超絶美人な女の子が転校して来た。

KAI

第1話 新学期

『もう朝かよ。今日から新学期………考えるだけでだりぃ、まあでも新学期初日から遅刻はまずいし行くか。』

新学期の朝という憂鬱に晒されているこの男の名は
東 晴人 (ひがし はると) 成績普通、運動能力も普通
容姿も普通、歴史に詳しいこと以外特に取り柄のない
人間である。性格はめんどくがりやで少し人とのコミュニケーションが苦手。紹介は以上




『あー太陽が眩しい。だりぃな体が溶けそう。
まあ休みの間ずっと自宅警備員してたし久しぶりに
日を浴びるのは悪くない気もするけど。にしても学校めんどくせえ!今年はクラス替えだし。あいつらとクラス別々だったら俺ぼっちだな友達つくんの苦手だし、新しいクラスの環境についていける気が全くしねえや。』


あいつらとは晴人のたった二人の友達のことである
晴人の通う黄陽高校はそこそこレベルが高く。晴人は寝る間を惜しんで勉強に勤しみギリギリ入学した。理由は家が近いからである。そんな理由?と思うかもしれないがめんどくさがりやで、朝に弱く頻繁に寝坊する晴人には学校までの距離が短いというのはとても大切なことなのだ。

『あーついたついた。ってなんだアレ?』

晴人が学校の門をくぐると同時に見たものは壁に貼られた紙の周りに群がる生徒たちである。気になった晴人は
その群れに近づき背伸びをしてその貼られた紙を見た。

『なんだ新クラスの構成の書かれた紙かよ。特に興味ねえけど見ねえと教室どこかわかんねえから見るか。
あ!えーと。あ!あった。俺は2-Dか』

晴人の学年はAからGまでの7クラスであり
晴人はDクラスだった。晴人は自分のクラスだけを見ると
新しいクラスメイトの名前には目もくれずDの教室に向かい扉を開けた。時間が入室時間10分前ということもあり新しいクラスの面々の半分以上が揃っていた。そして少し歩き自席に向かおうとすると二人の男に声を掛けられた。


『よお!晴人。今年も同じクラスだな。』

声を掛けてきた一人目の男は晴人の友達の一人
五十嵐 隆太(いがらし りゅうた)
晴人と違いコミュニケーション能力が高く。校内に友達も多い。顔がそこそこ整っていて運動神経も良い。
女子にとてもモテそうなのだが、隆太は極度の二次元オタクなのである。そのため女子の友達はいるのだが 
みんなその友達というラインから先に踏み越えようとしないため残念ながらモテないのだ。モテるのって難しいなー。

『また三人同じクラスとはな、まあ今年もよろしくな』

そして声を掛けてきたもう一人の男は晴人の二人目の友達である川越 吉成(かわごえ よしなり)である。
メガネを掛けたいかにも真面目そうな風貌をしていて
運動神経は普通だが勉学に優れていて。趣味は法学辞典を読むことというユニークなセンスを持ったやつである。しかし吉成には隆太と晴人しか知らない秘密がある。それは吉成が地下アイドルの追っかけということだ。吉成の部屋の壁はその地下アイドルのポスターで埋め尽くされている。

『お!なんだ!お前ら同じクラスだったのか、
今年もよろしくな。』

晴人は嬉しそうに声を返した。嬉しそうな理由は主に二つある。一つ目はこの二人が晴人の唯一の友達ということ、そして二つ目は新学期早々のぼっちコースを回避できたこと。


それから晴人と隆太と吉成は三人でわーわーと雑談をしていた。
そうしていると間もなく教室に担任が入ってきた。するとクラス中の雰囲気が一変する。新学期の明るい雰囲気が一瞬にして凍り付いた。その理由は主に今教壇の上にいる担任に起因する。

