勇者の俺が科学の世界に転生した結果
7話 クラス
あの後急いで学校に来た俺たちだが、やはり既に入学式は終わっていて、入学生達はそれぞれのクラスに行ったようだ。
「本当にごめんね。一生に1回の高校の入学生、私のせいで出れなくなって……」
「いえ、どうせ入学式なんて校長の長い話聞くだけですから」
もう過ぎた事を気にしても仕方ない。それに先輩は痴漢を受けていた被害者なんだから、悪いのは痴漢をしていた犯人の方だ。
と、そこで1人の教師が通りかかる。
「ん?君は……確か3年の橘君だったね。ということはもう一人の方はもうしかして、桐崎綾人君かい?」
「あ、はいそうです」
「あぁ君が桐崎君か、遅れてくることは聞いている。どうやら痴漢を撃退したそうじゃないか」
「いえ、たまたまですよ」
「あはは、とりあえず橘君、君は自分のクラスに戻りたまえ。君はもう3年だ。間違えて2年の時のクラスに行くんじゃないぞ?」
「は、はい。では私はこれで」
「あぁ。それと桐崎君のクラスには僕が案内しよう。ついてきたまえ」
「はい、お願いします」
※
「ここが君のクラスだよ」
そう言われてついた教室の上を見てみると、1年A組と書いてある。どうやら僕はA組のようだ。
「はい、先生ありがとうございました」
「あぁ、気にしなくていいよ。それじゃあね」
そう言って先生は去っていく。
(よし、ここが正念場だ。ここで失敗すれば、僕はこの3年間1人も友達が出来ないかもしれない。気合を入れていこう)
僕は、自分の頬を両手で挟むように叩き、気合を入れた後教室のドアを開けた。
僕が教室のドアを開けた瞬間、クラスに静寂が訪れる。
「あ、あの!遅れてきました!桐崎綾人です!」
「………」
「あ、あの……」
なぜかみんな固まっている。
「イ、イケメンだ……」
そう、1人の女子が呟いた。
「え、なにあのイケメン、あんなイケメン三次元にいたの?」
「トップモデルやイケメン俳優なんかと比べても次元が違うレベルだわ……」
「じゅるり……。美味しそう」
そしてみんな時を思い出したかのように反応し出し、最後には───
「「「キャーーー!綾人くーーーん!!こっち向いてーー!」」」
と、騒ぎ出してしまった。
うおっ!とはならない。この反応にはもう慣れている。なぜか僕は小学校、中学校において転校した先々でこうして叫ばれているのだ。
「み、みなさん!静かにしてください!」
なんかやたらチビのポワポワした担任っぽい人が頑張ってこの騒ぎを収めようとしているが、全く効果がない。
その時、教室の後ろの端の方でガタッと音がした。
「ったく、うるせぇなぁ。ここは幼稚園かよ。いい加減黙りやがれ」
静かだがよく通る声でそう言ったのは、目つきが悪く、髪が不自然な金色に染まっていて、耳にピアスをつけたいわゆるヤンキーのような人だった。
「「「………」」」
教室は一瞬で静寂に戻る。
「あ、あのー、桐崎君の席はあっちです」
その沈黙を破ったのは、あのポワポワした担任だった。
「はい、先生」
僕はそう言って、指示された席に座る。
「そ、それでは全員揃ったようですし、自己紹介を始めましょう。まずは私から、私はこのクラスの担任になった、大石陽子です!よろしくお願いしますぅ!」
「「「よ、よろしくおねがいしま〜す」」」
みんな、さっきのヤンキー君の怒鳴りが残っているのか、ぎこちなく挨拶を返す。
「で、では!出席番号順に、安藤君から自己紹介お願いします!」
「は、はい!僕は………」
そうして自己紹介は続いていき、僕の番が来た。
「僕は桐崎綾人、好きな事は読書、得意なものはスポーツ全般。長い間アメリカにいたので分からないことも多いと思いますが、困っている時は優しく教えていただければと思います。よろしくお願いします。」
ふっふっふ。どうだこの完璧な自己紹介は!
転校ばっかだった僕は自己紹介には定評があるのだ!
そして、その後も自己紹介は続き……
「渡辺龍介だ。以上」
最後はなんもと味気ないヤンキー君の自己紹介で終わった。
「それでは、今から席替えをしたいと思います!」
「「「待ってましたー!」」」
「名前を呼ばれた人は、このクジを引いていってください!では安藤くん!」
「はい!」
どうやら席替えをするようだ。
いい席を引けますように!
