異世界英雄のレイン (旧題:異世界英雄の創造主)
落ちこぼれのステータス
今日はついに僕がステータスを貰える事で浮かれている。皆(特に、お母様とエイナ)が期待している。それほど僕は賢くいろんな事を学び努力したからだ(親バカ補正も入っているが)。
「レイン~。準備~出来た~?」
下からお母様が呼んでいる。
「はーい。今から行きまーす」
下に降りるとお母様とケイの話が丁度終わったところだ。
「レイン、準備は出来たの?」
「はい。元々荷物はありませんから」
「そう言えばそうね。ケイ、それじゃあよろしくね。エイナ、馬車の用意は出来てるわよね」
ケイは頷き、エイナは
「はい、もちろん出来ています」
と、当たり前のように返事した。
「それじゃあ、行きま「兄様、待ってください」
アイリが急いで下に降りてきた。アイリがさっきまで居なかった理由は寝ていたからだ。
いつもなら早くに寝るアイリも僕のステータスが気になって僕より緊張していた。
「どうしたの、アイリ?」
「二つ話があります。一つは何で私を起こしてくれなかったんですか!」
「それはアイリの寝相がとても眠そうだったから起こすのは悪いかな~、と思って」
「確かに眠いですけど、起こしてくれても良かったじゃないですか・・・・・・まぁいいです。もう一つは、多分兄様のステータスは悪いです」
「唐突に何で!?アイリさん?流石にそれは酷いですよ・・・」
あまりにアイリが真顔で言うので、変な風に言ってしまった。
「何で「さん」付け何ですか・・・きっと母様とエイナさんは兄様のステータスは高いとか凄いとか言ってるんでしょ。そして自分のステータスは高いと勘違いをしてる兄様に忠告しているんですよ。感謝して欲しいですよ」
確かに少しは、ほんの少しは期待していたけど、全否定はしなくていいのに・・・
僕の心にダメージがかなりはいったのに気付いたアイリは慰めてくれた。
「安心してください、兄様。私のステータスは絶対に高いので私が兄様の事を養ってあげますよ」
ああ、アイリはなんて優しいんだろう。なんて思っていた時、お母様とエイナの会話が聞こえた。
「自分でダメージを与えて自分で回復させるなんて流石アイリ様!!」
「私達には無理ね。アイリって私達より賢いんじゃない?」
これを聞いて思い出した。僕がアイリに貶された事を。この時、初めてアイリが天才だと思った。
(まあ、アイリが僕の事を貶したとは思ってないけど)
しかしアイリの予想が見事に的中する事は誰も予想していなかった。
教会に着くと神父さんがいた。この人は違う格好でも優しそうな人だと分かるだろう。
「これはこれは、カレン様。よくいらっしゃいました。ご用件はそちらのお子さんのステータスですか?」
「はい、その通りです。では、早速お願い出来ますか?」
「もちろんです。では、・・・・・・」
「あっ、僕の名前はレインです。レイン・クロスフォードです。」
何故か神父さんは僕の事を見て「なるほど」と言いたげな顔で何度も頷いている。
「では、レイン君。ステータスを授かる為に行う事は知っているかな?」
「はい。神様達に十分ほど祈りを捧げるのですね。ステータスを貰ったのら神様達の像が光のですね?
「その通りです。よく勉強をしているのですね」
「今日の日を待っていましたからね」
「それでは移動しましょう」
神様達の像は大体三メートルぐらいの大きさだった。とても人間らしい姿だった。
「では、レイン君。祈りを捧げて下さい」
神父さんに言われるまま祈った。・・・・・・祈った。
・・・・・・祈った。・・・・・・・・・祈り続けた。
祈り始めてから三十分ぐらいたつと、神様達の像が大きく光った。けどそれは一瞬だ。一秒間もないぐらい一瞬だった。
それを見た神父さんは慌てて聞いてくる。
「レイン君、ステータスは無事貰えたかな?」
どうやら僕のような現象は初めてだったらしい。
神父さんに言われた通りステータスを見てみた。
「・・・・・・・・・はい、ステータスはしっかり貰っています」
「それは良かったです。今回のような事は聞いたことがありませんでしたから。では、レイン君。さようなら」
「さようなら、神父さん」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
僕達は無言のまま馬車に乗り、乗った瞬間お母様とエイナが・・・・・・・・・・・・騒ぎ出した。
「ねえねえ、レイン。ステータスはどうだったの!?」
「レイン様、レイン様。レイン様が驚くようなステータス何ですか!?」
変なテンションになっている二人に僕は事実だけを伝えた。そうすると二人は息を揃えて
「「レイン(様)、ステータスを見して」」
正直悩んだ。僕のステータスが普通なら問題無く見せたのだが僕のステータスは皆の目が丸くなるほどのものだ。
僕が悩んでいるのに待てなくなった二人はセコい行動をとった。
「レイン、私達の事嫌い?」
「嫌いでないのならステータスを見せて下さい。嫌いだったらステータスを見せなくていいのですが・・・」
これの何がセコいかと言うと、このまま無視や沈黙をしていた場合、お母様とエイナがめんどくさいと感じるほどの行動をずっと続ける。(僕に抱きつく、泣き叫ぶ、変なことを言う、・・・などなど)
ここが家なら無視をしていたが、ここは街の中だ。他の人がいる。それなのに騒ぎ続ける。
僕はまわりの人に迷惑をかけたくないので二人にステータスを見せる。
