異世界英雄のレイン (旧題:異世界英雄の創造主)

Noct@Kirusu

レイン、異世界でモテる!?

 
 また目を覚ますと、今度は知らない天井があった。天井は白色と薄い黄色で作られている。ひとまず、ここがどこなのか調べるために起き上がろうとするが、何故か起き上がれない。
どうにかして起き上がろうと思い、手を伸ばしてみると手が小さくなっていた。慌てて、顔を触ると顔も小さくなっていることが分かった。また足を見るが、やはり小さくなっていた。
そして僕は理解した。自分が“赤ちゃん”になっていることを。

(まさか、漫画やラノベなどの人気なアレか?)

(しかし、何をしよう?話すことは出来ないし、動くことも出来ない・・・。まっ、眠いから寝たらいいか)

 こうして僕は自分が誰だかわからないまま寝てしまった。

 どれくらい寝ていたかわからないけど、寝ることしか出来ないのが苦痛だな。また何も出来ないから寝ようか迷っていたら、二人の女性が部屋に入ってきた。一人は白髪で綺麗な服を着ていて、もう一人は茶髪でメイド服を着ていた。どちらも髪は長くて、とても綺麗で美人だ。
 だけど、警戒していた。前までだったら自分の力で何をされても対抗は出来ていた。けど今は、自分が何も出来い状態が嘆かわしい。

 こんなことを考えていると白髪の女性が俺の事を抱いていた。白髪の女性の顔を覗いて見ると、目があった。そしたら、僕の事に気づき微笑んで俺を撫でてきた。

「————・・・・・・――――」

「―――・・・――」

「――――・・・・・・――・・・」

 二人の様子を見ていると、警戒していたのが馬鹿馬鹿しく思うほど和やかな雰囲気だった。僕は安心して寝ようと思っ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「何で言葉が分からないだーーーーーーーーーーー」と叫んでしまった。
しかし、彼女たちに違うように聞こえていた。それもそのはず、まだ歯が生えていないのだから。赤ちゃんが大声で叫んだだけだ。

 だけど、彼女たちは充分過ぎる程慌てていた。その理由は僕が安心して寝るように見えたのに大声で叫んだからだ。勿論、僕は安心していたし、寝ようともしていた。彼女たち二人からは、僕が大声で叫ぶ理由が見つからないからだ。


 僕は生前、世界で知られている言葉はほとんど喋れた。喋れない言語でも、単語は理解出来ていた。だから、全く知らない言語に驚いてしまった。


《生後1ヶ月の赤ちゃんがちゃんとした記憶と考えを持っていると思う事は誰も思わない》

 叫んだことで疲れてしまい、彼女たちが慌てていた事に気がつかず僕は寝てしまった。






  ★ ☆ ★




 僕が転生してから1ヶ月後、あることが確信した。それは、ここが異世界だということだ。
理由は、白髪の女性が魔法を使ったからだ。



 今日はいつもと比べると少し暑かった。前の僕だったらなんともないけど、今は無力な赤ちゃんだ。少し暑くなっただけでもしんどくなる。
そして、情けない事に声を出してしまった。その声を聞き、白髪の女性が「ウィンド」と唱えると風が吹いてきた。驚いて彼女のほうを見ると微笑んで僕を抱いてきた。

「レイン、――――魔法――・・・風――・・・」

 まだ、全ての言葉が分かる訳ではないがほんの少しは分かるようになった。『レイン』は僕の名前だと最近分かった。
 そして彼女は魔法・・と言った。

 魔法があると分かれば色々な疑問が解決出来る。
代表例を上げると、言語と体の中にある変な物だ。
 言語については、異世界だから分からなくてとうぜである。また、体の中にある変な物を魔力だと考えれば納得出来る。

 これからは魔力操作の練習をしようと思い魔力を循環させようとやってみると、一分ぐらいで疲れてしまい寝てしまった。



 ★ ☆ ★



 あれから、6ヶ月が過ぎて僕は、はいはいが出来るようになった。

 初めて、はいはいを見せた時は皆喜んでいた。
皆とは、僕の母“カレン”・メイド“エイナ”・料理人“ケイ”の三人だ。

 僕はこの6ヶ月でかなり進歩したと思う。言葉が分かるようになったし、魔力循環が常時出来るようになり魔力操作が上達した。。そして、魔法も少しだけなら使える。

 しかし今、とてつもない壁がある。その壁は、文字が読めないことだ。文字が読めなかったら本を読めない。本が読めなかったら知識が得られない。どこの世界でも、知識は必要になってくる。