『今年からこのクラスの担任になった。
鬼道 喜花(おにみち きはな)だ。よろしくな!』

まるで男のような口調であるこの女教師。
容姿は小柄な茶髪のショートカットで可愛らしく
見た目だけなら十分美人と言えるだろう。
しかしこの女教師怒ると、とんでもない怒声を上げるは
制服のボタンが外れているだけで呼び出す等という厳しさで何人もの生徒が去年も犠牲になっている。ということもあり校内でとても恐れらている教師なのである。

晴人と隆太と吉成だけではなくクラスのほぼ全員が
心の中で叫んだ。

(担任が鬼道になるなんて!そんな!終わりだ)

『まあ全員何か言いたいことはあるようだが
それよりも今はお前たちに新しい転入生を紹介しなくてはならない。』


その瞬間クラスの全員が目をパチクリさせた。
なぜなら転入生が入ってくるなんていう情報はなかったからだ。それが2-Dにとなると誰もが驚かずにはいられなかった。クラス全員がどんな転入生なのか男か女かなどと
興味の視線を転入生が入ってくるであろう教室の前扉に向ける。当然それは晴人も例外ではない。

『それじゃあ入っていいぞ!』

その言葉のあと前扉が開き一瞬そこから光が射したかと思うと、その瞬間その場にいる全員が息を呑み。入ってきた転入生に目を向ける。その転入生は雪色で長く艶やかな髪を肩まで伸ばした超絶美少女だったのだ。
その美少女は今まで見たことがないほど綺麗で
絵画の世界から飛び出してきたのではないかと疑うほどの現実離れした容姿をしていた。スタイルは抜群で
【トニカクカワイイ】のだ。

『夕陽丘高校から転校してきました。 
   水蓮寺 優花です。よろしくお願いします。』

夕陽丘高校とは一度は聞いたことがある名門校
なぜここに転校してきたんだろう。
と晴人は疑問に思った。だがそんな疑問など気になど止めていなかった。その声はとても綺麗でクラス中に響き渡った。

『それじゃー、そうだなあー、じゃあ東の隣の席が空いてるからそこに座ってくれ。』

担任は軽くそう告げた。しかしそれを聞いたとたん
晴人は
(え?!まじで!?え?!まあでも確かに俺の隣の席は空いて入るけど、てかここしか空いてないんだけどさあ
でもさあ!まじでー??!?)

そこまで動揺する晴人には実は大きな理由があった。
それは………………


『は?まじかよ』
『なんであんな奴の』
『うらやまだわー』

他の男子たちの羨望の眼差しである。
しかしそれは羨望というより嫉妬である。

そして転入生が光をおびながら晴人の隣の席に向かってくるそして隣の席に着くと。

『よろしくね。東さん。』

美少女は透き通った綺麗な声で晴人に声を掛けた。
表情は笑顔でなんだが嬉しそうだった。





『う、うん!よ、よろしくお願いな。』

(やべえ緊張しすぎて。お願いなってなんだよ。
 にしてもなんだか嬉しそうだな。なんでだろ?
まあ理由なんてどうでもいいけど。)


当然晴人は顔を真っ赤に赤らめたが、それはすぐ真っ青に変わる。なぜなら周りから今まで感じたことのない殺気をひしひしと感じたからである。それは主に他の男子たちからである。唯一の友達の一人である隆太からも
殺気を感じる。晴人は初日から胃がキリキリとするのを感じた。そして誰にも聞こえないくらいの声で少しニコニコしながら言った。

『クラス替え初日からこんなことになるとは
   隣に座っている美少女は単純に嬉しいけど
この殺気だった男子たちの目線。俺は一体どうなってしまうんだ。www もうどうにでもなれw』


晴人から笑いが漏れた。


しかし実は晴人と隣の席に座る美少女との間には
秘密があったのだ。晴人はまだそれを知らない。
いや、思い出していない。







コメント

  • はじめ  ゆかり

    あとライバル作ったほうがいいですよ。
    そのライバルは、実は、お嬢様とか。

    0
  • はじめ  ゆかり

    いつもどれくらい書いているのですか?
    僕の異世界で勇者を目指す少年とその仲間達読んでみてください。

    1
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