天才で天災やってます。
第1話 ~朝って大変だよね。~
《今日のランスートーンの天気は晴天でしょう。》
窓の向こう側には、水彩画で描いたような青空が果てしなく続いている。
《現在、門(ゲート)が開く様子もなく門周辺は安全が確認されています。》
外に目を向けると彼方に巨大な門がある。
私はそれを見ながら「はぁー……」と、ため息を漏らす。
あれ(門)は数年前突如出現した。
それ故この国、ランスートーンの3分の1程の人間が死亡した。
それに追い込みを掛けるように門の中からは、見た事もない生物が出て来た。
その生物達は今、『カルン』と呼ばれるようになった。
《今日のカルンの出現確率は60%です。》
カルンは、門が開くと出現する。
また、それが厄介なもので…
カルンは門が開くと『どこか』に出現するのだ。
毎回毎回、出現する場所は違う。
《現在、カルン対策本部ハバナード支局・第伍部隊 成瀬隊が見回りをしているとの事です。》
まぁ、それに対抗する者もいる訳で。
そんな人達の集めて作ったのが、
【カルン対策本部】だ。
その下には各国の支局があり、
またその下には部隊長を中心とした部隊が幾つもある。
私が住んでいるのはハバナード。
だから、支局はハバナード支局になる。
こんな面倒くさいものを覚えるのも、この世界に存在していれば必然的だ。
《8:00になりました。次のコーナーです。__………》
おーヤバイ……。
学校に間に合わない…。
こうなったら最終手段を使おう。
「ロア、ジェイド。」
私がそう声を出すと2人の気配を後ろから感じた。
振り返ると2人の男性が立っている。
「はい、どうしましたか?主。」
「何…?マスター。」
私が呼んだのはロアとジェイド。
私の使い魔だ。
「主」呼びが、ロア。
「マスター」呼びが、ジェイド。
ロアはストレートの灰色の髪。
黄色と青の垂れ目。
182?の長身。
ジェイドは少し癖っ毛で、アシメトリーの空に近い青の髪。
翡翠色をした目。
確か、190?の長身。
「…ふたりって身長、何㎝だっけ?」
「それ、聞くために呼んだの…?」
話終わる前にジェイドにつっこまれた。
「…マスターならあり得る…?」
「あり得ますね。昨日なんて、パシリでしたからね。」
ロアは昨日頼んだお使い(パシリ)を未だ恨んでいるらしい。
「で、何㎝?」
「……俺は185ですね。」
「192…。」
は?…は?
もしかして、
「伸びた?」
「はい。」
「うん…。」
嘘だろ…?
「本当です。」
伸びるの早くない?!
「別に…。」
私なんてもう小人サイズとか…?
「それは言い過ぎですね。」
てか…もう私成長期終わったから伸びないよね?!
「まぁ…。」
何?だったらふたりは万年成長期かよ?!
「ですね。」
……
「全部顔に出てますね。」
「マスターって分かりやすいよね…。」
くぅぅぅぅーーー!!!!!
「くっやしい!!!!」
「フッ」
え?なんかロアに鼻で笑われたんだけど。
《8:30になりました。》
「あ。」
すっかり忘れてたわー。
あははははは-。
その時私の脳裏にある一人の人物が浮かんだ。
………あぁー!考えただけでもウザイ!!
いつもの様な展開は避けたい。
とにかく、急がねば!
「ロア!朝食作って!」
「…了解。またですか。」
「ジェイド!制服出しといて!」
「うん。朝シャン…?」
「うん!よろしく!」
どんなに時間がなかろうと、朝シャンは必須だ。
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