安全地帯〜死すべき者と生きるべき者〜

夜月 綺麗

卵焼き


朝ごはんは恐らく卵焼きだった。

何故恐らくとつくのかと言うと、卵焼きの原型を、保っていなかったからだ。

普通は黄色い卵焼きだが、この卵焼きは何故か黒い。

「あ、、あのさ、イヴ?これは、卵焼きでいいんだよな?」

俺は恐る恐るイヴに聞いてみた


「え?そうだよ〜?見ればわかるじゃん!」


イヴは不思議そうに言う。


やっぱりか、、、俺は色んな角度からこの黒い物体を見た。

そして覚悟して一口食べてみると

「あれ?、、、、うまい!」

見た目はグロテスクなのに、味は一流シェフが作る料理みたいだ

「イヴ!これ、美味すぎ!」

イヴは自慢気に

「でしょ!料理には自信あるんだから!!」

でも、、味は置いといてどうしたらこんな見た目になるんだ、、、、?

俺はそう思いながら卵焼きを頬張り完食した。




「さて、さっきの説明してくれる?アダム」

イヴは腕を組んで俺に聞いてくる。

「恐らくだが、、、、」


俺は椅子から立ち上がり、飛べっと心で思ってみた。

すると、足が地面から離れ体が空中に浮いた。


「!!!」

イヴは驚いていた。

「今俺は心の中で飛べって思ったんだ。」

俺はイヴに説明をした。

「飛べって、、、え!?でも急になんで!?」

イヴは困惑してるようだ。

実は俺も飛べるようになった経緯がわからない。

いや、まてよ


「そういえば昨日母さんが、悲しみを得る事で能力が芽生えるって言ってたよな?」

俺がそう言った瞬間、イヴも思い出したように

「あ!!それじゃあ」

俺は高杉が死んで悲しみにくれてた、、まさかそれがきっかけで俺にも、、?

けど、、飛ぶ能力って、、

「俺は恐らく高杉の死によって能力が芽生えたらしい。それがこの飛ぶ能力、、、ってわけか」

と少しこの能力を不満に思っている俺にイヴは

「能力目覚めたんだ!!よかったじゃん!!」

励ますように言ってくれた。

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