 知識を得る方法は大きく分けて二つある。
一つ目は、人から教えてもらう。
二つ目は、本などの資料を読む。
 
 しかし、どちらとも今は無理だ。一つ目は教えて欲しい知識を聞けばいいが、まだ喋ることが出来ないから除外。二つ目は、文字が読めればいいが、生後7ヶ月の赤ちゃんに文字を教える人はいないから除外。

(はぁー、また今日もトレーニングか・・・)

 実はこう考えるのは30回目である。その後、諦めて家の中をはいはいトレーニングする。

 ただはいはいするだけがトレーニングになるのか?と質問されたら答えは、トレーニングになる。
一般家庭の赤ちゃんが家の中全てをはいはいするだけでも疲れるのに対して、一般家庭の三倍はあるこの屋敷を全てはいはいでまわるのは、絶望的だ。

 しかし僕は挫けなかった。なぜなら、生前の8歳のトレーニングが三キロを走るだからだ。
あの時は、生きるために体力が必要だと気付き、ゲロを吐くまで走っていた。そして、それが基準になって三キロを走るようになった。


~~閑話休題~~


 トレーニングをしようと思い、移動を始めた直後にメイドのエイナと鉢合わせになった。
エイナは僕を見つけると、抱きかかえた。どこに行くのか分からず困っていると、エイナが「カレン様がお呼びですよ」と移動しながら教えてくれて、どこにいくのか分かって安心した。


「失礼します、カレン様。レイン様を連れて来ました」

「ありがとうね、エイナ」

「いえいえ、メイドとして当然です」

「そう?だったら、レインを抱くのは私でも良いわよね?」

「それとこれは別です」

「ご主人に逆らうのはメイドとして間違っているんじゃな~い?それにレインは私の子どもよ?」

「そうですか。では今からカレン様のメイドを辞めて、レイン様の専属メイドになります」

「なっ、そんな羨ま・・・そんな突拍子もないことがあって良いわけないわ!」

「何を言っているんですか。カレン様はレイン様の母親何ですよ。そっちの方が羨ましいですよ」

「けど~、メイドだったらレインの世話をし放題じゃない。母親としては、自立して欲しいのに・・・。私個人だったら、世話をしたいの!」


 毎回、これだ。二人とも僕を愛し過ぎているのだ。(これは、事実であって自意識過剰ではない!)
だから、毎回毎回これと同じような事がおこる。まあ、そのおかげで対処法をバッチリ覚えた。

 それは、僕が泣き叫べばいいのだ。


「うー、うぁわーーー」


 こうする事で二人は息ピッタリに


「レインが泣いちゃたわ」

「レイン様が泣いている」

「「私達の事よりレイン(様)を泣き
止ませるわ(ましょう)」」


 と、こうなる。


「レイン、私達は喧嘩してないわ~」

「そうですよ、レイン様。私達は仲良しですよ~」


 最後に僕はワザとらしく二人の顔をチラッと見ると


「「ほんとよ(です)、レイン(様)」」


 こうして二人の言い争いを終わらした後はお母様に抱かれる。この時のエイナはとても不満そうにしていたので、エイナの頭を撫でてあげると「もう、死んでも大丈夫です」と満面を笑みで言ってくる。

 お母様が「私には、私には」と、僕を見てくるので撫でてあげる事にした。お母さんも満足した後、ケイが部屋に入ってきた。。

 『ケイは毎回、お母様とエイナが機嫌良くなった後、部屋に入ってくる』これを訳すと『ケイは毎回、僕が二人の機嫌を良くするまで部屋に入って来ない』
僕は少しケイを恨んだ。


「レイン、明日ピクニックに行きましょ」

「あーー」

「ふふ、レインが喜んでくれて良かった。それじゃあ、レイナは荷物の準備をしてケイは料理をお願いね。」

「「分かりました」」

「レイン、ピクニックに行くのを楽しみにしててね」

「あーー」


 明日のピクニックは楽しみだ。今までは家の外にいけなかった。だから外の世界が気になっていた。
そして最大の理由は、皆にサプライズをするからだ。






はじめまして。
突然ですが、悪口などを出来るだけ書かないで下さい。読んでいて誤字脱字などがあっても「しょうがないな~」みたいに温かい目で読んで下さい。

『いいね』してくれると嬉しいです。

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