夢日記

日々谷紺

もう一度会いたい女性

 非常に面白いが酷く変質的な恋愛観を持ち、クセはあるがとても綺麗な女性と仲良くなる夢を見た。彼女の様な人物に私は出会ったことがない。友人知り合いの誰にも似てはいないし、女優や漫画等フィクションでも似た容姿の人は当てはまらない。
 彼女は私の中のどこからやってきたのか。道ですれ違っただけの人物が元なのか、様々な知り合いのコラージュから出来上がったのか。ともかくも、私の記憶のどこを探っても彼女には辿り着けない。
 彼女は、私が今までに形成してきた好みや憧れの具現でもなければ、まして自身の投影なんぞでもない。初めてその場で見知って、出会った場面から初めて好感が生まれた。出会わなければ、彼女の言動から受ける印象と好悪はまったく未知だった。それが夢でなければ、未知から知って、好きになっていく過程は不思議のないことだったかもしれない。
 夢とは、自分の発想では生まれ得ないような事物さえ描き出せるものなんだろうか。自身の中に異世界を携えているとすれば、そしてその入り口を自分の望むときに自由に開けないというのは酷く不気味で恐ろしい。面白い彼女にもう一度会いたいと願っても、二度と会うことはできないのだ。



20150911

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