「桐崎君!」
「はい!」
名前呼ばれた僕は、返事をしてクジを引きに行く。
なになに?35番………お、あそこか。
僕が引いたのは左から窓際から二列目の一番後ろの席。両隣は既に埋まっていて、窓際の方は女子、もう片方は男子のようだ。
女子の方は、なかなか顔が整ってるが、なんというか……幼児体型だ、大石先生といい勝負。隣が僕だと分かった途端笑顔になる。
男子の方は、顔は普通だが、なんかやたら髪型が凝っている。今日は早起きして頑張って髪を整えて来たのだろうか。なまじ顔が普通なせいで逆に違和感が半端ない。
僕が席につくと、早速隣の男子が話しかけてくる。
「よお、俺は西木野修也、よろしくな」
「あぁ、僕は桐崎綾人。よろしくね、西木野君」
「俺のことは修也って呼んでくれ、俺もお前の事、綾人って呼ぶからさ」
「わかった、修也」
おお!なんて良い奴なんだ、西木野修也君!
顔が普通とかいってごめん!やっぱり男は中身だよね!
「それより綾人、お前よぉ、今朝痴漢を撃退してうちの先輩助けたらしいじゃねぇの」
「あはは、もうみんな知ってるんだね」
「そりゃ知ってるさ、なんせ校長が入学式の時に言ってたからな」
「えっ校長が!?それ本当?」
「あぁ本当だぜ、ったくお前はモテるんだろうなぁ」
「そんなことないよー」
「謙遜しやがってー。だがな!今日の俺は一味違うぜ!今日は朝五時に起きて髪型セットに2時間かけたんだ。今の俺ならお前よりモテまくりなぜ!」
え、モテるって……まさか、自分の顔と髪の毛のギャップに気づいてない……いやそんなまさか………
あ!なるほどわかった!修也はみんなの笑いを取るためにあえてこの髪型にしてきたんだ!
修也はすごいなぁ……みんなを笑わせるために朝五時起きで、2時間も髪型セットに使うなんて
なんて言うか僕……
「僕、修也の事尊敬するよ!」
「お?だろだろ?デヘヘへ……」
そんなこんなでいろんなことを修也と話していると、
「あ、あの!」
反対側の隣の女の子が話しかけてきた。
期末試験が始まってしまいました。
次の更新は遅くなりそうです。
「本当にごめんね。一生に1回の高校の入学生、私のせいで出れなくなって……」
「いえ、どうせ入学式なんて校長の長い話聞くだけですから」
もう過ぎた事を気にしても仕方ない。それに先輩は痴漢を受けていた被害者なんだから、悪いのは痴漢をしていた犯人の方だ。
と、そこで1人の教師が通りかかる。
「ん?君は……確か3年の橘君だったね。ということはもう一人の方はもうしかして、桐崎綾人君かい?」
「あ、はいそうです」
「あぁ君が桐崎君か、遅れてくることは聞いている。どうやら痴漢を撃退したそうじゃないか」
「いえ、たまたまですよ」
「あはは、とりあえず橘君、君は自分のクラスに戻りたまえ。君はもう3年だ。間違えて2年の時のクラスに行くんじゃないぞ?」
「は、はい。では私はこれで」
「あぁ。それと桐崎君のクラスには僕が案内しよう。ついてきたまえ」
「はい、お願いします」
※
「ここが君のクラスだよ」
そう言われてついた教室の上を見てみると、1年A組と書いてある。どうやら僕はA組のようだ。
「はい、先生ありがとうございました」
「あぁ、気にしなくていいよ。それじゃあね」
そう言って先生は去っていく。
(よし、ここが正念場だ。ここで失敗すれば、僕はこの3年間1人も友達が出来ないかもしれない。気合を入れていこう)
僕は、自分の頬を両手で挟むように叩き、気合を入れた後教室のドアを開けた。
僕が教室のドアを開けた瞬間、クラスに静寂が訪れる。
「あ、あの!遅れてきました!桐崎綾人です!」
「………」
「あ、あの……」
なぜかみんな固まっている。
「イ、イケメンだ……」
そう、1人の女子が呟いた。
「え、なにあのイケメン、あんなイケメン三次元にいたの?」
「トップモデルやイケメン俳優なんかと比べても次元が違うレベルだわ……」
「じゅるり……。美味しそう」
そしてみんな時を思い出したかのように反応し出し、最後には───
「「「キャーーー!綾人くーーーん!!こっち向いてーー!」」」
と、騒ぎ出してしまった。
