客の支払いが終わるまで、滑り落ちないように力強く踏ん張る。

外国紙幣のため(ドル札でもない)間違えた金額を渡すと、すごい形相で見てくる店員。
「私が親切で良かったね」と外国語で言われる。

目を覚ますと買ったはずの革靴が無かった。悲しかった。


20160124

コメント

  • 老獪なプリン

    面白い!
    自分も夢日記付けてみようと思いました!!

    1
コメントを書く

「エッセイ」の人気作品

書籍化作品