安全地帯〜死すべき者と生きるべき者〜
リア充爆発しろ
ん?なんか香ばしい匂いがする。
アラームが鳴ってない、、てことはまだ7時前か。
まだ寝てたい。けど、恐らく今キッチンにイヴがいる。
俺は重たい腰を上げてベッドから立ち上がりキッチンに向かった。
キッチンに向かうにつれていい匂いは増してきた。
「イヴー?いるのか?」
俺はキッチンの扉をあけた。
開けた扉の先には制服の上にエプロンを着けて料理をしているイヴの姿があった。
あぁ、、幸せだ、、、
「あ!アダム!起きたのね!朝食あと少しで出来るから!」
イヴは顔だけ俺に向けてそう告げた。
「お、おう。ありがと」
俺は思わず照れてしまった。
いやぁ、、なんというか、、その、、夫婦、、みたいで、、
俺はそんなこと思いながらテーブルに腰をかけた。
それと同時に
「出来たわよ!はい!肉じゃが!!」
イヴは俺の目の前に料理を並べて椅子に座った。
「あれ?イヴはたべねーの?」
イヴの分がない、
「ええ、軽くすませちゃったからね。今はこれ(コーヒー)だけでいいのよ」
イヴはコーヒーを飲みながら俺にいう。
あー、、懐かしい。 昔、、まだ俺がガキの時は母さんとよく一緒にご飯を食べたな。 俺はご飯食って、母さんはコーヒー飲み。俺はその時間が好きだった。 だが、ある日突然母さんは家に戻らなくなった。それからは1人で飯を済ませて、誰かと一緒に朝を迎えることはなかった。
けど、今はこうして、、、、
「な、何よ!私の顔に何かついてるの?」
あっ、やべぇ。昔の事思い出しながらずっとイヴの事みてた、、、だって、イヴが母さんにみえるんだもん。
「いや、、なんでもないよ」
俺はそう言って肉じゃがに顔を向けた。その時までは俺はそれを肉じゃがだと思っていた。その時まで、、、はの話だ。だがこれをみてしまったら肉じゃがと言えるだろうか。答えは、否だ。
「あ、あのさイヴ。聞きにくいんだけどこれ、、本当に肉じゃが?」
俺は恐る恐るイヴに聞いてみた。
イヴは「何言ってんだコイツ?肉じゃがに決まっとるやろうが!!見てわからんのかいゴルァ」って顔をしている。
やはり聞くのはまずかったか、、、
「何を言ってるのかなアダム?」
ほら、聞いちゃいけなかったんだ。顔はニコニコしてるが、俺には分かる怒ってらっしゃる。けど、俺は諦めない。だって、、だって、、
「肉じゃがなのに肉が入ってないじゃないか!貴方はこれを肉じゃがと仰いましたね?普通肉じゃがというのは肉とジャガイモがメインの料理ですぞ?なのに、ジャガイモだけなんて、、これは肉じゃがじゃない!ただのジャガだ!」
俺はイヴに肉じゃがの説明をし、ついでに一口食べた。クゥー、、悔しいことに味だけは美味い。
俺の言葉にイヴは反撃してきた。
「に、に、肉は入れ忘れただけよ!それかなに?私が肉じゃがを知らないとでも?」
イヴは鼻で笑いながら言ってきた。
はぁ、、これは長引きそう。どちらかが引かなければ話は長くなる。俺はイヴより大人だ。大人なんだ。だから俺が引かなきゃ、、
「わーた、、わーたよ!これは肉じゃがです。俺が間違っていました。どうかお許しください。」
俺は棒読みでイヴに言った。そのことをいいことにイヴは更に俺に言ってきた。
「ほらね!私が正しかったでしょ?まぁ私が正しかったから私の言うことを聞いてもらうからね!」
「はぁ!!!!?聞いてねーよ!」
突然すぎる。あーーめんどくせ。やっぱり前言撤回。この女くそ性格悪すぎる、、、なんだドSか?
「あのなぁ、、、ちなみどんなことを俺に命令するつもりだよ」
それが問題だ。変な命令だったら即却下だ。だがマトモな命令だったら、、、いや命令ってのはムカつくな。お願いだったら聞いてやらんでもない、、な。一応、コイツに面倒見てもらってるからな。
「私、チョコレート食べたい。あと、マシュマロとマカロンとイチゴとぉ、、まぁなんか甘いものポケットから出してよ〜」
はい、却下。
「俺はどっかのネコ型ロボットか!そんな甘いもの沢山出てくるポケットはねーよ。あとそんな食うと太るぞ」
俺は腕を組みながらイヴに言う。
「えーー出ないのぉ〜〜??え、太る!?ハハッ大丈夫よ!     私太らないので  」
あ?どこのドラマの主人公のセリフだよ。けど、、コイツスタイルはいいんだよな、、、
「わーた。てか、時間やべー。そろそろ行こうぜ。帰りに買ってやるよ」
俺はイヴにそういうとキッチンを出た。
キッチンの方から
「絶対だぞ〜!」
というイヴの嬉しそうな声が聞こえてきた。
「ハイハイ、、」
俺はイヴに聞こえるか聞こえないかの声量で返事をした。
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