うおっ!とはならない。この反応にはもう慣れている。なぜか僕は小学校、中学校において転校した先々でこうして叫ばれているのだ。
「み、みなさん!静かにしてください!」
なんかやたらチビのポワポワした担任っぽい人が頑張ってこの騒ぎを収めようとしているが、全く効果がない。
その時、教室の後ろの端の方でガタッと音がした。
「ったく、うるせぇなぁ。ここは幼稚園かよ。いい加減黙りやがれ」
静かだがよく通る声でそう言ったのは、目つきが悪く、髪が不自然な金色に染まっていて、耳にピアスをつけたいわゆるヤンキーのような人だった。
「「「………」」」
教室は一瞬で静寂に戻る。
「あ、あのー、桐崎君の席はあっちです」
その沈黙を破ったのは、あのポワポワした担任だった。
「はい、先生」
僕はそう言って、指示された席に座る。
「そ、それでは全員揃ったようですし、自己紹介を始めましょう。まずは私から、私はこのクラスの担任になった、大石陽子です!よろしくお願いしますぅ!」
「「「よ、よろしくおねがいしま〜す」」」
みんな、さっきのヤンキー君の怒鳴りが残っているのか、ぎこちなく挨拶を返す。
「で、では!出席番号順に、安藤君から自己紹介お願いします!」
「は、はい!僕は………」
そうして自己紹介は続いていき、僕の番が来た。
「僕は桐崎綾人、好きな事は読書、得意なものはスポーツ全般。長い間アメリカにいたので分からないことも多いと思いますが、困っている時は優しく教えていただければと思います。よろしくお願いします。」
ふっふっふ。どうだこの完璧な自己紹介は!
転校ばっかだった僕は自己紹介には定評があるのだ!
そして、その後も自己紹介は続き……
「渡辺龍介だ。以上」
最後はなんもと味気ないヤンキー君の自己紹介で終わった。
「それでは、今から席替えをしたいと思います!」
「「「待ってましたー!」」」
「名前を呼ばれた人は、このクジを引いていってください!では安藤くん!」
「はい!」
どうやら席替えをするようだ。
いい席を引けますように!
「桐崎君!」
「はい!」
名前呼ばれた僕は、返事をしてクジを引きに行く。
なになに?35番………お、あそこか。
僕が引いたのは左から窓際から二列目の一番後ろの席。両隣は既に埋まっていて、窓際の方は女子、もう片方は男子のようだ。
女子の方は、なかなか顔が整ってるが、なんというか……幼児体型だ、大石先生といい勝負。隣が僕だと分かった途端笑顔になる。
男子の方は、顔は普通だが、なんかやたら髪型が凝っている。今日は早起きして頑張って髪を整えて来たのだろうか。なまじ顔が普通なせいで逆に違和感が半端ない。
僕が席につくと、早速隣の男子が話しかけてくる。
「よお、俺は西木野修也、よろしくな」
「あぁ、僕は桐崎綾人。よろしくね、西木野君」
「俺のことは修也って呼んでくれ、俺もお前の事、綾人って呼ぶからさ」
「わかった、修也」
おお!なんて良い奴なんだ、西木野修也君!
顔が普通とかいってごめん!やっぱり男は中身だよね!
「それより綾人、お前よぉ、今朝痴漢を撃退してうちの先輩助けたらしいじゃねぇの」
「あはは、もうみんな知ってるんだね」
「そりゃ知ってるさ、なんせ校長が入学式の時に言ってたからな」
「えっ校長が!?それ本当?」
「あぁ本当だぜ、ったくお前はモテるんだろうなぁ」
「そんなことないよー」
「謙遜しやがってー。だがな!今日の俺は一味違うぜ!今日は朝五時に起きて髪型セットに2時間かけたんだ。今の俺ならお前よりモテまくりなぜ!」
え、モテるって……まさか、自分の顔と髪の毛のギャップに気づいてない……いやそんなまさか………
あ!なるほどわかった!修也はみんなの笑いを取るためにあえてこの髪型にしてきたんだ!
修也はすごいなぁ……みんなを笑わせるために朝五時起きで、2時間も髪型セットに使うなんて
なんて言うか僕……
「僕、修也の事尊敬するよ!」
「お?だろだろ?デヘヘへ……」
そんなこんなでいろんなことを修也と話していると、
「あ、あの!」
反対側の隣の女の子が話しかけてきた。
期末試験が始まってしまいました。
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