「・・・・・・・・・これからステータスを見せます。その代わり僕が駄目だと言った行動をしないで下さいね」
「分かったわ」「分かりました」
「・・・じゃ、ステータスオープン」
【名前】レイン・クロスフォード
【種族】人間 【性別】男 【年齢】5歳
【レベル】1
HP:1/1
MP:1/1
力 :1
耐久:1
敏捷:1
器用:1
魔攻:1
【スキル】
無し
【称号】
最弱
【加護】
無し
「エイナ、今すぐ教会に戻るわよ」
「畏まりました」
予想通り過ぎる行動にため息が出てしまった。
「お母様、エイナ。今から教会に行く事を禁止ね」
「違うのレイン。えっとー・・・そう、忘れ物をしたから教会に戻るのよ」
「へぇー、そうなんだ。・・・で、エイナはどんな理由でい行くの?」
少し声のトーンを下げながら聞いた。
「わ、わ、私はカレン様の指示で教会に戻ります!」
「・・・エイナは、エイナ自身の理由はないのね?」
「はっ、はいっ!」
「ちょっ、エイナ。何で裏切るのよ!」
裏切られたお母様がエイナを責めているがそんな事を気にせず、言い負かす。
「・・・ところでお母様。何を忘れたんですか?」
「えっとー・・・ハンカチ「カバンの中にありますよね」・・・アイリから貰った花「それは部屋に飾っていますよ」・・・そうだ!寄付よ寄付。教会にお金を寄付するのを忘れたのよ」
「・・・・・・・・・」
僕は考え込むような姿勢をした。もちろん嘘だが。
お母様は僕の反論がなくなって安心していた。
「・・・じゃあレイン。教会に戻りましょうか」
「・・・・・・お母様、質問をしてよろしいでしょうか?」
僕が敬語を使い質問して来た事にお母様は、安心した顔からすぐに顔が青くなった。
「レ、レイン。それは今じゃないと駄目かな?」
「もちろん今じゃないと駄目ですよ」
僕が笑みを浮かべるとお母様の顔色が更に悪くなった。
「お母様、教会に寄付する額はいくらですか」
「・・・銀貨一、二枚よ。・・・・・・ホントはレインの事をしっかりと理解出来ない神のところにする必要はないけど」
寄付する額以外は小さめで言っていたが近くに僕がいたので全て分かった。
「お母様。いくら何でも神様に失礼ですよ。あと、寄付については大丈夫ですよ。僕が銀貨一枚、寄付して来ましたから」
「な、何で寄付してるの!?はっ、まさかここまで読んでたの!?」
「流石に寄付のところは思い浮かびませんでしたよ。僕は元々、アイリのステータスを願って寄付しましたから」
「なんていい子なの。妹思いのいいお兄ちゃん。こんな子供を持って私は幸せよ」
「何、話を変えようとしてるんですか・・・。ハァー、もういいです。エイナー、家に帰ろー」
「畏まりました」
「あははは・・・」
家に帰ってステータスを見せると、ケイとアイリから気を使われた・・・。
「アイリ。いつ、ステータスをお母様達に見せるの?」
「そうですね・・・夕食時に見せましょうか」
「お母様、アイリがそう言っているから頑張って待ってね。後、一時間後ぐらいでしょ」
「・・・・・・・・・」
「世界が崩壊した時みたいな顔をしても無駄です。今から兄様と勉強しますから」
お母様はアイリの言葉で倒れてしまった。
エイナを呼ぶとすぐにお母様を運んでくれた。そんなお母様の姿を見ていつもながら、ため息を吐いてしまった。
「では、兄様。兄様の部屋に行きましょう」
「えっ?何で、ここでよくない?」
「今日ぐらい私の言う事を素直に聞くべきですよ」
「別に良いけど?ところで何の勉強をするの?」
「・・・忘れたんですか。兄様がステータスについて教えるのは、ステータスを貰ってからと、言ったじゃないですか」
えっ?そんな事を言った・・・かな?忘れてしまった。
誤魔化そうか悩んでいたら、
「・・・誤魔化そうとしないで下さい。どうせ忘れていたんでしょうけど・・・」
何故か心の中を読まれてしまった。しかも、ため息もつかせてしまった。これじゃあ、どこかの親馬鹿と同じじゃないか。
「じゃあステータスについて説明するよ。まずは、【名前】【種族】【性別】【年齢】はそのままの意味で、【レベル】はなんて言えば良いのかな?まあ強さの目安だと思ってればいいよ。そしてレベルが上がるとステータスも上がる。レベルの最高は100で勇者でも難しいって書いてあったよ。
【スキル】はレベル10が最高で、今まで勇者しかなった事がないらしいよ。勇者と一緒に戦った人でもスキルレベルは8が最高だったらしいからスキルレベル5までいけたらいい方だよ。
【称号】と【加護】はステータスに関係したりしなかったりするものがあって、【加護】のレベルは5が最大で、普通の人は一生貰えないよ。だから加護を持つ事は大変名誉あることらしいよ。
これぐらいで良いかな?」
「・・・出来れば、ステータスのHPやMPなどについて詳しく教えて下さい」
「あっ!ごめんね。説明し忘れてたよ」
ステータスについてまとめるとこのようになる。
HP:生命力。これが0になると死ぬ。
MP:マジックポイント。魔法を使用する
ために必要。魔力とも呼ばれている
力 :物理攻撃に関わる。筋力にも関係する。
耐久:防御力に関わる。
敏捷:素早さに関わる。
器用:武器の扱い・魔法の扱いに関わる
魔攻:魔法攻撃に関わる
上にあるステータスの設定ですが大まかな設定なので細かいところは変わる事があります。
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