空を見上げれば君がいる

ailia

ONE✩出会い-日常。-

一一♪......♪*゚





朝の7:15にセットしたスマートフォンのアラームが鳴り響く。



私は昨日置いたであろう場所に手を伸ばした。




……ない。





「起きないと遅刻するぞ。」





聞き慣れた声が頭に飛び込んできた。
目を開けると、そこには見慣れた顔があった。見慣れたそれは憎たらしい笑顔で、私の顔を覗きこんでいた。

この憎たらしい笑顔の名前は凉瀬 櫂スズセ カイ、私の幼馴染。



「おはよ。」



一一ボフッ




この音は私が投げた枕が憎たらしい笑顔に当たった音。



「いてー。何すんの?」



「何すんのじゃねーよ。何勝手に人の部屋に入ってんだよ。不法侵入。」



「お口が悪いよ。だって絶対今二度寝するつもりだったでしょ。なり始めて15分、1度も起きないんだから。」



櫂はまたニコリと笑った。その笑顔にまた腹が立ってきた。



「うるさいな。勝手でしょ。え、なり始めて15分??」



「そう。今7:30。」



パッと出されたスマートフォンのロック画面の時間は7:34。
私は慌ててベッドから降りた。
そこには白ご飯、お味噌汁、卵焼き、お茶と健康そうな朝食が並べられていた。



「作っといたから食べな。」



朝から食べられる絶妙な量の朝食。
私は座って手を合わせた。



「美味しい?」



私はお味噌汁を口に含み、小さく頷いた。

私の名前は香城 蒼空コウジョウ ソラ。櫂と同じ高校1年生。
朝食を済ませ、洗面台に行った。
歯を磨こうと、歯磨き粉を取った時、キッチンから水を出す音が聞こえた。
櫂が、食器を洗おうとしてくれてる様だった。



「いいよ、置いといて。昨日の分もあるし。」



キッチンにいる櫂に向かって叫ぶ。



「いいから、ちゃっちゃと準備!」



私は軽くため息をついて、支度を始めた。
歯を磨き、顔を洗う。
その場で制服に着替えた。

うちの制服はそれなりに可愛いと思う。
グレーのチェックのスカートにワンポイントで学校のマーク。
まだ真新しいカッターシャツの襟には日本の黒いライン。大きめの赤いリボンを付け、赤いジャケットを羽織った。ジャケットの胸ポケットには校章のワッペン。
指定の黒い靴下を履いた。



自分の部屋に戻ると、ヘアアイロンの電源が付けられ、机の上に置かれていた。



「さすがですな。」



私の言葉にニヒヒと笑う櫂。

ヘアアイロンが熱するまでの間、軽くメイクをした。
急いでる私の顔を覗き込んで来た。



「なに。」




「メイクしなきゃだめ?可愛いのに。」



「櫂がそのカラコンやめるならやめてもいいよ。」



私はリップを塗りながら言った。



「やだね。これは蒼空だけだから。」



「はいはい。」



彼の目は本来オッドアイ。
オッドアイとは両目の瞳の色が違う事。
彼は右目が青で左目が焦げ茶
ハーフとか、視力に関して障害とかは全くない。見える分には支障は無いが、右目だけ青い。
それがコンプレックスらしく、右目だけ左目に合わせたカラコンを入れている。

ヘアアイロンがピピッと鳴った。
髪の長さが肩につく位の髪は跳ねまくって大変。
アイロンを当て、ストレートに。
準備完了。



「行こっか。8:02だよ。」



「うん。行こ。」



私達は部屋を出た。

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